47話
10/4のアクセスが1,100を超えてました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします!
庭の薔薇が咲き誇り、草葉は艶やかな濃い緑色に変わっていた。そろそろ夏が訪れようとしている、そんな気配がどことなく伝わってきていた。
メイリーンは、自室でお茶を楽しみながら、今年の目まぐるしい出来事を思い返していた。
王城での新年祝賀パーティー、侯爵家主催のお茶会、王城でのお茶会。侯爵家のお嬢様として立派な教育を受けているとは言え、当時七歳の少女には過分にして荷が重いイベントだった。
そして、さらに数日後には王子様の誕生日パーティーに両親とともに呼ばれている。
新年祝賀パーティーで世間よりも早く社交デビューを果たしたメイリーンは、貴族たちの注目を浴びている。
口さがない噂話は、他の貴族とのツテのないメイリーンの耳には入らないが、メイリーンの両親はヒヤヒヤとした気持ちで受け止めていた。
その噂とは、「既に王家は継承者と婚約者を決めている」というものだった。婚約者とは、メイリーンのことである。
なぜか七歳の子供を王家主催のパーティーで社交デビューさせた。
なぜか王族と宰相の出席する少人数のお茶会に呼ばれた。
なぜか国王陛下から宝剣を下賜された。
その子どもはとても美しい。
これらの事実から、一気に噂話が沸き起こったのであった。
まだ、メイリーンの人となりや、魔法の能力までは広まっていないようで、それゆえに、侯爵家の美少女として広まっているだけだった。
そして、ごく一部には「顔が良いだけで王妃になれるなんて」と嫉妬する高位貴族のご婦人もいるらしい。
侯爵家は高位の貴族なので、基本的には立場が強いが、周りくどい嫌がらせなどはされるかもしれない。
そこで、侯爵はメイリーンの周囲を固めるべく、新たな人選を急いでいた。
そんなことがあるとは知らず、何の情報も入ってこない八歳のメイリーンは自室で優雅にお茶を楽しむのみであった。隣にはもふもふのシロちゃんが寝そべっている。
「あーあ。また王城かあ。正直めんどくさいなあ。」
「メイリーン、帰ってきたら思いっきり遊ぼう。」
「そうね、シロちゃん。憂さ晴らししたいわ。何がいいかな。うーん。」
そしてメイリーンは、ずっとやりたかったことを思い出す。
「そうよ。料理しようかしら。結構前だけど、料理長に許可もらったんだった。」
「料理?メイリーンが?」
「そうよ。簡単な物なら作れるんだから。」
「そうなんだ〜。すごい。わたしにもなにかお願いね。とってもおいしいのをお願い!」
「もちろんだよ。任せといて!楽しみになってきた。よし、検索の魔法でレシピ考えようっと。」
るんるんでレシピを探しているメイリーンを見て、シロちゃんは元気そうで良かったとにこにこして見守るのだった。
お読みいただきありがとうございます。
ぜひ↓の☆☆☆☆☆より評価をお願いします!




