74話
シャンデリアは蝋燭のゆらめく光で幾重にもキラキラと光り輝き、その豪華絢爛たる様を周囲に見せつけている。
この国の権威を示すかのような豪勢な空間は、今年もまた、数多くの貴族にとって、年間で最も盛況な社交の場を提供していた。
メイリーンにとっても気が抜けない場であり、相変わらず珍しい子どもの参加に注目を集めていた。
昨年ほどの緊張はないものの、メイリーンがすることと言えば、父親の挨拶回りの間は鑑定魔法を使うくらいしかなかった。
貴族の責務として社交に理解はあるものの、特にやることもないので、早く席に着いて今年も豪華な食事がしたいと思っていた。
それでも、昨年に王都の自邸で開催したお茶会でも会ったことのある、ラーズ公爵夫人、ウィーリー子爵夫人からは話しかけてもらえたので、その時は少しだけ話す機会もあって、メイリーンはパーティーに参加する貴族の仲間入りできたような気がしてほっとしたのだった。
特段の問題もなく、パーティーは進んでいった。
「ハンナ、メイリーン、そろそろ休憩して軽食でもいただこうか。」
「はい。お父様。」
「あなた、私は少し足が疲れてしまったから、助かりますわ。」
「メイリーンは良い返事だね。今年もおいしい料理があるはずだから、たくさん食べるといいよ。ハンナは、あまり無理をしないようには王族の皆様の登場とご挨拶のほうがメインだからね。」
「ええ、あなた。これ以上は他の方への挨拶はやめておきますわ。さ、席について、メイドに飲み物と食事を頼みましょう。」
話しながら侯爵夫妻は自然とメイリーンを間に挟んで歩き、我が子に慈しむような視線を投げかけていた。
メイリーンは、そんな両親の温かな愛情に嬉しさと気恥ずかしさを感じながらも、子供らしく自由に振る舞おうと、今年も高そうなメイン料理を中心にしっかりと食べていった。
ああ…、準備や挨拶は面倒でしかないけど、映画みたいなキラッキラの空間で訳の分からないくらい高い料理を食べれるのは嬉しい。
王族に会って城に招待される前にパーティーを満喫しきって帰りたいわ〜。
そんなメイリーンの願いはこの後、儚く散るのだった。
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