降りれない少年
「どうやって降りようか」
場所は塔の上。おじさんと二人。どうせなら美少女とが良かった。
「どうする?φ」
『いいこと思いついたぞ』
「おお、なんだ?言うてみ」
『助けを待つ』
「はい」
それから数十分後、街の人に梯子を掛けてもらい無事助かった。
「お疲れ様」
「あの、怒ってない?」
「良いよ、助ける為だったんだし」
「ありがとう」
塔から降りると目の前にはルートが立っていた。聞けば、ルートが助けを呼んでくれたらしい。
「それと、貴方の剣から声がした気がするのだけど」
「ああ、この剣喋るんだよ。なあφ」
『……』
「あれ?喋らない」
「普通の剣ではないのね。勇者も言ってたけど。私の目からは神器ってわからないけど」
その後二人で食事をしに、近くの酒場に立ち寄った。
「ところで、あの時、言ってた尊敬する人ってどんな人なの?」
「ああ、あれね。その人ってのはまあ簡単に言うと僕の命の恩人なんだ」
「へえ」
「ちょうど君の言う、勇者みたいなものさ」
「その人は今どうしているの?」
「ああ、」
語尾を下げる。あまり思い出したくないな。恩人、ここでは仮に「彼」としよう。その彼とは結果的に死別した。あれは高校受験の一か月前の話だ。
「もういないんだ」
「なんか、ごめんなさい」
「いいよ別に。もうそんな気にしてないし」
「そう」
「それじゃあ今日はもう帰って寝るとしよう」
「そうね」
それから二人で宿屋に向かい、それぞれの部屋に分かれた。
部屋にて、
『おいツバキ。例の人の話気になるんだけど?』
「相変わらずだな、お前は」
流石は剣だ。僕の傷口を深くえぐってくる。
「いいさ、話そう」