50話
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白亜の城を両親とともに進んだメイリーン。
まばゆく煌びやかな大広間にたどり着くと、夢のような豪華なパーティーが開催されていた。
王城での新年のパーティーと違うのは、社交デビューが済んでいる若い男女も参加しているという点だった。
メイリーンよりは年上だが、まだうら若き十代半ばの貴族の少年少女がたくさんいる。
まだ八歳のメイリーンは、彼らよりも際立って背が低く、その幼さが目立っていた。
慣例を無視して新年祝賀パーティーに呼ばれたメイリーンのことはすでに貴族たちの間では噂になっていて、スチュワート侯爵の威光の前で直接的に何かを言われることはないが、遠巻きにはしっかりと見られていた。
何を言われているかは聞こえないが、メイリーンの両親であるスチュワート侯爵と夫人は気が気ではない。幼いメイリーンを守らなくてはいけない。
そのためには、侯爵家の威光を確実に示す必要があった。
そんな中、メイリーンはまさか自分が見られているとも気づかず、のんきに鑑定魔法をかけまくって、オートクチュールのドレスの値段にびっくりしたり、シークレットブーツでかなり身長をかさ上げしてる男性を見つけてしまい秘密を知ってしまったと動揺したりしていた。
そして、両親とともに挨拶をして回っていると、それまで音楽が止み、王族の入場を知らせる荘厳な音色に移り変わった。
黄金の特別製の扉が開かれて、国王ヨハンが王妃ゾフィーを伴って入ってきた。
そして、その後に王子たちが続く。今回の主役である長男アウグストに続き、次男フェルディナント、三男エドゥアルトが入場した。
ほかの王族も続き、全員が王族専用の席につく。
その後、国王ヨハンだけが立ち上がった。
「今宵は集まってもらい、ありがとう。息子のアウグストが十三歳になった。これから更なる飛躍を遂げて、王家を支える一員となってもらいたい。本人の努力はもとより、皆にも支えていってほしい。そして、今日は楽しいひと時を過ごしてほしい。」
国王ヨハンは威厳を放ちながらもささっと挨拶を済ませた。拍手が会場を満たして、また静かになった。小さな音で継続する演奏が間を埋めていた。
そして、王子アウグストが王族席で立ち上がる。白いスーツに金糸で縁取りがしてある。凛々しい少年にはよく似合っていた。
「皆さま、本日は私のためにお集まりいただきありがとうございます。昨年より学院に入学して、研鑽の日々ですが、まだまだ未熟で学びたいことばかりです。これから成人するまでに少しでも国のためになるよう励みます。皆さま、どうぞよろしくお願いします。」
大きな拍手が会場を包み込み、音楽が大きくなった。その音楽をきっかけに、ダンスを楽しむ人が何組も出てきた。
国王たちは来客からの挨拶を受けていた。
メイリーンも後で行かなければならない。しかし、それさえ終わってしまえば、やるべきことは残っていない。
「いつも通りなら三十分くらいしたら、挨拶にいけると思うよ。メイリーン、少し何か食べようか。」
「はい、お父様。」
そう言って、メイドに料理を準備させて、会場にあるブースで両親とともに少し食事をした。
からすみやキャビアがふんだんにふりかけられ、高級魚やお肉など豪華な食材も惜しげもなく使っているので、お腹いっぱいまで食べたいところだが、そこまでの時間もない。
メイリーンは庶民根性でついメイン料理ばかりを狙って食べていた。
「あらあら、お腹がすいていたのかしら。ふふふ。」
「お料理がおいしいのでついつい食べてしまいます。」
「王城の料理の味がわかるなんて、メイリーンも大人になったな。これもおいしいからおすすめだ。」
家族団欒で和んでいたが、後五分もしないうちに挨拶の番が回ってくる時間になった。
「よし。行こうか。」
「ええ。」
「はい。」
そうして煌びやかな空間の、最も豪華なエリアへと向かうのだった。
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