57話
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カラカラという車輪の音がなればなるほどに、一歩一歩と大きな白亜の城に近づいていく、車窓から外を眺めるメイリーンにそんな緊張感を与えていた。
緊張を和らげるために、メイリーンはどことなく少し険しい顔をしているように見える父親に話しかけた。
「もうすぐですね、お父様。」
「ああ。メイリーンの実力は私が保証するが、決して怪我をしないように気をつけてほしい。」
「ええ、わかりました。怪我に気をつけます。剣術の訓練は、お父様も見にいらっしゃいますか?」
「いや、メイリーンを送るだけになると思う。招かれていない者が王族の前に居座るのは不敬に当たるからな。本当なら、最後まで見届けたいのだが…。」
「そう…ですか。お父様にいていただけると心強いですが、王族の方々の前ではそうもいかないということですね。」
「ああ、しかし終わり次第すぐに知らせるように、従者をつけておくよ。呼ばれ次第、ちゃんと迎えに行くからな。」
「お父様、ありがとうございます。」
メイリーンがお礼を言ってにっこり笑う様子を見て、侯爵もほっとした表情になった。
何度も王族の前に連れて行っているが、本来ならこのような重責を幼い娘に背負わせたくなかったのだ。
そうこうしているうちにメイリーンたちの乗る馬車は王城へと着いた。
午前中の王城にはパーティーのようなきらびやかさは無く、ただ、本来持つ白亜の凛とした上品さが漂っていた。
予め伝わっているようで、控えていたメイドによって、訓練場へと案内された。そして、アウグスト王子の執事がやってきて、侯爵とメイリーンに、本日のスケジュールを説明してくれた。
それによると、メイリーンには午前中に剣術の訓練に立ち会ってもらい、昼食を王子たちとともにしてから解散ということだった。
また、侯爵の同席については希望するようであれば、執事からアウグスト王子に確認するとのことだった。
「ふむ…。失礼でなければ、娘に付き添っていたい旨を伝えてほしい。」
「ええ、大切なお嬢様でいらっしゃいますので、そのお気持ちにアウグスト王子殿下も理解いただけると思います。それでは、椅子にかけていただき、みなさまがお揃いになるまで少々お待ちくださいませ。すぐにお茶の用意も整いますゆえ、お寛ぎください。」
「わかった。よろしく頼む。」
思いがけず、父親がすべてに同席できそうな展開に喜ぶメイリーンだったが、侯爵としては、昼食までともにするような気に入られ方がどうにも気になってしまった。
王族が後から来る慣例なので、まずは二人とも座り、メイドが淹れるおいしい紅茶でひと息つくのだった。
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