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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
第二章 バルシス王国編

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第三十五話


キリアナ王国を出て、小川沿いの道をひたすら進む。

バルシス王国に向かう途中魔物を見かけることもあったが、余計な殺生はせずに見つからない様にその場を通り過ぎた。

どのくらい歩くか分からないので余計な体力を使いたくなかったし、見かけたのもゴブリン等の低級の魔物だったからだ。

海沿いの国かぁ・・・海賊とか存在するのかな?なんて想像しているとアイが

「今、海賊とかいるかな~とか考えてましたか?」

と唐突に話しかけてきた。

「何故バレた!」

とびっくりすると

「何となくです、そんな事を考えてそうな顔をしていたので。

それに海にも魔物は一定数存在するので、マトモな戦力が整っていない海賊などが船で海に出れば、襲う側の海賊も襲われる側の市民も瞬く間に全滅してしまいますよ」

と至極当然な返しが来た。更に

「まあ、山賊程度なら存在しますよ。今回は海沿いなので遭遇はしませんでしたが」

でも人間を相手に戦うのは何か嫌だなぁ、難しいだろうし。

まあ、その時は相手が気を失う程度にダメージを与えるか、自分1人だけなら逃げるのもアリか。

結構な距離を歩き夕暮れに差し掛かろうかというタイミングで、ようやくバルシス王国の検問所前に到着した。


検問所の兵士に登録証を見せて入国の目的を聞かれた後、偽の登録証でない事を魔力で確認が完了すると、無事にバルシスの城下町に入る事が出来た。

検問所の兵士には職業を<商人>と申告したが、武器や防具を装備していた事から最初(いぶか)()に見られたが、ある程度魔法が使える事を説明すると何とか信じてもらえた。

街に入って早々、これからお世話になる宿を探す。

リフルの様に宿と食堂が一緒で、料理が美味しい所がベストだがそんな運よく見つかるかなぁ。

キリアナ王国でもう少し情報を仕入れるべきだったか・・・

まあいいや。まずは食事を頂こう。

酒場の看板を見つけて、外から窓を覗き酒を飲んでいる客より、食事をしている客が多い店を探す。

酔っぱらい達が多いと、ダル絡みをされてトラブルになる可能性を避けたかったからだ。

探し回って3軒目でようやく条件に合う店を見つけた。

店の名前はベルダン。

扉を開けて席に案内され、メニューを見る。

料金としてはリフルとそこまで変わらないが、やはり魚料理が多くを占めていた。

(こういう時はメニュー表の1番上がオススメ

暫くした後、良い感じの色に焼かれた大きめの半身が皿に乗った料理がテーブルに運ばれてきた。

早速メインの焼き魚を1口。すると魚の美味しい脂と旨味が口の中に広がる。

味はサバによく似ていた。

久しぶりに焼き魚を食べたからか(うひょ~!美味しい~!)と思わず顔がほころぶ。

日本人ならこの場合だと大抵は白米と味噌汁が欲しくなるが、残念ながら一緒に運ばれてきたのはミニサラダと若干固めのパン。

流石に米や味噌汁は無いか・・・と思っているとアイが

「ありますよ、この世界にも。白米や味噌を中心とした食文化の国が」

と言ってきた。

「あるの?どの辺に?」

と聞くと

「ここからではかなりかかります。

船で少なくとも1か月以上かけて海を横断しないと、隣の大陸には着きません」

との事。

「少なくても1か月かぁ。この世界の船は前にいた世界の客船とは当然違うだろうし、流石に億劫だなぁ。

それに海にも魔物がいるって昼間言ってたし、海上だと陸と違って逃げ場も無いだろうしなぁ」

とアイと話している内に食事が終わり、店の人に

「あの、さっきこの国に着いたばかりなんですが、ギルドの場所とおすすめの宿あったら教えてほしいんですが」

と尋ねてみると

「ああ、ギルドは城の目の前にあるよ。

あとおすすめの宿なら目の前の大通りを城の方へ少し歩くと右に曲がる道があって、その角に<シャルナン>という宿屋がある。

食堂も一緒になってるから便利だと思うよ」

と教えて貰った。

「助かりました。教えて頂きありがとうございます」

とお礼を言いベルダンをあとにする。


早速教えて貰った通りに行くとシャルナンと書かれた宿を発見する。

「こんばんは。1人なんですが空いてますか?」

と受付の男性に聞くと

「いらっしゃい。空いてるよ。食堂は閉まっちまったが大丈夫かい?」

と少しぶっきらぼうな感じで応対する。

「あ、食事はもう済ませてきたので大丈夫です」

と言いながら、宿帳に名前と職業を書いた後部屋に案内され中に入る。

部屋の内装はリフルとあまり変わらないようだ。

一先ず椅子に座り、ホッとする。

「今日は結構歩いたなぁ。今度から馬車とか頼めるなら頼んでみようかな」

と呟くと

「そうですね。

今日は魔物との遭遇を避けながらの移動でしたが、もしこれが激闘を終えた後にこの距離を歩くとなると1人だと危険が伴う可能性もあるのでもし可能であれば、その方が良いかもしれませんね」

アイがと答えた。

「でも、そんなお店あったっけ?キリアナ王国の時はそんなの見たことないけど・・・」

と返すと

「その役目は大抵はギルドが請け負います。

例えば経済的に余裕のある商人が商談の為近隣の国に出向く時にギルドに申請をすると、馬車と護衛のパーティーを用意してくれます。

その往復の護衛代金と手数料をギルドに収めるという流れになっています」

と説明してくれた。

経済的に余裕があれば、かぁ。あると言えばあるがどのくらい請求されるか怖いなぁと思っていると

「それに仮に目的地が同じ旅人が複数人集まれば、料金を出し合って馬車と護衛のパーティーをギルドを通して依頼して、目的地へ向かうという方法を取っている人達もいるようです」

なぁんだ、割り勘システムはこっちにもあるのかぁ。

それなら結構距離が離れてる国でもそれで解決できるな。

一安心したし、もうもうそろそろ寝るか。

明日はこの国のギルドへ行く。

海に関する依頼もあるはずだ。

不安と期待が入り混じる中、ベットに入り眠りにつく。


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