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25/79

25話

投稿を始めてからちょうど1ヶ月、祝25話です。

少しずつブックマークや評価が増えていて嬉しいです〜。

引き続きよろしくお願いします。

大理石のような白い石が隙間なく積み上がってできた白亜の城、光り輝くシャンデリアや高価な調度品の数々、清潔で見目麗しい従者やメイドたち、そして従者たちに比べればその数は少ないが、ドレスアップや正装をしていて堂々とした立ち振る舞いの貴族たち。

視界に入る1つ1つすべてがピッカンピカンのキラッキラだった。


まるでスケールの大きな、作り込まれた映画の世界に入り込んだような、そんな錯覚を覚えて、メイリーンは馬車から降りてからすでにしばらく歩いているのに冷静になるどころか、むしろどんどんと圧倒されていってしまう。



「メイリーンの驚いた様子が可愛らしいですわね。」


「ああ。初めて登城した時のわたしもこうだったと思うよ。それにしても一年でもっとも華やかなパーティーが初回の登城では誰でもこうなるというものだ。」


「そうですわね。華やかな場で社交デビューとなるのは大変なことですけど、メイリーンならきっと乗り越えられると思いますわ。」


「そうだな。メイリーンなら大丈夫だ。」



侯爵夫妻は我が子の様子を愛しそうに見守るために時折振り返りながらも、ゆったりと先を歩いていく。


少しずつ進んでは、パーティー参加者の知り合いから声をかけられて、挨拶を交わしていく。

どうやら廊下で長話するのはマナー違反になるようで、定型の時節の挨拶と、後ほどゆっくりお話ししましょうという社交辞令をさらりと交わす程度だ。


今更だが、メイリーンの家名はスチュワート、侯爵の名前はアンドレ、侯爵夫人の名前はハンナなのだが、メイリーンがそのように呼ぶことはなく、他人から度々呼ばれている場面は新鮮だった。


そして、挨拶をした人の中にはメイリーンのほうを見て微笑む貴族もいたので、その場合は無言でカーテシーだけしておく。


これは事前に母である侯爵夫人から学んでおいたしきたりで、もし公爵家以外の、侯爵と同じか位の低い貴族に向けた挨拶だ。公爵家相手の場合は、父である侯爵から紹介された後に、無言でカーテシーを返すことになっている。


いずれにしても無言なのは、無理に話さなくて良いというメイリーンのための負担軽減の意味と、言葉遊びの搦手を取ってくるような貴族へ言質を取らせないための対策でもあった。


新年祝賀パーティーは大人のみの参加が当然の慣習としてあるので、貴族や侍従たちはメイリーンを見つけると、驚いた様子が窺える。たまにチラチラと盗み見てはコソコソと話すような人や、その中でも少数ではあるが値踏みするような好奇の目線を向けられることもあった。


あまりに不躾な視線については侯爵夫妻がひと睨みすることで怯ませて撃退していたが、そもそものメイリーンには余裕がないためそのやりとりには気がついていなかった。


あーーーー、しばらく城に見とれててうっかりしてたけど、落ち着いてきたらなんかいろんな人に見られてる気がするーーー!

お母様から子どもがいるだけで周りは驚くことを事前に聞かされた上で、「毅然とした態度と姿勢、悠然とした表情を保つように」って言われてるから頑張らないとなあ。

もう城も見れたことだし、さっさと帰ってシロちゃんを存分にもふりたい。まあ、美形な両親の着飾った姿を見れたのは嬉しいけどね。


フランス人形のような見た目のメイリーンの親だけあって、侯爵夫妻もかなりの美形である。30歳をわずかに過ぎた2人の姿は、前世が不健康な状態の30歳で終了したメイリーンには眩しく映った。もっとも現在のメイリーンは侯爵夫妻の見た目の良いところを集中させた圧倒的な美少女なのだが。


王城の廊下をゆっくりと歩いていた一同だったが、大きな扉のあるホールへと入っていった。


天井画やそれを囲む彫刻がこれまでの廊下よりもひときわ派手になり、さらには大きなシャンデリアが幾つも見えてる。

扉のある廊下側の壁沿いには美しい料理が並ぶ。広すぎるホールのそこかしこに華やかに着飾ってキラキラと眩い貴族が集まっており、圧巻の一言だった。



さあ、ここからが正念場だ。

メイリーンの家名はスチュワート

侯爵の名前はアンドレ、侯爵夫人の名前はハンナ。

ようやく名前がでてきました。


お読みいただきありがとうございます。

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