表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

79/79

79話

まだ春の訪れを感じることができない、冬の厳しい寒さを纏った風が強く吹くその日。

朝から庭の隅に建てられた簡易的だが広い建物の中で熱心に剣を振っている少女の姿があった。




その小屋というには広く、七メートル四方はありそうなスペースは、秋口から段々と朝晩が冷え込むのに外で剣を振るうメイリーンのために、父親である侯爵が急いで建てさせたものだった。


シュッシュッと小気味良い風切り音がしている。

メイリーンが剣を振るう音だった。


家庭教師のマクロンから講義を受けるのは、新年の社交シーズンはお休みであった。

そのため、メイリーンは王城で食べたおいしい料理を再現させて、剣を振るって、そうして王都での生活でストレスを溜めないように過ごしていた。



「メイリーン様、そろそろ朝食のお時間です。」


「シャーリー、今朝もありがとう。一度汗を流して、着替えてから向かいたいわ。」


「わかりました。お湯の準備は出来ています。着替えは湯冷めを避けるために少し厚手のものにいたします。」


「ええ。任せるわね。」



頼もしいシャーリーに満足して微笑むと、メイリーンは訓練用の剣をジョンに渡して、湯浴みに向かった。

そして、シャーリーに洗ってもらうと、こっそり自分で編み出した温風の魔法で髪を乾かす。


マクロンや親には言わず、シャーリーに口止めをして使っていた。

侯爵家にはドライヤーのような魔道具があるのだが、メイリーンの圧倒的な魔力で乾かした方が早い。


たまにチート能力を満喫しているメイリーンだった。



「メイリーン様、髪型が仕上がりました。」


「ありがとう、シャーリー。では、朝食に向かいましょう。」



るんるんと朝食を楽しみにしているメイリーンの無邪気な様子にシャーリーの心臓は射抜かれてドキドキしているが、シャーリーは慣れたもので表情には一切出さずにメイリーンについて食堂へと向かった。


メイリーンが食堂に着くと、すぐに暖かい紅茶が出される。それを飲んでいると、両親が揃い、そこから朝食が運ばれてきた。


今日はメニューの中にフレンチトーストがあって、朝から幸せいっぱいなメイリーンだった。


社交シーズンもそろそろ終わりを迎えてきた本日の食後は両親とともに談話室で過ごすことになった。


そして、社交で疲れた様子の父親が、同じく疲れた様子の母親に向かって、一枚の封筒を渡した。


受け取った母親は、「まあ…。」と驚いた様子だった。



それもそのはず、国王陛下からの招待状がとうとう届いたのだった。


お読みいただきありがとうございます。

ぜひ↓の☆☆☆☆☆より評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 自由になりたいのか逆に自由を奪われたいのかよくわからん奴だな。前世と同じ道を辿るのが好きなのかな?
2022/01/30 15:35 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ