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『Love Stories。』  作者: 日向理
Chapter.5
111/132

Episode.9


                   「やっぱり…」





        「あのぉ、すみません」


「はい、何でしょう?」


  「ここの病院って、いつ頃からあるんでしょうか?」


「なになに!」

「あなた、刑事さんとか探偵さんとか何か?」

            「いや

「でもそういう職業って大概男の人だものね 笑」

           「え、ええ」

「この病院、最近建ったように見えるでしょ~」

「でもね、これってね…改装しただけなの~ 笑」


「院長が代替わりしちゃってね、

 息子が院長になった途端、やれ改装だぁ

 経費削減だぁとか…会社経営みたいになっちゃって」


  「じゃあここの病院は、以前からあったんですね」

「もう4、50年は経ってるんじゃないかしら」


「ここだけの話ね、私がここで

 お掃除のおばさんやっていられるのも

 …私が前の院長の初恋の相手だったからなのよぉ!」


         「そうなんですね^^」

   「でもお話してる印象で素敵な方だなぁって

    感じていたので、その話も納得できます^^」

「あらぁ~、そう?」

「今じゃこんなおばさんだけど、これでも昔は

 …あなたには負けるけど 笑

 結構わたし、モテてたのよぉ~!」


    「私もお話しして、『米山さん』のこと、

       好きになっちゃいました 笑」

「あら!やっぱりあなた刑事さんとかなにか?」

「よく私の名前分かったわねぇ~」


      「胸元にそう書いてあったので^^」

「あ!そう言えば名札つけてたんだわ、私!」

「あらやだ、恥ずかしい 笑」


       「名刺お渡ししておきますね、

     私の方だけ名乗らないのも失礼ですし」

「はい、頂戴します^^」


「えっとぉ…片岡ぁ…」


         「暢子です^^」

「これで『のぶこ』って読むのぉ!」

「『ようこ』さんって呼びそうになっちゃったわ!」


       「よく間違えられます 笑」


「病院って守秘義務があるから、患者さんの事って

 やっぱりなかなか聞けないですよねぇ」

「そうねぇ」

「息子が院長になってから余計に厳しくなったから」

「さすがの私も口にチャック!なんだけどね 苦笑」


「…ちなみにそのぉ患者さんのお名前は?」



  「今はもう入院も通院もしてないんですけど」


       「『落合健治』っていう

「パク様!!」


        「ぱ、ぱくさま?」


「韓流スターみたいなイケメンの人でしょ?

 その『落合健治』さん」


      「ああ!それで『パク様』^^」

      「はい、その落合健治さんです」


「今はパク様、元気でいらっしゃるの?」



    「はい、今はピアノを弾いてて音楽活動を

「やっぱり!」


          「やっぱり?」


「入院中もねパク様、『ピロピロピロ~ン♪』って

 ピアノを素敵に弾くもんだから、み~んなパク様に

 メロメロになっちゃってたのよぉ~」


       「そうだったんですね 笑」


「ちなみに暢子さんは、パク様とは

 どういったお知り合い?」


   「実は私、今、パク様と…お付き合いしていて」


「あらま!そうだったのぉ~!」

「美男美女のカップルさんじゃない~!」



           「はは 恥」


「だからここにも来て…」

「ということは…ご結婚されるとか…」


          「いえいえ!」

   「まだそういった話ではないんですけど 恥」





「という事はそういう可能性もある、ご関係なのね!」


        「え、ええ、まぁ 恥」

「羨ましいわ~」



「・・・」


「暢子さん、ちょと!」

「こっちこっち!」

       「あ、はい」





「…ひとつだけ、教えてあげるわ」


  「え!でもそれだと院長先生に…」

「いいのいいの!」

「息子が文句言ってきたら元院長にチクるから 笑」





「私たちも本人も警察も、


彼が『どこの誰かは知らないまま』、


ここで「落合健治」になったの」




「…これで大丈夫かしら?」


  「はい!ありがとうございます!」


「『パク様ファン』としては、

 幸せになってもらいたいもの^^」


  「ありがとうございます」

  「なんだかますます米山さんの事、

   好きになっちゃいました^^」


「そう言ってくれると嬉しいわ!」

「私もパク様の近況を知って安心したし」

「私も暢子さんの事

 お友達のように思ってきちゃったわ 笑」


  「長い時間お引き留めしてしまってすみません」


「いいのいいの!」

「掃除のおばさんがいつどこで掃除してるかなんて、

 だーれも気にしないんだから」

「空気みたいなもんよ!空気!笑」


  「ふふ ^^」


「また気が向いたら顔だしてね!」


  「はい、また」


  「じゃあ今度は『パク様』と一緒に」


「あら!」

「そしたら事前に連絡ちょうだいね、

 おめかししないといけないから」


  「ふふ 笑」

  「了解しました^^」



              「失礼しまーす^^」

「はいはーい!^^」




                  「ふうぅぅぅ」


「やっぱり私、『聞き上手』の才能があるのかしら 笑」


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