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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
第三章 駐屯地遠征編

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第四十九話


駐屯地1日目の朝、いつも起きる時間より早く起きてしまったので取り敢えず外に出る。

外には複数の兵士と魔導士がいた。

どうやら夜勤を担当している人達の様だ。

一応詰め所に行ってみるがその時番をしていた兵士に

「いや、気合入りすぎでしょ。流石に早すぎますよ」

と笑われてしまった。

ゆっくりと散歩をした後テントに戻って来て、何もすることが無いので魔力精錬の修行を少しする事にした。

その後外がガヤガヤし始めたので出てみると、同じく駐屯してる人達が外に出てきて各々行動をし始めた。

朝食を食べに行く人、俺と同じく散歩をする人等様々だ。

「初日だから昼間の警備だろうなぁ。朝飯でも食べに行くか」

と思い、食堂に行く。

2つある食堂には結構な人数がいて、みんな席に座りながら朝食を堪能していた。

すると店員が

「1人なら相席でも構わんかね?」

と聞かれ

「はい、大丈夫です」

と言うと鎧を着た兵士2人が座っている席に案内された。

「お客さん初めてかい?朝のメニューは簡単なものだから、すぐ持ってくるよ」

と店主に言われて、暫く待つ。

待っている間、同じ席になった兵士達に

「今日が初日ですか?」

お、話しかけてくれた。

「はい、そうなんです。同じ班になったらよろしくお願いします」

と返すと

「まあ、日中も夜間も比較的穏やかなものですよ。

この街を建設するにあたって、事前に魔物の巣が無いかとか色々な調査をしてこの場所に決まったので、魔物が襲ってきたりしませんしね」

へぇ、そりゃ楽そうだな。

「日勤の警備がする事と言えば、見回り以外に魔物の肉の確保位ですかね。

やはり肉が無いと食事の楽しみも減り、従事している人達のモチベーションにも関わりますから。

稀に日勤の人間達でわざわざ魔物を狩りに行く事もあるんですよ」

と話してくれた。

更にもう一人も

「前回の魔物狩りは面倒だったなぁ。

なにせ近くに一切魔物がいないからってコンラド共和国近くまで行ったもんなぁ。

あの時はきつかったわ~」

まあ、これだけの人数分の肉の確保だったらそれなりの数の魔物を狩らないとだもんなぁ。

なんて思っていると俺の料理が運ばれてきた。

料理と言っても良く見るとパンに野菜とチーズが挟んである程度の物だ。

早速かぶりつくといつもより美味しく感じられた。

まあ、散歩したからお腹空いてたしな・・・とか思っているとあっという間に食べ終えてしまった。

少し兵士達と雑談した後、詰め所に向かうとイーサンが待っていて

「おはよう。アイカワさん。今日から初日ですね。

早速ですがアイカワさんには日中の警備にあたってもらいます。

とは言っても魔物が自らの意思で攻めてくる事は滅多にありません。

兵士2人と魔導士1人の3人1組で見回ってもらいます。

日中、夜間ともに3チームで受け持ち、昼食の休憩時は兵士達がそれぞれで行うのでその時に一緒にお願いします。

夜間の時の食事ですが、予め食堂で今日の朝食の様な軽めの物を用意しているのでマジックゲートに収めておいて、休憩時に食べて貰うという感じになります」

と矢継ぎ早に説明されたがおおよそ理解は出来た。

「なにか手を借りたい時にはお呼びしますのでその時はよろしくお願いします。

では、交代のミーテイングがありますので外へ」

と促され外へ出ると兵士達と冒険者達が集まっていた。

「え~、それでは朝のミーティングを始めます」

とさながら工場などでよく見るミーティングが始まった。

昨晩の警備の内容や注意事項などをイーサンが淡々と述べると

「では、今日も気を引き締めて頑張りましょう!」

と最後に大きな声で喝を入れる。

誰について行けばいいか分からず周囲を見回していると兵士が2人歩いて来て

「アイカワさんですね?本日同じ班になったボブと言います。

こっちはデイブです。よろしく」

と笑顔で挨拶してくれた。

「デイブです。宜しく」

と言われると俺も

「アイカワです。よろしくお願いします」

と返すとボブが

「では、早速行きましょう。とは言っても特別な事は何もしません。

魔導士の方には定期的に探知魔法を地上と上空にかけてもらい、その結果を私達に報告してもらうという流れです。

魔物がこちらに襲ってくる確率はあまり高くありませんが、念の為探知魔法に魔物が引っかかった場合は注意してください」

と歩きながら説明していく。

「昼の休憩は交代制になっているので、その時間が来れば他の班の兵士が来るので一緒に取りましょう。

別の現場で人手を借りたい時は、誰かが呼びに来るのでその時はお願いします」

とデイブが続いて説明する。

「では、早速探知魔法をお願いします」

と促され、念の為精錬した魔力で地上と上空に探知魔法をかけたが何も引っかからなかった。

そのことを報告すると2人共安堵した表情をした。


午前中は本当に何もする事が無く、雑談をしながら担当区域を往復したり、たまに探知魔法をかけての繰り返しだった。

他の班からも報告が一切入ってこない。

平和だなぁ、などと考えているといつの間にか昼になっていたのか他の班の兵士が来て

「飯、行っていいよ~」

と少し間の抜けた感じの声で言われた。

どうやら俺達は順番的に最後の飯の様だ。

食堂で昼食を食べているとボブが

「アイカワさんはこの依頼が終わったらどうするんです?来た街に帰るとか?」

と聞かれたが

「いえ、コンラド共和国に行こうと思ってます。色々な街を旅をするのが目的なので」

と言うと

「じゃあ、今回の依頼料はギャンブルに全ツッパとか?」

とニヤついた顔で聞いてきたが

「おいおい、お前と一緒にするなよ。まだ辞めてなかったのか?ギャンブル」

と笑いながらデイブがツッコミを入れる。

「やっぱり盛んなんですか?コンラド共和国でそういうのって」

ギャンブルねぇ・・・テレビゲームの中でしか経験ないけど、率先してやろうとは思わないなぁ。

「観光の目玉の一つなので盛んと言えば盛んですが、一応のめり込めない様に規制もありますよ。

例えば国が発行する店の入場許可証を入手しないと出入り出来ないとか、その許可証の裏に使用した金額を記載して、一定額を超えると出入り自体を禁止にするとか。

そうしないと借金を負った人が犯罪に走ったりして、国の治安が悪くなってしまい、最終的には国の観光政策にも響いてしまいますので」

なるほど、そりゃそうだ。

「ギャンブルはした事がありませんが、あまり興味は無いですねぇ。

自分は多少のめり込んでしまう癖があるので、そこがちょっと怖くて」

今までのめり込んだ物と言えば、ゲームやアニメ、ギャンブルと言っていいか分からないが宝くじ程度で、パチンコや競馬などは興味が湧かなかった。

「まあ、程々に遊ぶに越したことはありませんから」

とドヤ顔をするボブをお前が言うな的な顔で見つめるデイブ。

なんだかんだ良いコンビだな。

昼食も終わり配置に戻って暫くすると、別の班からお呼びがかかった。

「すまないが、向こうの方で切り倒した木を運ぶのを手伝ってくれだと。

前回は俺達の班だったから今回はそっちで頼むわ~」

と声をかけられるとデイブとボブが

「あいよ~。では行きますか」

と3人でお手伝いに行く。


指定された場所に到着すると、開拓担当の人達が困った様子で立ち尽くしていた。

「どんな状況ですか?」

と俺達3人が話しかけると

「お疲れさんです。いや、やっとの事で切り倒した気がデカ過ぎて人の力ではどうにもならんのです。

なので少しでも人の手を借りようと思ったんですが、どうしたもんかと・・・」

確かにデカい。神社などで紹介されている御神木ではないかと思うくらいの大きさだ。

「こりゃ、デカい!。良く切り倒せましたね、こんなの」

とデイブが驚いていると

「計画書通りに進めるにはどうしても切らなきゃいけなかったもんで張り切って切ったものの、その後がなぁ。

幾つかに切り分けたいんだが、周囲を警戒するには兵士さん達が足りないし、別の班の魔導士さんは雷魔法しか使えないって言うし。

そちらの方が風魔法で木を浮かせてもらえれば、台座を置いて切り分けられるんだが、大丈夫ですかの?」

と俺に聞いてきたので

「はい、一応使えます。すぐにでも出来ますが台座の準備は?」

と返すと既に他の木こりが用意していたので早速風魔法で木を浮かせる。

木に傷をつけない様に慎重に真ん中辺りに風魔法を発生させて、浮かせると即座に木こり達が両端に台座を置き、最終的に等間隔に台座を置き木を安定させる。

「すげぇ。こんな繊細な風魔法初めて見た」

と別の班の魔導士が驚いていたが、そんなもんかな?と内心思いながら苦笑いで返した。

「ありがとうございました。これで作業が進められますわ~」

とお礼を言われると、周囲の警戒を別の班に任せて俺達は元の担当場所に戻る。

その後も何も起きず、陽が暮れ始めて辺りが暗くなると夜間担当の班が来たので

「交代の時間なので引継ぎの為に探知魔法をお願いします」

とデイブ達に言われて、探知魔法を使用するがやはりなにも引っかからない。

その事を報告すると

「分かりました。では、報告は俺達の仕事なので、ここで解散です。

また明日もよろしくお願いします」

と言われて解散する。


テントに戻る前に食堂に戻り、夕食を食べる。

案外何も起きないんだなぁ。こんな感じならマオ達女性陣も受けてもよさそうだが・・・

「まだ、女性魔導士に対応出来る環境が整ってないのでしょう。

マオさん達がこの依頼を受けたがらないのは、ある程度納得が出来ます」

とアイが話しかけてきた。

「確かに。

最低でも女性魔導士専用の宿舎とか用意しておかないと、あまり気乗りしないんだろうなぁ」

テントで宿泊しているのも男性しか見ないし、医療班はまだ見たことは無いがこの分だと男性しかいないのだろう。

テントに戻り寝袋の上に寝そべって一息つく。

「今日は偶々(たまたま)かもしれないけど何も起きなかったなぁ。

ずっとこんな感じなら楽なんだけどなぁ」

と呟くと

「そうですね。魔物達もこれだけの人数がいればそう簡単には襲っては来ないでしょう」

と返す。

まあ、何はともあれ気だけは抜かずこのままこの依頼を乗り切ろう。

そう思いながら寝袋に入り、アイと雑談をしているといつの間にか寝てしまっていた。


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