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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
第四章 コンラド共和国編

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第六十五話


翌日。

起きてからまずは魔力精錬の修行。

その後ギルドに向かい、受ける依頼を探す事にする。


ギルドに到着して中に入ると相変わらずの人混み。

もう人の多さに酔ってしまい依頼書を取るどころではない。

そんな状況を受付から見ているとギルドの所長が通りかかり

「お、アイカワさん。おはよう。依頼を受けに来たのかね?」

と聞かれて

「はい。

でも相変わらずこんな状況じゃ、これでは依頼書の争奪戦にすら参加する気力が無くなりますよ」

と落胆していると

「じゃあ、ちょっと所長室まで来てくれ」

と小声で言われ、所長室の中に入ると

「ふぅ。やっと静かになった。

さて、来てもらったのは他でもない。君にお願いしたい依頼がある。

他の連中に頼んでも良いんだが、ある程度信頼が置ける人でないと所長預かりになっている依頼は一般には公示できんのだ」

なんだ?そんなに秘密にしなきゃいけない依頼なんてあるのか?

「いったいどんな内容なんです?」

誰も受けたがらない厄介な依頼を何とかしてくれ!とかじゃぁ無いだろうな、バルシス王国の時みたいに・・・

「実はな、ラリムの街が稼いだ収益金の中の一部を定期的に共和国の金庫室まで馬車で輸送する任務があるのだが、その護衛依頼に参加してもらいたい」

と直々に依頼を提案された。

「そりゃまた、凄い任務ですね。当然、共和国の兵士の方達も参加されるんですよね?」

と聞くと

「そりゃそうだ。こんな依頼、冒険者のみに任せられるわけない。

それにこの任務は城の兵士、冒険者共にかなり信頼が置ける人物にしか頼めない様、ラリムの街を治めている伯爵及び共和国から人材を厳選するようにお達しが来ている。

君の駐屯地での活躍、そしてサリム子爵を助けた事は城や国内のある程度の地位にいる者なら誰でも知っている。

それを考えれば、こちらとしては君はうってつけだと思うがどうかな?受けてみる気はないかな?」

と聞かれ

「期間はどの位なんです?1日限りですか?数日に掛けてですか?」

と聞くと

「期間は今日から3日間だ。

それ以上同じ人物で輸送をしていると現金輸送していると分かってしまい、強奪をしようとする連中が出てきて治安の悪化に繋がりかねないからな。

ただでさえ、国内の一部から

(ラリムの様な街があるから、魔物よりも人間の方が恐ろしく感じる時がある)

なんて意見が国王様や臣下達の耳に届くくらいだ。

かと言って、ラリムの街の収益は国にとっても貴重な財源の一部だ。

今更

(ギャンブル事業を無くして他の産業を見つける)

なんて不可能だからな・・・」

確かに。

国としては国内の治安も大事だが、貴重な財源は無くしたくない。

そこら辺は何とかして個人個人に

(ギャンブルに傾倒し過ぎるな!)

と地道な啓蒙活動をしていくしかないのだろう。

「そうですね・・・分かりました。受けましょう、その依頼」

凄く緊張感はあるだろうが、このまま何もせずお願いした鎧が出来上がるまでいるわけにはいかない。

尚且つ、毎朝あんな依頼書の争奪戦に参加する気もこちらにはない。

「良かった。ありがとう、受けてくれて。

では、早速城へ向かってくれ。詳しい内容は城の担当兵士が説明することになっている。

城の場所は分かるか?」

あ、そうだ。この国の城にまだ行った事ないや。

でも、この大通りを出てると見えたな。

「まだ目の前まで行った事はありませんが、この大通りの先にあるのがそうですよね?」

と言うと

「ああ、そうだ。そこがコンラド共和国の城になっている。

そこに行って門番の兵士にこの紙を渡した後、こう言ってくれ。

(雨乞いを頼まれてやって来た魔導士です)

とね。

これを言えば城の中に入れてくれる」

随分変わった合言葉だな。雨乞いって・・・

所長から1枚の紙を渡される。

「分かりました。ではこれからお城へ向かいます」

と言うと

「ああ、くれぐれもこの依頼の事は決して誰にも話さない事!例えギルドの受付の人間でもだ。

内容が内容だし、もし1人でも話せばどこから漏れるか分からんからな。

まあ、その点は城の中でも言われるだろうがな」

と念を押された。

渡された紙をマジックゲートに収めてギルドを後にする。


城までの距離は歩いて数分という距離だが、到着するまではどうも落ち着かなかった。

変にソワソワしている方がかえって怪しいのだろうが、誰かに後ろから後をつけられてないかとか考えてしまう。

当然、何事も無く城に到着すると門番に

「雨乞いを頼まれてきた魔導士です」

と言いながらギルドで貰った紙を差し出すと

「では、こちらへどうぞ」

と門番をしている兵士に案内されて城の中へと入る。


中に入ると応接間の様な所ではなく、少し薄暗い、なんなら(取調室か何かか?)と思うくらいの煉瓦(れんが)で出来た、簡素な部屋に通される。

暫く待っていると部屋の扉が開き、2人の男性が入って来た。

1人は隊長の様な風格があり、もう1人は駐屯地でナイトスパイダーに襲われた時に治療魔法をかけたあの時の兵士だ。

「お待たせしました。この任務の責任者を務めています<ジェイソン>と言います。よろしく」

と自己紹介されると

「はじめまして、アイカワ ユウイチと言います。よろしくお願いします」

とこちらも挨拶をする。

「ああ、貴方がアイカワさんですか。駐屯地やサリム子爵の救助の噂は聞いてます」

なんか変な感じで駐屯地の事が伝わってるのか・・・?

「いや、どちらも自分に出来る事を最大限したまでですから・・・」

と謙遜すると

「そう謙遜なさらずに。と、では早速今回の内容を説明します。

まず我々は3台の馬車で現金を輸送します。

輸送する時間帯は早朝で、まず今日の夜からラリムの街に入り金貨が入った箱を馬車に積み込みます。

その後それぞれの馬車に腕利きで信頼出来る兵士と魔導士を複数乗せて、現金を守りながら城へ運び入れます。

アイカワさんには移動している途中、探知魔法をこまめにかけていただき、こちらに向かってくる人間達や、集団で集まっている人間達などを逐一報告していただきます。

怪しい集団を見つけたら同乗している兵士に報告してください。

暗号が書かれた紙で馬車に乗っている兵士達がやり取りします。

荷台を覆っている布には覗き穴が幾つかあるので、目視出来そうな距離にいる場合は外に出ずに穴から覗いて怪しい人物を報告してください」

と説明される。

「もし襲撃されそうな場合、或いは襲撃された場合はどの程度まで防衛すればいいんですか?

例えば馬車自体に魔法障壁をかけ続けて、人気のない所まで行った後各個撃破とか?」

と聞くと

「凄いですね、アイカワさん!その通りです。

仮に街中で襲われた場合はそのように対処していただきます。

まあ、向こうを出発する時間が早朝なので変に大人数で集まっていれば分かるでしょうし、輸送途中の各ポイントに一般人に扮した兵士が所々で見張っているので、いざとなればその兵士達と一緒に馬車を防衛していただきます。

そのポイントの兵士達とも暗号でやり取りするので、違う人間がいればすぐに分かるようになっています」

なるほど、最初から最後まで馬車に乗っている人間達だけだと心身共に負担は大きいだろうが、それなら安心だ。

「それと、秘密厳守の為に依頼を受けている期間は城に寝泊まりしてもらいますが宜しいですね?」

と聞かれ

「はい。大丈夫です」

と即答した。

「では、この宣誓書に目を通していただきサインをお願いします」

と宣誓書なる物を出してきた。

ふむ、なになに?・・・

宣誓書には色々と書かれていたが、主な内容は

(依頼期間が終了してもこの内容を外部に漏らさない事)

とか

(もし、今後この馬車が襲撃され、契約者が主犯及び犯行メンバーに参加して、もし兵士に捕まった場合、裁判をせずに即刻極刑に処される)

・・・恐ろしい事が書いてあるが、でもまあ至極当然だろうな。

これを読んでも大丈夫だと判断されたからこの依頼を紹介されたのだから。

宣誓書にサインしてジェイソンに渡すと

「ありがとうございます。

では出発は夜になりますので、それまではこちらで用意した部屋で休んでいてください。

昼食は部屋に持ってこさせますし、時間になれば兵士が呼びに行きますので、城の内部を出歩くのはお控えください」

と言われた。

「部屋へ案内してあげてくれ」

と言うともう1人の兵士が俺を部屋へ案内する。

「どうぞ、こちらへ」

と言われ、部屋に案内される。




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