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『Love Stories。』  作者: 日向理
Chapter.1
8/132

Episode.8



「ぬぎぎ…ぐぐっ」



「ふうぅぅう…」

         「はい、3かーい」


「これじゃ完全体育会系じゃん…」




 「ふっきんは…」


 「ふくしき、こきゅーでひつよー」


 「きょーきんは…」


 「ためたいきを」


 「キープするのに…必要」

         「はい、10かーい」



「腹筋しながら説明されると

 なんも言い返せない 笑」



 「…ふぅ」


 「でも基礎体力は最初に養っとけば、

  そうしょっちゅうやんなくても大丈夫だよ」


 「沙織みたいに甘い誘惑に負けなければ、だけど」



        「私だって食べた時は、

      うちでちゃんと消費してるもん」





 「吹奏楽ってサッカーみたいなもんだからね」



「サッカー?」


   ごくごくっ



   「サッカーには監督がいて、その人の

    指示通り動けるよう日々練習をする」



   「吹奏楽には指揮者がいて、その人の

    イメージ通り音楽を再現できるよう、

    日々練習をする」



   「やる事結構あるんだよ」


      「うちはコンクールとかには

    あんまチカラ入れてないんだけどね^^」


  「『人の望む音楽より人から望まれる音楽を!』


      ってのがうちの伝統だかんね~♪」


「ふーん」

        「希には難しいか 笑」


「私だってわかるよ!」

「…半分くらいは 笑」


    「ふふ 笑」






「ねぇ沙織ぃ」

            「ん?」


「なんでテナーって、

『ドー!』って吹くと

 シのフラットが鳴るの?」


            「!?」

    「!?」


「ん?」


「なんで2人して驚いてんの?」


    「希が…」

        「まさかの絶対音感…」

    

            タタタタタ…


                ガラガラガラァ…




           タタタタタ…


「でた、58万 笑」

                


    「じゃぁ、これは?」


     ドーーー♪


「ミのフラット」


         「希、すごーい!」


「すごいって…なにが?」


    「自覚ないんだ…」

      「なんの音かすぐ言えるじゃん」


「うん言えるよ」





「…え?コレってすごいの!?」


    「希、ピアノとかやってる?」



「ん~」

「何回か行かされたけど」



「指に番号付けられた段階で

「ムリーッ!(● ˃̶͈̀ロ˂̶͈́)੭ꠥ⁾⁾」ってなった 笑」


       「じゃぁなんで分かんの?」


「ん~…色?」

           「いろ!?」


「うん、音によって色が違うの」


    「じゃぁ、これは?」


    ドーーー♪

    

「ミのフラットはね…」

「オレンジ」


     「オレンジとか言われてもいみふ…」

    「凄い…才能アリ、だ」


「これがフツーだと思ってた 笑」


    「よく絶対音感の人って

     電車の音とかが気になるって聞くけど」


「ん~…気にならない 笑」

         「そうなんだ 笑」


「街歩いてて「あビルだ!」

「あ電柱だ!」って


 いちいち気になるぅ?」


          「ならないねぇ」

「それと一緒」


    「なるほど」



     「じゃあ多少のピッチの違いとかは?」



「ピッチ?なにそれ」

    「音高」


「『おんこー』?」

「更に謎が深まった 笑」


    「音の高さ」


「『音の高さ』ね!

 それもなんとなく分かるよ」


         「どんなふうに?」


「色あい、かな」


            「?」


「オレンジでも黄色寄りだったり

 赤寄りだったりってあるでしょ」


    「ふーん、そういう認識の仕方かぁ」


「でも私のは『絶対』とは言えない、かな」


           「なんで?」


「『白』って1番難しい色なの」


「人の目の個体差もあるしぃ、好みもあるから」

「ちょっと青っぽかったり、黄色っぽかったり」



    「あくまで自己認識してる中でのもので

     それが『絶対』とは限らない、か」


   「じゃあ希は『ほぼ』絶対音感、なんだね 笑」


「それそれ!」


     「じゃあ希のあだ名は『ほぼ』ね 笑」


「なにそれ 笑」


             「ほぼ、更衣室行くよ」

    「ホントやめて」


          「いてらぁ^^」

         「ノン~、ほぼ~♪」


  

          「浸透させたら怒るからね!」


           「あ、ドア」


               ガラガラガラァ…


        「閉めてくれてありがと~」

           「ほぼ~!」



                「だぁかぁらぁ」



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