42話
メイリーンは、教会で祈りを捧げて、少年神に感謝を伝えに来ていた。
いつものごとく、真っ白な空間に飛ばされて、少年神と話していると、少年神が長髪の美しい天使ミエールを連れてきた。
そして、天使から、メイリーンのステータス上昇の幅が通常の三倍であることを伝えられた。
「え…。本当に三倍ですか?わたしのステータスが?な、な、なにかの間違えでは…。」
「いえ、本当に三倍なのです。当初、神は十倍を希望されていましたので、これでも下がったほうなのです。」
「えええ。じ、じゅ、じゅうばい…。三倍で良かったのでしょうか。あれ。ええと…。」
他の人に比べて三倍のステータス上昇があると言われて、一体自分はどうなっていくのだと慌てふためき混乱するメイリーンに対して、なんとも申し訳なさそうに見てくる天使ミエールだった。
「最終的にわたしをどうしたいのでしょう。そんなに力があることがわかったら一体どんな風に…。国家間の戦争の道具になるなんて嫌ですよ。」
「そうですよね…。」
「そんなこと言う不穏な人がいた時は、メイリーンさんが退ければ良いのです。従う必要はありません。何にも屈することのない強さを見せつけるのです。」
「…と、まあ、こんな感じなので、ぶつかった時は回避せずに正面突破を期待していらっしゃいますね。」
「そ、そんなあ。わたしにそんなことできるかなあ。」
「メイリーンさん、あなたは生まれ変わったのです。今度の人生こそ、自分の心に素直に進んでいきましょう。」
ふんすっ!と強めの息を吐いて、少年神は右手を握り込んだまま、上へとぐっと伸ばした。
「言いたいことはわかるんですけど…。いや、これだけの能力をいただいたら、そうすべきですよね。はい…。」
「その意気ですよ!メイリーンさん!」
「はあ…。」
なんだか、少年神のペースに載せられているような気がして、本当にそれでいいのかよくわからなくなる。
とりあえず考えを整理したくなった。
「なんだか、めまぐるしい展開で一旦落ち着きたいです。申し訳ないですが、日を改めてまた来てもいいですか?」
「もちろん!いつでもどうぞ。また会えるのを楽しみにしてますね。」
「ええ。間が空いても構いませんので、ゆっくりなさってくださいね。」
どこまでの根明な少年神と、いたわしそうにこちらを見てくる天使ミエール。
その二人に見送られて、メイリーンは教会へ戻った。
そして、さっさと屋敷へ、自室へ戻って、丸くもふもふしているシロちゃんに泣きつくのだった。
「シロちゃーーーーん。ぴええええええ。」
「わっ。メイリーン、どうしたの?悲しいの?」
「ううん。悲しいわけじゃないんだけどね。なんだかとっても気持ちが疲れちゃって。こんなことならシロちゃんと一緒に出かければよかったな。」
「うん。わたしもメイリーンのそばにいたかったな。」
「うふふ。ありがとう。シロちゃん大好き。」
そう言って、メイリーンはもふもふフェンリルのシロちゃんを撫でたり、ブラッシングしたり、一緒にお昼寝したりと、ありとあらゆる現実逃避をしたのだった。
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