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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
第一章 キリアナ王国編

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第二十七話


翌朝起きて魔力精錬を終えてまったりしていると、リフルの主人が部屋に来て

「君にお客さんだよ、食堂に案内しておいたから。お城の人みたいだけど」

と言われた。

お城から?と思いながら食堂に行くとそこにはハイドが待っていた。

「確か、ハイドさんでしたよね?どうしたんです?」

と聞くと

「こんにちは。急に訪ねてしまって申し訳ない。アイカワさんにお願いがあって来ました」

と一言。

「お願い?俺なんかにですか?いったいどんな?」

と返すと

「実は明日、隣国との国境付近で大掛かりな魔物討伐に向かう事になっているんですが、お恥ずかしい話我が国では直属の魔導士があまり多くなく、アイカワさん参加をお願い出来ないかと思いまして」

との事。

「それは構いませんが、それならまたギルドに王国を通して依頼書を出せばいいんじゃ・・・」

と聞いたが

「そうしたいのも山々なんですが、それを何度もしてしまうと国としての面子(めんつ)が立ちませんので・・・」

と言い出した。

なんだ、そりゃ。面子とかの問題か?

「それに今回は大掛かりな遠征になるので、人選もせず誰も彼もと集めてしまって集団行動に難がある人材が混じってしまうと、兵士達の命に関わってしまう可能性もあるので、過去に王国の依頼をこなした中から信頼のある人達に声を掛けさせてもらっているのです」

まあ、言われてみればそうか。

一応、前回遠征に参加した二人や過去に王国の依頼に参加した冒険者がいれば声をかけてみるそうだが何だかなぁ、と思いつつも参加OKを出し明日の朝に城に集合してくれとの一言を残し、ハイドは城へ帰っていった。


部屋に戻って椅子に一旦座り、今日をどうするか考える事にした。

明日に大掛かりな依頼が入ったのなら、今日ギルドで労力を使う必要はない。

部屋でまったりしながら魔力精錬の修行をするのもいいが、どうしたものか・・・

まあいいや。ひとまず街をブラブラしながら考えよ。


何かを購入するわけでもなく市場を散策しながら何も考えずに歩く。

お城の方へ行ってもなぁと思い、そちらとは別の方向を歩いて行くと小川にたどり着いた。

街からもそんなに離れておらず、民家こそないが魔物が出そうな気配もない。

川の水を見るととても透き通っていて、そのまま飲めるのではないかと思ってしまう程だった。

(実際に飲んでみても良かったが、後々何かあっては面倒なので飲まなかったが)

こんなところでソロキャンプなんてしたら最高なんだろうなぁ。

まあ、魔物が出なければだろうけど。

川辺に座りどのタイミングでこの街を離れるか考えてみる。

まあ、明日の依頼を終えた翌日か翌々日までにはと大体は決めてはいる。

後はどの方角へ行くかだが暖かい南よりは比較的気温が低い北の方が好きなんだよなぁ・・・

あ、でも山寄りになると魚とか食べられないかもなぁ、なんて考えているとアイが

「この川を下って行った先にバルシス王国があります。海に近いので魚料理も有名です」

との助言があり、その一言で次の目的地が決まった。

「よし、次はそのバルシス王国に行ってみよう」

この国の料理も美味しいが正直言うともうそろそろ魚も食べたい。

このままいけば完全にキリアナ王国を出てしまうので引き返す。


リフルに帰る際、どうせだったら知らない道を通って帰ってみようと思い帰りも別の道を通る。

途中道が分かれていたが、落ちていた木の棒を地面に立てて倒し、落ちた方へ曲がり歩く。

そんなことを繰り返している内に見覚えのある立派な建物が見えてきた。

どうやらお城の裏門の方へ来てしまったようだ。

「結局お城へ戻って来たのか・・・」

なんて自分に呆れていると裏門に衛兵らしき人は誰もいない。

ん?誰もいない?。交代の時間か?なんて思って見ていると、見覚えのある格好をした人物が周りをキョロキョロと確認しながらコソコソと出てくる。

嫌な予感がすると思いよく見ると案の定ファルシア王女だった。

魔力強化でこっそり近づき気配を消して王女の後ろに回り込み

「またお忍びでお出かけですか!」

と割と大きめの声で話しかけてみると

「きゃあぁぁ!」

と飛び上がり驚きのあまりその場に座り込む。王女が俺の方を振り向くと

「ア、アイカワさん!?なんでこんなところにいるの!」

と裏返った声で俺に問いかけると

「気分転換の散歩の帰り道に偶然この裏門を通りかかったんです。

そしたら王女がコッソリ出てきたからお声を掛けたんですよ。

てか、ここからお城を抜け出してたんですか!」

と話している内に王女の声を聴いた兵士が数人、こちらに走って来た。そのうちの1人はハイドだった。

ハイドに

「あ、ハイドさん。ども」

と声をかけると

「アイカワさん、こんなところで何を・・・」

と言い終わる前に王女の方へ指をさすとハイドが

「王女様、ここで何を・・・あ、またお城を抜け出そうとしましたね!」

とあっけなく見つかった。

ハイドによれば、どうやら見張りの交代の時の引継ぎ時に稀に裏門に衛兵がいなくなる瞬間があるようで、その隙をついて王女がお忍びで街に繰り出していたようだ。

「もう!今回も上手くいくと思ってたのにぃぃぃ~~~」

と奥から来た侍女達に両腕を掴まれたままお城へと連れ戻される。

今回「も」ってなんだよ、「も」って。

もう完全に味をしめとるやん。

「ありがとうございます、アイカワさん。助かりました~。では、明日はよろしくお願いします。」

と礼を言って城の奥へと去っていった。

(明日の遠征にも紛れ込むなんてマネしないよな?きっと)

なんて思いながら再びリフルに向かう。


街を出る時って、やっぱりお世話になった人達にあいさつ回りとかした方がいいのかな?などと考えながら歩いて、結局何もないままリフルに到着する。

いや、何か面倒事に巻き込まれても困るんだが。

結局、そのままリフルの部屋に帰って来て一息つく。

何もせずに一日が終わってしまった・・・まあ、こんな日も1日くらいあってもいいだろ。

明日は大掛かりな依頼らしいから。

いつもの如くベットに入りアイに

「おやすみ、アイ」

と言うと

「おやすみなさい」

と返してくれた後、眠りについた。


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