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66話

王城にある、王族専用の食堂で、引き続き昼食会が行われていた。


話は王妃ゾフィーが中心となって進んでいた。

王妃という立場が国内の社交の要だけあって、率先して会話を行ってくるのだった。



「そういえば、メイリーンさんは剣がお上手だったようですね。スチュワート侯爵が凄腕の師をつけたのでしょうか?」



王妃がスチュワート侯爵に話を振る。



「いえいえ、我が領地の騎士団にいる分家の若い者です。」


「まあ、そうなのですね。その方が教え上手なのかしら。」



王妃が息子たちの教育のためか、メイリーンの剣の師について質問をしていた。

真面目な侯爵とは特に会話が続かないようだったので、宰相ディーンが割って入る。



「それだけ、メイリーン嬢の吸収が早いということですな。もう宝剣を使いこなしていたと聞きましたぞ。」


「そうでした。宝剣を使うところは私も見たかったですわ。いい音色がしたのかしら、アウグスト?」


「ええ、シャララララという澄んだ綺麗な音色が鳴りましたよ。」


「僕にも聞こえたよ、ね、フェル兄様。」


「そうだね。綺麗な音色だったね。型も、舞のようだったね。」


「まあ、羨ましい。またぜひ訓練場にいらしてくださいね。私にもぜひ。」


「はい…。」



愛想笑いとともにメイリーンは答えた。王妃のお願いを断ることなど、貴族である以上はできまい。


せっかく料理がおいしく、見た目も美しいのに、なんだか疲れて帰りたくなってきてしまった。

少しだけ、前世のような疲れ切った時のくぼんだような目をしてしまったのだろうか。その時、救いの声が聞こえた。



「こらこら、ゾフィー。たびたびお願いばかりしては、メイリーン嬢の負担だろう。メイリーン嬢、王子たちがもう少し上達したらまた見に来てやってほしい。」


「私でよろしければ、お願いいたします。」



メイリーンの瞳に少しだけ光が戻った。



「うむ。それと、今回もこちらの我儘につきあってもらったから、後でなにか欲しいものを考えて、アンドレに伝えてほしい。これも急がないからな。」



そう言って、国王ヨハンは普段の豪快さではない、優しい微笑みをしたのだった。



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