70話
祝70話!
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薄紫色の柔らかな布地がふんわりと風に揺れる。
メイリーンの着ている可愛らしいワンピースの裾は秋の穏やかな日差しのもと、風にふわふわと揺られていた。
もう王族との約束もなければ、王城に行く予定もない。
それならばと領地に両親と共に帰ったメイリーンは、久しぶりの自由な時間を手にしていた。
「シロちゃん、見てみて!このスイーツもこれもこれも全部おいしそうでしょう!」
「ワゥン!」
今日は屋敷の庭で、シロちゃんと一緒にピクニックである。尻尾をぶんぶんに振るシロちゃんを見て、メイリーンはくしゃくしゃに破顔した笑顔で喜んでいた。
一週間ほど前にはなるが、王城での公式の昼食会の後、父親であるスチュワート侯爵とメイリーンは、剣術の訓練参加の褒美について話し合った。
王族のお召しにより訓練に参加したという経緯だったが、子ども一人をたかだか数時間働かせたくらいでそこまでの褒美を要求するのはおこがましい。
しかし、卑屈になって安すぎる褒美で済ませようとするのもマナー違反だった。
そこで、王城で出しているデザートのレシピを数点欲しいという要求にすることでまとまった。
メイリーンなら少年神からのギフトで検索できるが、そのような入手方法よりは、国王陛下からのいただきものとしたほうが、今後の料理をすんなり行えると考えたからだった。
そうして、褒美は数日後にスチュワート侯爵経由で渡された。
そのお礼状を侯爵とメイリーンの連名でしたためて王城に送った時点で、今回の一連のひと騒動は幕引きとなった。
侯爵夫妻は緊張の糸が緩んでどっと疲れた様子だったし、メイリーンもしばらくは王城に行きたくないなと思うくらいには面倒くさく思っていたので、スチュワート一家は、三日後には領地に帰ろうとさっさと帰郷準備に入ったのだった。
そして、今、メイリーンは秋晴れの清々しい天気の中、シロちゃんとともにピクニックを楽しんでいた。
それも、王家お抱えシェフのデザートレシピからいくつかを料理人に作らせて、豪華なアフタヌーンティーのようなメニューを広げて楽しんでいた。
メイドのシャーリーが頃合いを見て、メイリーンのティーカップに紅茶を入れてくれる。
シロちゃんにはミルクだ。
「ああ…。幸せ…。」
こんな穏やかな日を再び過ごせるなんて最高だと、メイリーンはしみじみ思うのだった。
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