65話
軍服を質素ではなく豪奢に仕立て直していくとこうなるのだろうか。
国王陛下の服装は王冠こそ被ってはいないものの、来客に合わせた礼服であった。つまりは、国王主催の食事会は内々ではなく正式な場としてメイリーンたちがお呼ばれしているという位置づけを表している。
そして、国王陛下の隣にいらっしゃる王妃様も美しい若草色のドレスをお召しになっていた。
その後ろにいらっしゃる王子様たちも礼服での参加だ。
幼い顔立ちにパリッとした服装を合わせると、服に着られてるような感じがしてとても可愛らしい。
メイリーンは薄い黄色のドレスを纏い、いたいけな妖精のような可愛らしさを醸し出していた。先ほどまで剣をぶんぶんに振り回していたとは思えないギャップがあった。
先ほどまで騎士団長に「ひいっ」と悲鳴を上げさせていたのが嘘のようだった。
そして、メイリーンの父親であるスチュワート侯爵も、国王陛下に謁見する時のようなしっかりとした礼服であった。
スチュワート侯爵は、貴族の嗜みとして、ポーカーフェイスを貫いていたが、国王陛下の服装を見て、公式の場としてスチュワート家が呼ばれたことにすぐに気がつき、次第に頭がずきずきと痛んでいた。
王家はメイリーン獲得に全力を出してきている。
その事実をさらに突きつけられたように、スチュワート侯爵は受け止めたのだった。
機嫌の良さそうな国王ヨハンの声が食堂に響く。
「おお。集まっているようだな。各々からの堅苦しい挨拶は省略するとしよう。ディーン、アンドレ、メイリーン嬢、よく来てくれた。料理長に頑張らせたから、楽しんでいってほしい。さあ、座ろう。」
国王ヨハンは笑顔でそう言い放ち、近くにいた侍従にうなずくと、メイドたちが食前酒や子供向けのフルーツジュースといった飲み物の提供を始め、前菜がすぐに出てきた。
メイリーンは、手際よく出された料理の美しさに、テンションが上がり、ぱっと笑顔になった。
「ふふふ。可愛らしいわね、メイリーンさん。楽しんでいってね。」
「は、はい。」
王妃に見られていたと恥ずかしくなったメイリーンは、赤面しながらもなんとか応えた。
周りにいる面々も微笑ましげにメイリーンを見ていた。
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