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『Love Stories。』  作者: 日向理
Chapter.5
110/132

Episode.8


「ふうぅぅ」

「…ちょっと砂丘をナメてました 苦笑」


 「僕も最初来た時、ナメてました 笑」

 「あの先を越えると海なので、

  てっぺんからの眺めが超いいですよ^^」


「…あのてっぺんですか」

「…が、頑張ります」





「ふうぅぅ」

「砂がすぐ靴の中に…」


 「もうちょいです^^」


「ちなみに健治さんは鳥取のほうの砂丘へは…」


 「行ったことありますよ」

 「あそこに比べたらここはまだまだ小さいほうです」


「まだまだおっきいんですか、あっちは…」


 「あそこは行きはみんな元気で」

 「帰りはみんな疲弊してますからね」


 「往来する人の、げっそりした顔を見ながら進むので

  …途中でちょっと後悔します 笑」

 「しかもすり鉢状になってるので、

  ここよりもアップダウンが激しいです」


「うわぁ…、一気に行く気が失せました 笑」


 「それに見合うだけの景色が待ち構えてますからね」

 「行って暫くは、もう行かないって思ってたん

  ですけど…最近また行きたくなってます 笑」


「健治さんって」



「並ぶ苦労は苦手なの、に」


「ふぅ」


「こういう苦労は」


「へいきっなんですね」


 「多分じっと待ってるのが苦手なんだと思います」



 「あともうちょいです」



「よいっ



しょ」


「ふうぅぅ」

「…しんど」


 「お疲れ様でした^^」




 「段々いい感じにグラデーションになってきましたよ」



「え?」




「…って」





「キレーイ…」



 「まだ全然お日様は出てますけど」

 「あれが沈み始める頃は超キレイですよ」


 「でも日が沈んでからもキレイで、『夕暮れ』とか

 『トワイライト』にあたる時間帯なんですけど」

 「沈んだらはいおしまーいって帰る人が多いんですが、

  その時間帯を三脚立てて待ってる人もいるんですよ」



「へぇ~」


 「今はまだ夕焼けの空ですがちょうど日の沈む直前を

  黄昏時って言って、誰でも簡単に絵になる写真が

  撮れちゃうからマジックアワーとも呼ばれてます」



「『誰そ彼時』、ですか…」



「少し降りた所で、座ってお話しませんか?」



 「いいですよ、今日の目的はそれですもんね」




「…ふぅぅ」




「…私が誰だか、思い出せましたか?」



 「いえ、全く」


「・・・」


 「でも僕なりに確信は得られました」



「…確信?」


 「あなたが僕の、思い出せない、思い出しだくない

  過去に関わってるっていう事」



「…思い出し、たく、ない・・」



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