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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
第二章 バルシス王国編

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第三十七話


翌日になり朝起きてから魔力精錬の修行を少しした後、お城へ行く事にした。

若干、気が重くもあるが呼ばれているので行くしかない。

お城の正門に到着すると門番の兵士に昨日ガルフから貰った紙を見せると

「少々お待ちください」

と言われて待っていると、呼びに行った兵士と共にガルフが城の中からやってきた。

「こんにちは。アイカワさんでしたね。どうぞこちらへ」

と城の奥へ案内された。


キリアナ王国と同じ様にまず部屋に通されて呼ばれるのを待つ。

相変わらずこの待つ時間は落ち着かない。

暫くすると

「お待たせしました。こちらへおいで下さい」

と言われガルフの後をついていくと謁見の間に通された。

するとガルフが

「アイカワさん、こちらが我が君主であられるエイブラム・レコン・バルシス王です」

と紹介された。

キリアナ国王の時と同じように

「アイカワ ユウイチと申します」

と一礼すると

「うむ、今回は偶然とはいえご苦労でしたな、アイカワ殿。

君のおかげで我が国の財宝が戻って来る事が出来た。

国王として礼を言わせてもらう」

とバルシス国王からお褒めの言葉を貰った。

バルシス国王の見た目はキリアナ国王とは違い結構筋肉質な感じだ。

「あー、ところでアイカワ殿は生まれは何処になるのかな?」

といきなりバルシス国王から想定外の質問が来たので

「実は、幼い頃に両親を亡くしてしまいその後、ある魔導士に拾われて魔法を教えて貰っていたんです。

でも、その師匠もある日(依頼を受けてくるから)と出かけて行ったっきり帰ってこなくて・・・」

と嘘をついた。

「そうか、それは気の毒に。親御さんやその師匠の名前も覚えてないのかね?」

ん?俺何か疑われてる?そう思ってしまったが心を読むスキルは発動せず

「はい。両親に関しては物心がつくかつかないか辺りの頃でしたし、育てて貰った師匠も名前は教えて貰えず自分の事を(師匠と呼べ)と言われてたのでずっとそう呼んでました。

最後に出掛ける前にある程度のまとまったお金を置いて行ってくれたので、それを切り崩しつつなんとか今まで生活をしていました」

と思いつくままの嘘を続ける。

言っている自分も(若干矛盾があるな)と思いつつ話していると

「いや、色々と過去を詮索して申し訳ない。

実は、財宝を奪った海賊達と関連があるかもと少し君を疑っていたのだ。

当時財宝を奪われて暫くすると、海賊達の消失と同時にリザードマンの群れの発見の報告があったので、巷では

(海賊たちはリザードマンの群れに殺害されて、そのアジトにリザードマン達が住み着いた)

という説が広まって、当時の我々もそれで終わりにしようと思ったのだが、如何せん証拠が無いと正式に資料として残していいのか分かりかねてなぁ」

と国王が俺の過去を詮索した理由を話してくれた。

「しかし、財宝強奪が30年前の出来事だし、もう面倒だから当時の海賊達は全滅としておくか」

と近くにいたガルフに話しかけるとガルフは苦笑いをしていた。

俺の過去にも納得したようで内心ホッしていると

「では、アイカワさん。こちらをお受け取り下さい」

とガルフが小袋を差し出してきた。

中には金貨が15枚程入っていた。

「え?宜しんですか?偶然見つけただけなのに」

と遠慮しようとすると

「構わんよ、王国からのせめてもの礼だ。

それにリザードマンの巣を壊滅してくれたおかげで、あの地域に元々住んでいた住民達を帰す事が出来る。

それに戻って来た財宝の一部を、あの地域の再建や漁師達に漁を再開するための補助金として使おうと思っていてな。

そうすれば漁獲量も増えて、他の国や街からの観光客も増えて皆も喜ぶ。

それを考えれば寧ろこの金額は安いくらいだよ。だから受け取ってくれ」

とバルシス国王に笑顔で言われたので有難く受け取る事にした。

「それでは、この辺で失礼させていただきます」

と一礼して城を後にする。


頂いたお金をマジックゲートに収める。

まだ夕方前なので解体は終わってないだろう。

しょうがない、市場にでも行ってみるか。

アイにこの街のマップを開いてもらい市場に向かう。

市場に到着すると、果物や野菜と同じくらい魚を取り扱っている店が多い。

それに魚市場の競りでよく聞くあの独特な声質の人も聞こえて、なんだか懐かしくもあり気分も上がった。

観光にも力を入れているのか所謂(食べ歩き)の店がそこら中にあって、この街のグルメを堪能した。

お腹を満たすと、丁度夕方になったのでギルドへ向かう。

到着して受付に行くと解体所ではなく所長室に通された。

な~んか嫌な予感がするなぁ・・・

「失礼します」

と言いながら中に入ると所長のギブソンが何か本を見ながら待っていた様で

「おお、アイカワさん。昨日はご苦労様。

早速だがリザードマン達の内訳を説明しよう。

まずは通常のリザードマンが1体につき金貨10枚、リザードマン・サージェントが17枚で合計157枚だ」

と結構な金額になった。

目を輝かせて喜んでいると

「喜ぶのはまだ早いぞ?それにプラスしてリザードマンの革の売却費用が15体分全部で82枚だ!

本来なら85枚だがリザードマン・サージェントの革が思ったより質が良く無くてな。

その分マイナス3枚引かれて82枚になった」

話を聞いているうちに金額に驚いて口があんぐりしていたが気を取り直して

「もしかして、リザードマンの肉って食用になるんですか?」

と聞いてみると

「ああ。鳥系の魔物の肉と同じ様な質だが脂身が少なくて金持ち達に人気なんだ。

ダイエットに良いからって。

少し分けてやろうと思ったが、あいにく噂を聞き付けた街中の高級飲食店やら貴族やらが買い漁っちまってもう余ってないんだ」

そんなに人気なんだ。あの半魚人達・・・

見た目からはおおよそ想像が出来ないが、海沿いの国ならでは何だろうなぁ。

「まあ、皮膚は硬かったので鎧の素材になるんだろうとは思ってましたが、やっぱり貴重なんですか?」

と聞くと

「まあ、リザードマン自体は希少価値が高い部類ではないが、生息しているのは海沿いの国や綺麗で大きな川が流れている国だからそんなに多くは流通しないんだ。

特産品として観光の目玉にしてる国もあるくらいで、丈夫かつ軽い素材で出来た鎧を欲しがる剣士なんかが武器屋を訪れてよく買っていくんだよ」

と色々と教えてくれた。

「じゃあ、今回の合計金額239枚だ。受け取ってくれ」

と金貨が入った袋を渡されて、マジックゲートに収容していると

「それと実は、折り入って相談があるんだがなぁ」

といきなり神妙な面持ちで話し出した。

「もう1つ、Dランクで手こずっている依頼が1つあるんだが、それもお願いできないか?

勿論1人でとは言わん。今この街にいるDランクのパーティーを1組紹介する。

そいつらと一緒にある魔物を討伐してもらいたいんだ」

とお願いされた。

「じゃあ、取り敢えず話だけは聞きます。どんな内容なんです?」

と取り敢えず聞く事にした。

「海上に現れた凶悪な魚型の魔物を討伐してもらいたい」

と言われたが

「海の上ですかぁ。てか、今まで何組のDランクパーティーが挑んだんです?

同じDランクの俺が1人加わったところで、どうにかなるとも思えないけどなぁ・・・」

と当然の疑問を口にすると

「今まで挑戦したのは4組でいずれも倒すのに失敗している。

幸い死者は出ではないが、これ以上依頼完了が先延ばしにしていると王国からギルド所長としての私の査定が・・・ゴ、ゴホン。地域の漁師達の生活が懸かってる、頼む!報酬はプラスアルファするから!」

おい、なんだよ自分の査定云々って。小声とはいえ本音がダダ洩れじゃねぇか・・・

まあいいや。

「じゃあ、その依頼を受けるのは明後日からで。明日は1日休ませてください。

それに無理だと判断したら即時撤退しても良い事、それで良いならお受けします」

との条件を出すと

「ありがとう!では明後日の午前中にギルドに来てくれ。

その時に同行してもらうパーティーを紹介しよう」

と言われ、ギルドを後にする。


シャルナンに帰って来ると食堂で夕食を注文する為、メニュー表を見る。

流石に(リザードマンの肉)なんてメニューには書かれていなかった。

今日は別のメニューを頼んでみるかと思い、いつも頼んでいる焼き魚セットより値段の安い料理を注文する。

市場での食べ歩きで食べた物がまだ胃に残っている感じがしたからだ。

食べ終えて部屋に戻り、椅子に座るとアイが

「良かったのですか?あんな依頼を受けてしまって」

と聞いてきたが

「まあ、海の上での戦闘も経験しておきたいし、それに無理と判断したらどんな手を使ってでも組んだ人達と一緒に帰るさ」

と返した。

その後ひとしきりアイと雑談した後、夜も更けてきたのでもう寝る事にした。


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