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俺の愛銃はレールガン【超電磁砲】 剥奪された世界最強の勇者 ~異世界からの召喚者にその座を追われた俺は、辺境の地でスローライフを送る(予定)~  作者: その辺の双剣使い
六章 ヴァイセリーナ救出作戦

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第77話 ハートを撃ち抜く



 王宮内で派手に暴れまわるノナのお陰で、ホムンクルス部隊の殆どがその対処に追われていた。

 それによってアル達は、王宮の衛兵から僅かな牽制攻撃を受けるだけで、あっさりと市街へ出る事に成功していた。

 ディール達と合流する予定の古びた教会に、一足先に到着したアルは言う。


「こんな事なら、わざわざ入れ替わる必要もなかったですね」


 あまりにも呆気なく合流場所に到着してしまった事に、ヴィルも不安の言葉を表す。


「まさかとは思うが、こちらが囮である事を敵に悟られたわけではあるまいな……ヴァイセリーナは大丈夫であろうか……」


 心配する彼に対し、アルはその不安を打ち消そうと言葉をかける。


「大丈夫てすよヴィルさん! もし、敵に作戦がバレちゃっていたとしても、ディール様が一緒に居て守りきれないなんて事がある筈ありません!」


 アルの言葉に、少しだけ心を落ち着かせるヴィルヘルム。しかし彼が、無事に合流を果たすまで気が気ではない様子をみせるのも仕方のない事だ。


 偽装誘拐組が、古びた教会に到着していた頃。王女を伴った一団は、王宮を抜ける為の地下通路を歩いている最中だった。

 そこに至るまでの道のりが想像していた以上に長かった事に対して、ディールは溜め息をつきながら言ちる。


「いくら秘密の通路だからって、迷路にも程があるだろ。こんな事なら面倒な作戦なんて抜きにして、一人でさっさと王女を連れ去っちまえば良かったな」


 ディールの独り言に対して反応するカヴァデル。


「アルさん達は、しっかりと囮の役割を果たしてくれているでしょうか?」

「いや、もうとっくに指定された場所に着いている頃だと思うぞ。こんな事なら本当に、一々入れ替わる必要も無かったかも知れないな」

「そんなにアルさんと言う方は強いのですか? とてもそうは見えませんでしたが……」

「俺が信頼するくらい強いからこそ、あんたらの国王も一緒に行動させていた訳だろ?」


 さらりと暴露したディールの言葉に、驚愕して固まる騎士達。

 は彼の話は即ちそういう事なのか。当然気になって仕方がないヴァイセリーナは問う。


「まさかあの場にも、お父様はいらしていたのですか?」

「ああ、勿論きていたぞ。フード付きのコートを纏っていた男がそうだ。むしろその方が安全だと思ったから、一応正体を隠して作戦に参加してた訳だな」

「本当にお父様は、ご無事だったのですね……」


 ディールの回答に、ヴァイセリーナは安堵の表情を浮かべながら感慨深げにそう言う。

 カヴァデルは、何故サマルキアの勇者がある人物について話そうとしなかったのかを理解し、険しい顔を向けていた。

 そんな彼の心情を察したディールは、端的にその理由を述べる。


「国王が生きていて作戦にも参加しているなんて言ったら、安全がどうのって必ず面倒な事を言い出すだろ?」

「確かにそうかも知れませんが……」


 納得はしていない様子を見せながらも、言葉を途中で飲み込むカヴァデル。

 そうこうしている内に、ようやくディール達は王宮の外と繋がる廃屋へと到達した。

 

 全く清掃などもされていない放置された屋敷を抜け、出口へと向かう一行。

 エントランスに出た所で、彼らにとって予期せぬ事態が起きる。


「待っていたぞ! 勇者ディールよ!」


 突然、薄暗い空間に響き渡る男の声。黒い影の中から現れたその声の主は、二度目に襲撃してきた四天王のイアンであった。


「お前は確か……まぁ、誰だか忘れたけど、そんな事はどうでも良いか」


 そう言って最初から相手にしていないといった態度を見せるディール。

 少しだけ眉をびっくりと上げ、不快感を示すイアンだったが。彼は、挑発めいた言葉にも特に反応する事なく話を続けた。


「もはや、ヴァイセリーナの事など正直どうでも良いのだが。全てそちらの思うとおりに、事を運ばせるのも癪に障るのでな。少しその娘の体に、ある物を仕込ませてもらったぞ」


 イアンの言葉を受け、ディールはすぐさま王女の体に向け気配感知を向ける。


「確かに心臓の辺りに何か有るみたいだな」

「よくわかったな。そのとおりだ。女王の心臓に爆弾を仕掛けさせてもらったぞ」


 王女の体に、何か良からぬ事をされていると知った騎士達に動揺が走る。

 当の本人も、不安な顔をして自身の胸に両手を当てていた。


「爆弾というよりか、何か生き物のような物だな」


 そこまで言い当てたディールに対し驚きつつも、勝ち誇ったかのように言うイアン。


「流石はサマルキアの勇者! と言いたいところだが。それがわかったところで、そいつはお前でもどうにもならんぞ?」

「ホムンクルスと一緒みたいだな。例の魔人体(パノプリア)ってやつなのか? 何か結界のような物で包んであるようだが」

「ほう。そこまでわかるとは、やはり流石だと言う他あるまい」

「で、それが仕込んであったとして、一体どうなるってんだ?」

「知れたことよ! 結界と言ったが。それを破壊する呪文を唱えれば、その娘の体は一気に魔人体によって侵食される。そうなれば、大した魔力も持たぬ女王は虚ろな兵士達と同じ物となるだろう」


 そこまで聞いたディールは、不敵な笑みを浮かべながら右大腿部の銃に手を掛ける。

 彼の行動に対して、イアンは驚いた様子で身構えながら叫んだ。


「この俺が、一言呪文を唱えるだけなのだぞ!?」

「言うのと頭がぶっ飛ぶのと、どっちが早いかだな」


 ディールがそう言い終わる前に、イアンの頭部は既に跡形もなく吹き飛んでいた。

 敵の頭を吹き飛ばしたディールはその直後、髪を銀色に輝かせ全身から青白い光を放つ。

 すぐさま左足のアイギスを抜いた彼は、何の迷いもなくヴァイセリーナの心臓めがけて銃弾を打ち込んだ。

 何が起きたのか全く理解できない騎士達は、その一連の流れにただ茫然と立ち尽くしていた。


 心臓への直撃を受け、その場に崩れ落ちるヴァイセリーナ。

 ディールは王女を抱き上げると、ぽっかり空いた彼女の胸に手を置く。

 彼がその行動を取った直後、ヴァイセリーナの全身は青白い光に包まれるのだった。

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