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『Love Stories。』  作者: 日向理
Chapter.3
58/132

Episode.5


  キャラメルフラペチーノでお待ちのお客様、

         次お出しします




         お席の確保のほうを願いしま~す





       ご注文お伺いします^^


     ドリップコーヒーをトールで


       かしこまりました^^

  そのほかのご注文はよろしいでしょうか


          はい


  コーヒーのほう、マグカップと紙カップ、

     どちらでお出ししますか?


     マグカップでお願いします


      ありがとうございます^^



「…ふぅ」



「あ、え、い、う、え、お」


 緊張しない緊張しな…


 って思ってる段階で既に手遅れなのでは…

 


      「遅れちゃってごめんなさい」


「い、いえいえ!」


「こ、こちらこそ

 急にメッセージなんかしちゃって」


   「何かご相談があるって…」



   「宗教とかおいしいビジネスの話

    …ではないですよね」


「も、もちろんそういうのではなく」

「僕、無宗教ですし…」


「おいしいって言っても弁当屋でバイトしてるんで

 …そういう意味では美味しいんですが」


   「ふふ 笑」

   「冗談ですよ^^」


   「これ、私の名刺です」

   「私のほうは、自己紹介がまだだったんで」


「あ、ありがとうございます」

「僕はバイトの身分なんで名刺なんて大層なものは

   「ふふ 笑」



「…ふぅ」


「なんかすみません」


   「大丈夫です^^」



   「それで私、

    苗字で呼ばれるのがあまり得意ではないんで

    下の名前で呼んでください」


「えっと…」


   「暢子です^^」


「『暢子さん』ですね!」

「じゃあ僕もあまり名字では呼ばれないんで

 同じく下の名前で呼んでいただければ」


   「了解です^^」



   「それでご相談っていうのは…」


「えっと、僕、写真の他にピアノもやっていて」


   「ピアノ!」


「あ、って言ってもそれもプロとかではなくって…」


「セッションライブって…歌ったり

 演奏したりができる人ウェルカムなライブがあって、

 それ観に行ってピアノも弾いたんです」


「で僕のピアノをなぜか気に入ってくれた、

 シンガーソングライターのコと

 知り合いになりまして 照」


「ローマ字で『Mika.』って名前で

 活動してるコなんですが、彼女のライブの

 サポートでピアノを演奏するようになったんです」


   「それ殆どプロと一緒じゃないですかぁ」


「まぁ一応ギャラも貰ってるので、

『プロ』っちゃあプロなんですが」

「僕の中で『プロ』って、

『匠』のようにその道を極めてる人や

 オンリーワンな存在っていう認識があるんで」


「『プロ』って言われちゃうと、

 逆におこがましく感じちゃうんですよね」



   「ふふ^^」

   「不思議な方ですね、健治さんって^^」


「よく言われます 苦笑」


   「でもそういうこだわりのある方って、

   素敵だと思いますよ」


「そ、そうですか? 照」


   「…で?」


「あ!」


「で、Mikaちゃんが僕の撮った、

 暢子さんの後ろ姿の写真をすごく気に入ってくれて」


「自主制作のアルバムの

 ジャケットに使いたいって言ってるんです」


   「ジャケット…」



   「写真は撮っていただいた時に

    既にOKは出してるので」

   「私のほうは全然大丈夫ですよ、

    とても光栄な事ですし^^」


「そう言っていただけるとホント嬉しいです!」




「…が」


   「が?」


「話はそれだけじゃなくって…」


   「他にあるんですか?」



「いや、他って感じでもないんですけど…」


   「?」


「今後自分が出すアルバムのジャケット全部、

 暢子さんの後ろ姿で統一したいって言ってるんです」


   「全部!?」


「はい、全部…」


   「・・・」


「勿論、Mikaちゃんにはそれは難しいと思うよって

 言ってあるんで、断っていただいても

 全然大丈夫なんですが」


「ダメ元で一応、

 本人に聞いてみて欲しいって言われちゃって…」



   「…でも私、もうアラサーですよ」

   「それに、

    30過ぎたら折り返し地点も見えてきますし」


   「髪型だっていきなり変わるかもしれないし、

    印象だって変わるかもしれません」



「写真って撮ったその時

 その瞬間が残るじゃないですか」

「Mikaちゃん自身、自分の音楽を

 停滞させたくないって気持ちが強いみたいで」


「自分のアルバムのジャケットに、

 歳を重ねている被写体がいる事で、

 自分の音楽も歳を重ねてるんだっていう

 メッセージにもなるって」


「それに

   「いいですよ」


「え?」


   「この話お受けします」


「ほ、本当ですか!?」



   「その代わり条件が2つあります」


「条件…」


   「金銭的なものではないので、

    その辺はご安心ください 笑」


「はは…」



   「ひとつは、顔出しはNG」


「勿論!むしろ顔を出さない後ろ姿で

 見る人に色々想像させるって意図もあるんで」


   「それともうひとつは…」



   「『健治さん』以外の方はNG」


「え?」


   「私、健治さんの撮る写真の質感が好きなので、

    この話を引き受けるんです」


   「その2つが条件

「ありがとうございます!」


   「ふふ^^」



「や」



   「や?」



「やったぁー!!」



         じろじろ



   「ふふ 笑」

   「みんな見てますよ、健治さん^^」



「あ」


「すんません、嬉しくてつい (;´∀`)」


   「…で、いつ頃出される予定なんですか?

   そのMikaさんのアルバム」



「あ」




「それがあのぉ…」




ガサゴソッ


「実はもう完成しておりまして 苦笑」



   「え!?」


「事後報告ですみません!:(;゛゜’ω゜’):」



   「ぷっ失笑」


   「やっぱり不思議な方ですね、健治さんって」


「はは 苦笑」


「それ、差し上げます!」


   「ありがとうございます^^」



   「こうやって見ると益々自分じゃないみたい…」



「ちなみに」


   「はい?」


「来月8日の夜ってお時間ありますか?」



   「ちょっと待ってください…」


「金曜の夜なんですけど…」


   「えっと…」



   「はい、空いてますよ」


「実はその日にMikaちゃんのライブがあるんです」

「…このアルバムのリリース記念の 笑」


「オッケーが出たら、

 Mikaちゃんも会いたいって言っていたので」



   「場所は都内ですよね」


「はい、六本木です」



   「開演時間って…」


「7時開演です、勿論夜の 笑」


   「ふふ 笑」



   「開演時間には間に合わないと

    思うんですけれど…それで大丈夫でしたら」

「全然大丈夫です!」


「詳細はまた、メッセージのほうに送りますね」


   「はい、お願いします^^」




「…ふううぅぅ」


   「?」


「安心したらドッと疲れが 笑」



   「ふふ^^」

   「コーヒー、お代わりしますか?」


「あ、そうですね^^」


   「じゃあレシート、ください」

   「私行ってくるんで^^」


「え!それはなんか

   「じゃあさっきの話はなかった事で」


「え!?」


   にこにこ(*´◡`*)


「…えっと、レシートは…」


   「健治さん、利き腕は?」


「左です…」


   「じゃあズボンの、

    左ポケットに入ってると思います」

   「お釣りと一緒に、

    ちょっとしわくちゃになって^^」



カサッ

「…本当だ」


    ひょい


「あ」


  「じゃあ行ってきます^^」




          お願いしまーす




「すげー…」



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