14話
新キャラが登場。今後の予定は未定。
メイリーンは、家庭教師のマクロン、護衛のカイン、メイドのシャーリーと一緒に屋敷から馬車で15分程の雑木林に来ていた。
今日の目的としてはメイリーンの中級魔法の練習である。
護衛のカインは、175cm程の身長に茶色の髪を持つ20歳の男性で、人懐っこそうな顔立ちをしている。
まだ幼いメイリーンが怖がらないために、騎士団から若くて人当たりの良い騎士を派遣させたのだ。
マクロンがかなりの魔法の使い手なので、護衛としては十分なところだが、念のためにつけることになった。
また、メイドのシャーリーは古くから侯爵家に侍従やメイドを輩出する領地内の名家の娘で、15歳になる。
メイリーンはまだ知らないが、今後の生活でメイリーンの配下になるために付けられることになった。
身長は165cm程ですらっとしており、色白の少女だ。少しくすんでウェーブした金髪を一つにまとめた髪型に、支給された紺色のメイド服を着ている。
この2人に関しては、侯爵から”メイリーンの魔法4属性については秘匿情報である故に決して漏らさぬように”と命じられている。
そもそも侯爵家に仕える人間は、厳しい教育を受けるので、侯爵家の日常生活の情報すら漏らすこともないのだが、メイリーンを溺愛する侯爵ならではの行動と言える。
「メイリーン様、そろそろ休憩にいたしましょう。」
「ええ。そういたしましょう。」
マクロンがにこやかに休憩を勧めるので、メイリーンも微笑んで素直に応じる。
メイリーンはとにかく素直に応じている。
余計な波風を立てて疲れたくないので、ほぼほぼマクロンの好きにさせるようにしている。
マクロンとともに東屋に向かうと、シャリーが椅子やテーブルを掃除し終えており、清潔なテーブルクロスをかけてある。
そして、座って待っていると、シャリーがお茶の準備を持って現れ、サーブしてくれる。今日の紅茶もおいしい。
「中級魔法の練習を始めて、3ヶ月が経ちましたね。メイリーン様が驚異的な速度で身に付けられるので、感服しております。」
「まあ、そのような。ありがとうございます。教える方が素晴らしいからですわね。」
「いえいえ、わたくしではなく、ひとえにメイリーン様のお力のみでございます。」
ほぼ毎日、マクロンが褒めてくる。
もはやBotみたいなのだが、メイリーンも負けじとBotになって、毎度曖昧に肯定して、お礼を言う。
マクロンが宮廷魔術師であることからも、こういった日常会話も貴族の嗜みなのかもしれない。
中級魔法の練習だが、火、水、土ともに、高い出力で出せるようになっている。
初級魔法では、ファイヤーボール、ウォーターボール、ストーンボール、といった、塊を作り出して、動きを緻密にコントロールする練習を地道に繰り返していた。
それを今度は、ファイヤーウォール、ウォーターウォール、サンドウォール、エアウォールといった壁の出現による防御と、ファイヤーアロー、ウォーターアロー、サンドアローといった矢に見立てた攻撃とエアーカッターを練習するようになった。
マクロンが割と完璧主義なので、一つ一つを精密に制御できるようにならないと、次の魔法を行うことはできず、地道な練習をしている。
メイリーンとしては面倒なのでもっと大雑把でも良いのだが、マクロンの真剣な表情や暑苦しいくらいの励ましを受けて、真面目に練習し続けているのである。
高出力の魔法は、屋敷のすぐ近くで行うわけには行かないので、こうして馬車で離れた地点まで来ているのだが、侯爵が溺愛している愛娘のために、大工に命じてサクッと3間続きの長屋と東屋を建ててしまったので、途中で雨が降っても屋内で着替えることもできて、なかなか快適に過ごすことができる。
「ファイヤーアロー。ウォーターアロー。サンドアロー。エアーカッター。」
「ファイヤーアロー。ファイヤーアロー。ファイヤーアロー。」
「ウォーターアロー。ウォーターアロー。ウォーターアロー。」
「サンドアロー。サンドアロー。サンドアロー。」
「エアーカッター。エアーカッター。エアーカッター。」
マクロンが用意した的に、それぞれの魔法を当てていく。集中しておかないと舌を噛みそうだ。
ある程度は形になってきたので、今は、臨機応変さと制御力の特訓中だ。魔力量、放出イメージ、タイミングなどの細やかな調整を行いながら、魔法を自在に操れるようにしていくのだ。
「メイリーン様、続けざまに魔法を打っていく時に、もっと矢の先端、矢じりをイメージして、鋭さを出すようにしてみてください。より魔力を節約して的を破壊しましょう。
魔力の消耗を抑えることができれば、より多くの手数を出すことができますよ。」
「わかりました。」
そして、ひたすら、なんちゃらアローやらを打ちまくり、休憩。その後にまた練習。
微修正を繰り返しながら練習しまくる。
こうして魔法の使い方を着実に学ぶのであった。
地道な努力となかなか愚痴を吐けない環境。
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