4 ナイル
ステータスの表示法
-ステータス-
名前
種族
レベル
スキル
鳥の姿になった彼は、人間とは勝手が違う体を違和感無く使えることに戸惑いを覚えつつ、山の中腹に向かう。
数秒で目的地にたどり着いた彼は拠点となる洞窟を掘った。
一本道の平凡な洞窟。取りあえずはこれでいいと判断した。
「ふう…確か魔法やレベルシステムがある、だったな。なら…“ステータス”」
すると彼の前に、ゲームでよく見るようなボードが現れた。
-ステータス-
名無し
混沌
レベル 1
スキル
旧支配者 考え付くこと何でもできる
そこにはわずかな情報が書かれていた。
HPやMP等と言ったものは無く、非常に簡潔なものであった。
ただしそれはこの世界の常識。何故かそれを常識として受け入れた彼は…
「こんなものか。名前はどうしようかな…どうせならあの方の名前から…ナイアーラ…ラテップ…ナイル…ナイル!」
この瞬間、彼の、いや、ナイルの名前はナイルとなった。
果たしてかの神はこれを“確信”していたのか…それは人間には分からないだろう。
ナイルはこれから何をするかを考えた。取りあえず金銀財宝に囲まれて過ごすという目標はできたが、手段が思い付かない。定番の冒険者みたいな職で稼ぐかと考えたが時間がかかることと自由が抑制されることから却下。
強盗は討伐隊が送られそうだし却下。
そうして考えているとひとつの方針が決まった。
強力な死の呪いを込めたアイテムを渡して自滅させよう。そうすれば滅んだ国から財宝を回収し放題だ。
国で無くなれば法律を考慮する必要が無くなるから。
そうしてスキルを使い出来たアイテムがこちら。
-タナトスの杖-
強力な死の呪いを込めた杖。
ノーコストノーデメリットで、自由に使える。
いつの間にか人の姿となっていたナイルは、悪戯っ子の笑顔を浮かべた。