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【10万PV感謝!!】中年ニートの異世界転生 大魔導士スキルを貰い今度こそ気ままに生きる  作者: 村居 赤彦
地底世界 ラウドス編

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第百話


翌日。

自然と目が覚めて、アイにどのくらい寝たか聞いてみると

「約8時間ほどです。平均的な睡眠時間ですね」

と言われた。

「8時間かぁ、良く寝たなぁ。

我ながら良くこの状況下でそんなに眠れると感心する」

と自分自身に皮肉めいた感想を寝ぼけ半分に言うと

「いつ頃にここを発つ予定なのですか?」

と聞かれ

「そうだなぁ、流石にまだ出発とはいかないな。

少し体操でもして体をほぐしてから声をかけるよ」

そう言うと俺はベッドから起き上がり、ラジオ体操を軽く始める。

その物音に気付いたのか通りかかった男性が扉をノックして

「失礼します。入ってもよろしいですか?」

と聞かれ

「はい。大丈夫です」

と言うと扉が開いて

「朝食はどうされます?」

起きたばかりだしいつも食べないので

「あ、大丈夫です。ありがとうございます」

と答えると男性は笑顔で会釈をして扉を閉めた。

「大事な作戦の前に朝食無しで大丈夫ですか?」

とアイに聞かれたが

「いつもの事さ。

それに気合を入れて朝食を食べて、変に空回りして失敗したら元も子もないし」

と返す。


ある程度体がほぐれて一息ついた後、誰かを呼ぼうと外を見てみると偶然男性が通りかかったので

「すいません。

そろそろ出発しようと思うのでシュルトさんを呼んで頂けると有難いです」

と言うと男性は

「わかりました。しばらくお待ちください」

と言い、シュルト達を呼びに行った。

暫くするとセグエルとシュルトが6名程の仲間と一緒にやって来て

「お待たせしました。

朝食を食べなかったそうですが、大丈夫ですか?」

と聞かれたが

「いつもこうなんです。

変に慣れない事をして後々調子を狂わせるわけにもいかないし、大丈夫ですよ」

と笑顔で返した。

「こちらとしては準備は整っているのですが、もう出発という事で宜しいんですね?」

とシュルトが言ったので

「はい。軽く体もほぐし終わったのでこちらとしても何時でも出られます」

と言うと

「では、早速行きましょう」

とシュルトに促されてダグバン達の集落に向けて出発する。

部屋を出る前にセグエルが

「お願いします、どうかこのくだらない問題に決着をください」

と一言。

「はい。行ってきます」

と返す。


シュルト以外とは初めてなので取り敢えず話題を振る事にした。

「皆さんは急進派との人達と何か話したりしたことは過去にあったんですか?」

と話しかけてみると

「はい。

以前急進派と長老達の話し合いの場を設ける為に前もってあちらの一部と接触した時があったんですが、その時の話では急進派に参加しているメンバーの殆どは地上に出られるなんて半信半疑なんだそうです。

それに、地上に出たからと言ってその後自分達がどうしたらいいか分からないという理由で、急進派を抜けて元々住んでいた集落に戻った奴らもちらほらいるので」

そりゃそうだよな。

未開の地に進出して、尚且つ同じ大陸などではなく文化や風習、ましてや自分達とは全く違う種族が住んでいる世界に行っても、その後どうしていいか分からないだろう。

ダグバンのお付きの2人はその辺の計画がちゃんと立てているのだろうか?

まさか、ただ単に興味本位でこんな大事(おおごと)にしているのだろうか?

その辺りは実際に聞いてみないと何とも言えないか。

変にこの話題を続けてもアレなので話題を変えてみる事にする。

「そういえば気になってた事があるんですけど、スフィア球ってどんな仕組みで動いてるんですか?

何か球体の周りに管みたいなのが無数にくっついでますけど・・・」

とシュルト達に聞いてみると

「あ~、あの管はですね、空中やこの世界の地中に含まれている瘴気を吸収して、それを動力源にしてスフィア球を動かしているんです」

とシュルトがサラっと凄い事を言い放った。

「え?じゃあ、この洞窟内には瘴気がでてるってことですか!?大丈夫なんですか?

何か体に悪影響とかは無いんですか?」

とびっくりして思わず声を上げると

「大丈夫ですよ。

少なくとも我々の世界に漏れ出ている瘴気については、先人達がスフィア球を作ってくれたおかげで全て吸収してエネルギーに変換しているので我々にも、勿論貴方達人間にも何も影響はありません」

と一緒に付いて来た1人が笑いながら言う。

「でも地上では、少なくとも私が住んでいる地域では10年に1度の間隔で瘴気が大量に地上に漏れ出て、それを嗅ぎつけた魔物達が集まって狂暴化している事象が発生していますよ?」

と返すと

「なるほど、そうなんですか。

では、この世界の天井部分と地上のどこかで亀裂が入ってしまい、そこから漏れ出ているのかもしれませんね」

とシュルトが言うと

「実は過去にも同じ問題が発生したことがあって、長老達が若い頃に対応した時があったんです。

その時は確か

(亀裂が入った部分に地上の人間達が信仰しているような形の祠を作って、自分達は地上に出ることなく特殊な魔法で祠を設置して、ついでに人々が近づけない魔法を祠に掛けた後設置した)

と言っていました。

祠を作って人々が近づけないようにした?はてどこかで聞いたような・・・

「バルシス王国内にあったトリナーレ村とサリムの街との間にあった祠の事だと思いますよ」

とアイが言うと

(思い出した!確かにトリナーレ村の人達やサリム子爵がそんな事言ってたな。

その祠はラウドスの人達が作った物だったのか!

どうりで記録にも残ってないし、誰にも知られずにいきなりある訳だ)

と心の中で納得した。

「それにしても漏れ出た瘴気の対処はどうしてるんです?

スフィア球の様な機関が地上にもあるんですか?」

と他の同行者に聞かれ

「実は瘴気を浄化できる魔法を使用できる人がいて、その人が10年に1度瘴気が溜まっている場所に大勢の魔導士と同行して浄化作戦を実行しているんです」

とダンさんの名前を出さずに対処法だけを話すと

「瘴気を浄化できる魔法ですか?それは凄い!

その方はとても魔法の才能に突出されている方なんですね」

と驚いていた。

「ただその国の魔導士達の総力を挙げて、尚且つ近隣の同盟国の協力を得ての作戦になるので簡単に出来る事ではないんですけどね。

それに瘴気の影響でそのエリアに狂暴化した魔物が集まるのでそれを退治してからでないと浄化は実行できません。

しかし関わっている魔導士の方が言うには、長年にかけての浄化作戦が功を奏して瘴気が地上のエリアに溜まる感覚が長くなっていて、ようやく10年に1度にまでなったらしいですけどね」

とケイン達と話した内容をそのまま伝えた。

「瘴気の影響で地上の魔物が狂暴化ですか・・・。

もしかしたらダグバン達の、いや取り巻きの連中はその狂暴化の影響を利用しようとしている可能性もありますね」

とシュルト。

「それに今思い出したことが。

ラウドスに召喚される直前に訪れた国の放棄された鉱山跡地にも、魔物が集まっているのを見た事があります。

もしかしたらその国の近くにも、うっすらとですが瘴気が漏れ出しているのかも」

と思い出したことを補足としてシュルトに伝える。

「そうなんですか・・・。

そういう事なら急進派との問題が解決したら、本格的にラウドス全体を調査しないといけませんね。

貴重な情報をありがとうございます」

とシュルトにお礼を言われた。

「いや、お礼を言われる程では・・・」

と謙遜すると

「そんな事はありません。

我々としては、少なくとも何も非が無い地上の方々にこれ以上迷惑をかけられません。

それに少しでも瘴気をラウドスに留めてスフィア球に吸収させる事が出来れば、稼働率を上げて尚且つ修復力も上げる事が出来ます」

修復も?どういう事?

不思議な顔をしていると

「スフィア球には自身の故障個所が発生した場合、文字通り自分自身で修復する機能が備わっているんです。

しかしその機能が稼働できるかどうかは吸収している瘴気の量にもよります。

スフィア球は元々ラウドス内の大気の浄化と、植物が育つ為の太陽の代わりを務める機関で、吸収している瘴気の大半をそちらに向けていて、あくまで修復機能は吸収して余った瘴気を利用してのおまけ機能にすぎません。

だからと言ってそのおまけ機能がいざという時に発揮しないと、ラウドス全体の死活問題にも繋がってしまうんです。

今までスフィア球に異常が発生して修復機能が稼働した事は1度もないのですが、恩恵を受けながら生活している側としてはその部分に関しての懸念は出来るだけ払拭しておきたいので・・・」

と苦笑いしながら話すシュルト。

すると

「急進派の集落に近づいてきましたので、私達は一旦ここでお別れです。

貴方には先にダグバン達と接触していただいて、そこを我々が不意を突いてシュルトが魔法で貴方とダグバン、側近人を別空間へ連れていきます。

騒ぎを聞きつけて駆け付けた急進派のメンバーに対しては、別空間でのやり取りを魔法で映し出して我々が説得します。

ダグバン達の説得が成功すればきっと他の急進派のメンバーも地上への進出は諦めます。

全ては貴方とシュルトに掛かってますので、本当によろしくお願いします」

と最後に念を押された。

「分かってます。では、行ってきます」

と言うと俺は1人で急進派の集落に向けて歩き出す。


2度目のダグバン達の集落。

つい数日前に初めてラウドスの住民と接触した場所。

周囲に注意しながら歩いていると、集団を発見する。

その中心にはダグバンとお付きの2人もいる。

「おい、あれ!」

とお付きの2人の内の1人が俺を発見すると集まっていた全員が俺の方を向く。

肉体強化をかけた状態で歩きながら近づくが、あちらは俺しかいないと思っているせいか特段警戒はしていない様子だ。

「よぉ、久しぶり・・・ってまだ数日しか経ってないか」

とダグバンが初めて会った時と変わらない飄々(ひょうひょう)とした感じで話しかけて来た。

お付きの2人も俺しかいないと思い込んでいるせいか身構えてはいない。

「シュルト達と話して色々と聞いたよ。

この世界についても、お宅達の事についても」

と言うと俺の後ろ側からシュルト達が現れる。

「な!?どうやって気配も察知されずに!?」

と驚いているとなにやらシュルトがブツブツと呪文のような言葉を小声で唱えると、作戦通り俺とダグバン、お付きの2人が空中にできた穴に吸い込まれていく・・・





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