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『Love Stories。』  作者: 日向理
Chapter.1
14/132

Episode.14


ごくごくごくっ

「っぷはあぁぁ」

「やっぱいちごオレ最高!」


 「くす 笑」


「ん?」


 「だって」

 「結局最初しか使ってないんだもん、ストロー」


「このサイズで初っぱなからガブ飲みすると、

 時々鼻とかに入っちゃうんだよね」

「「ぶふっ!?」ってなる 笑」


 「ふふ 笑」

 「でもさすが男子だね、

  食べるスピードもすごく速い」


「そだ」


 「ん?」


「前から謎だったんだけどさぁ」


 「うん」


「女子ってさあ、

 あんなちっこい弁当で昼足りんの?」


 「くす 笑」


 「女子は男子と違って色々あるの」


「ふーん」



 「でも…」


「ん?」


 「足りるか足りないかで言ったら…」

 「足りないに決まってるじゃない 笑」


「はは 笑」

「やっぱそうか」


「よかった~、男に生まれて」



 「ふふ 笑」




 「でもさ」


「ん?」



 「森田くん転校生なのに、

  ここら辺の土地勘、随分あるんだね」



「あ」



 「…訊いちゃいけなかった?」


「いや、そういう訳じゃないんだけど」




「…両親が離婚してさ、中学んとき」


 「うん」


「母親の実家がこっちにあって」

「母親の実家から、中学は通ってたんだ」


 「この辺の?」


「ううん、転校とかはしなくって」


「俺バスケやっててさ」

「そこでレギュラーだったんだよね」


 「ふーん」



「でも母親が再婚することになって」

「その人のいる横浜に引っ越すって流れになって」

「結局中学も転校~」


 「そうだったんだ」



「でもまた母親が離婚しちゃって」


「…んでまた転校してきたって感じ」




 「…なるほど」


 「じゃあ森田くんは、2人お父さんがいるんだ」


「へ?」



「…そっか、確かに」



「再婚相手の人は3年かな?仕事も忙しかったし、

『母親の恋人』ってイメージんほうが強かったから」


「父親って感覚はあんまなかったかも」


 「まぁ…赤の他人だしね」


「うん」




「…これって片岡さんの才能なのかな」

 「ん?なにが?」


「…なんか知らぬ間に俺、

 結構な個人情報さらしてるよね 笑」


 「ふふ、そうだね 笑」


「聞き上手っていうより、もはやプロって感じ?」


 「ふふ 笑」



 「じゃあもうひとつ訊いてもいい?」



「なに?」



 「…なんでバスケやらないの?」

 「レギュラーになるくらいだったんでしょ?」



「・・・」


「…前の学校でケガしちゃって、さ」

「…ケガはもう大丈夫なんだけど」

「俺ってメンタル弱くって」


「ケガした時んこととか頭ん中よぎったりして…」

「ボールも触れないんだ」



 「…森田くん」


「ん?」



 「それ嘘でしょ」

「え!?」



 「メンタル弱くって怪我が怖いって思ってる人は、

  学校の塀を「ほっ!」って

  飛び越えたりはしないよ」



「あ」



 「ボール触れない理由、他にあるんでしょ」


「・・・」




 「例えば…


 『他の誰かを』怪我させちゃった、とか」


「!?」




 「図星、だった?」



「…片岡さんって、心読めたりすんの?」


 「読めないよ 笑」

 「森田くんの反応がわかりやすいだけ」




「・・・」




「…接戦だったんだ」


 「?」



「練習試合だったんだけど」


「地元の、ライバルみたいな相手だったから

 けっこー白熱した展開で」


 「うん」


「俺もうアドレナリン出まくっててさぁ」


「夢中でルーズボール追いかけてジャンプしたら」



「…そこに向こうのマネージャーがいて」


「そのコ意識失っちゃて救急車が来たりして、

 もう試合どころじゃなくなって」

「学校にそのコの親が来て

「どう責任とるの!」って話になっちゃって」


「…んでバスケ部辞めさせられちゃったんだ」



 「…それで」


 「そのマネージャーの子は?」



「バスケ部の友達から後になって聞いたんだけど」


「ケガも『けいしょー』、軽い『のうしんとー』で

『こういしょー』とかもなく済んだんだって」


「俺それ聞いてさぁ、すんげ~ホッとしたんだけど」

「逆に打ち所が悪かったら、『こういしょー』とか

 残る可能性もあったんだって思ったら…」


「なんか怖くなっちゃってさ…」



 「そっか」




 「でも「自分が怪我した」ってのは嘘だったけど、

 「メンタル弱い」ってのは本当なんだね」


「え!?」


 「慰めて欲しかった?」


「いや、そういうわけじゃないけど…」



 「その、怪我させちゃった子が

  今も後遺症に苦しんでるとか」

 「そういうのだったら、

  ボール持てない理由として納得はするけど」



 「…でも軽傷だけで済んだんでしょ?」


「う、うん…」


 「で」

 「その怪我の責任とって、

  バスケ部退部させられたんでしょ?」


「うん…」


 「じゃあ、その一件はもう済んでるのに、

 『たられば』を気にし過ぎて、

  ボールに触れないってだけじゃない」



「・・・」


 「次からそうならないよう

  気を付ければいいだけの話で」

 「起こってもいないことに怯えるのって、

  無駄なことだと思うよ?」



 「それじゃあなんにも出来なくなっちゃう」




「・・・」




 「…怒った?」




「…いや」


「『返す言葉もございません』って感じ 苦笑」


「ウジウジ1人で悩んでたんだけど、

 片岡さんの話聞いて客観的に自分見たら…

「なっさけねぇ」って思った 苦笑」





 「…バスケ、やりたくないの?」



「やりたいよ」


 「じゃあやろうよ」


「・・・」


 「『情けない』って自分で感じたんなら、

  またボール、触れると思うよ」



「…そう、だよな」



「ふうぅ」


「なんか一気に霧が晴れた感じがする」



「なんかスンゲー、片岡さんに借りが出来ちゃった」


 「ううん、

  私はただ『だべってた』だけ、だから^^」



「はは 笑」

「ありがと^^」


 「いえいえ^^」



「あ゛ー早く月曜になんねぇかなぁ」

「…ってか明日とかやってねぇかな」


 「くす 笑」


「あー、早く入部してぇ!笑」


 「ふふ 笑」


「あいつも俺のジャンプシュート、

 見たいって言ってたしなぁ」



 !?


「そろそろ行こっか!」



 「う、うん」


 



「乗った?」

 「…うん、乗った」


「じゃあ肩つかまって」


 「…うん」



「よっしゃ、レッツゴー!」


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