71話
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いくつもの美しくカラフルな生地が広い部屋にところ狭しと広げられていて、さながら色の波のようなアーティスティックな空間に、メイリーンとメイドのシャーリーは立っていた。
まだ秋になったばかりではあるが、次の新年祝賀パーティーに呼ばれることを見越して、王城の夜会に行くにふさわしいドレスを作ろうとしていた。
またかあ…とメイリーンは若干の飽きと面倒くささを感じていたが、完成したドレスを着るのは楽しい。それに、両親に連れられて王城を見学するのも楽しくはある。
だから、大人しく採寸を受けて、生地を選んでいるのだ。
そして、最近は家庭教師のマクロンが屋敷に来ないので、講義や魔法の訓練がなく、剣の練習以外は暇しているのだ。
侯爵によると、メイリーンにはゆっくりした時間を与えたいのと、マクロンは王都での対応が多く、スチュワート家の領地まで来れないとのことだった。
なぜ、マクロンが?という疑問をメイリーンが侯爵に投げかけたところ、侯爵は苦い笑顔で、理由を教えてくれた。
なんでも、スチュワート侯爵とメイリーンが王族や国の重鎮たる宰相と公式の食事会をしたことが数日後にわっと広まり、王都にいる貴族たちが色めき立ち、面会の依頼がスチュワート侯爵に殺到しそうになった。
しかし、その頃にはスチュワート侯爵は、主要な相手に挨拶を済ませて領地に戻っていたため、面会は叶わなかった。
そこで、メイリーンの家庭教師であるマクロンが標的となり、夜会やお茶会といった招待を受けに受けているそうだ。
事情を聞いたメイリーンは、「え…
。」と声を漏らして、その後はしばらく絶句してしまった。
まずは、あの食事会に対する貴族たちの反応が大きすぎたことと、マクロンがある意味で生贄となっていることで、今の穏やかな生活が成り立っていることを知ったからであった。
侯爵が、「マクロンは私から十分に労うから、メイリーンは気にしなくていいからね。」と頭をなでられた。
その時のメイリーンは、「よろしくお願いします。」と小さな声で返すのがやっとだった。
そうして、社交のことを考えると憂鬱な気持ちになるのだが、そうも言っていられず、ドレス作りに向かうのだった。
「では、後は奥様に見ていただきましょう。」
シャーリーの声かけで、気持ちが引き戻されたメイリーンは、いくらか疲れた顔に愛想笑いをして言った。
「ええ。先程選んだものを見ていただければ、今日のところは終わりね。」
そう言って、ソファーに座るメイリーンの顔は、前世を思い出すような目の窪んだ憂鬱そうな表情に近づいていた。
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