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12/10^16のキセキ〜異世界で長生きすればいいだけ……だけど妹たちに手を出すなら容赦しない!〜  作者: 嘉神かろ
第3章 二つの輝き

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第16話 第五十階層へ

しれっとアルジェたちの世界に名前をつけました。

改訂版第一章で管理者さんが便宜上つけます。


『ark(箱)[英]』または『arca(蓋のついた箱)[羅]』+『αυλη(アウレー)(中庭)[古希]』+ia(国や地域などを表す接尾辞)


で、

アーカウレイア→アーカウリア→『アーカウラ』  です。

3-16 第五十階層へ

 さてさて、そろそろブランの実力に丁度良い難易度になってきましたね。

 最下層まで攻略した後も来ましょうか?

 ……やはり辞めます。臭いが……。

 遮断してても精神的になんか臭いんです!!


 途中宝箱を発見したり解除がまだ出来ないレベルの罠――私一人なら回復力に任せた漢解除……強行突破可能――を迂回したりで寄り道しつつ、四十二階層へ。ちなみに宝箱の中身は下級のマジックアイテムでした。


………

……


 四十二階層は四十一階層と変わりなく、四十七階層まで順調に進みます。


「そろそろ野営? しましょうか」

「うん」


 丁度よさげな袋小路を発見したので、今日はここまでにします。時間は何となく、というか腹時計で把握してます。

 迷宮を出るときに何日潜ってたかは教えてくれますが、さすがに、時計もないのに迷宮内で正確にはわかりません。

フィールド型と呼ばれる階層では、太陽があって外と時間が連動してる場合が多いそうなのですがね。


 ブランにいくつか特殊な結界を張ってもらいつつ、岩壁で部屋の入り口を塞ぎます。

 あとは食事をして寝るだけですね。

 おやすみなさい…。



◆◇◆

 さてさて、予定通り今日で踏破してしまいましょう!

 昨日同様、〈魔力視〉で先導します。


「あ、階段」

「意外と近かったのね」


 幸先よく見つけた階段を降り、四十八階層へ。

 ここまでくると、視界も多少悪いです。

 と言ってもまぁ、五十メートル先がわかるので問題はありません。ブランの訓練には少々物足りないくらいです。


 んー、感じる気配的に、魔物の種類は変わらないようですね。

 どんどん行きましょう。


「あ、姉様。あそこ落とし穴」

「開けてみましょうか」


 いえ、別に自殺願望があるわけでも漢解除しようと言うわけでもありませんよ?


「うん。……何も見えない」

「そうね」


 穴の底は見えませんね。わかってたことですが。


 魔力は流れ込み続けてます。逆に瘴気は溢れてきてますね。


「うん。たぶん繋がってる。一応何か落としてみましょうか」

「じゃあ……この石」


 ブランがその辺に転がっていた石を落とします。


――――――カツンッ、コンッカラカラ……。


「大丈夫みたい。捕まって」


 〈創翼〉で翼を作り、ブランを抱えて穴を降ります。

 落とし穴の中には下の階に繋がってるものもあるんです。最初見つけたのは偶々でしたが。


 はい、四十九階層に到着です。メチャクチャ早いペースですね。


「ブラン、一応言っておくけど、コレは普通の迷宮攻略ではないからね?」

「うん。わかってる。姉様のやることを常識と思っちゃダメって、シンとテオが言ってた」

「……そ、そう」


 迷宮を出たら、一度屋敷に戻ってケーキを作りましょう。二人に送ってあげるんです。

クリームに〈ホワイトペップ〉――ジョロキアの数倍の辛さを持った白い唐辛子です――をたっっっぷり混ぜたやつ。フフフフフフフ……。


 さ、気を取り直して。


「それじゃあ行きましょう。……こっちね」

「……(姉様がまた変なオーラを……)うん」


 んー、ここまでくれば、もうラスボスさんの気配もわかりますね。ブランにはまだ難しいかもですが。


 と、この気配は……。


「ブラン? ちょっっと目を瞑ってて貰っていいかしら?」

「え? うん」


 さーて、血祭りにしてあげましょうか。


 中級でも、迷宮産は理性が無いのは分かってます。でも、そういう問題じゃありませんよね?


 アッサリ終わらせてはつまらないので。

 まずは意識が飛ばないよう肩へ飛び蹴りです。


「Guw!?!?」


 ソレはいい感じに意識を保ったまま水平に吹き飛び、壁に激突しました。


「剣は使ってあげないから」


 我ながら底冷えのする様な声が出てしまいます。

 声を出しては、ブランに目を瞑って貰った意味がありませんね。

 取り敢えず、殴りましょう。ひたすら。


フフフフ、アハハ、アハハハハハハハハハ!!


「Gur Bwer Gywi………!」


 理性ないくせにミドルとか、ホントに笑えますね?

 言葉にならない声で、いっちょ前に悲鳴なんて上げてますよ?


 アー、楽し♪


 あと何回ぐらい殴れますかね?

 十回? 百回? アハッ!


………

……


 んー、もう折れる関節が無いですね。

 じゃあトドメを刺しましょう。


 神聖属性と光属性を使って、太陽の光と同じ性質にした光で焼いてあげます。


 弱火でじっくり、コトコトです。


「Gyaaaaaaaaaaaaaaaa!!!」


 う、煩い!


 光を当てた部分が、だんだん白くなって、やがて灰となり崩れていきます。


 ~タッタ タッタ タッ♪

 うん、ウルトラ上手に焼けました〜♪ タンッ♬



 ふ~~。さて、スッキリです!

 そろそろ戻りますかね。





「ブラン、もういいわよ」

「……吸血鬼?」

「……えぇ」


 そりゃバレますよね?

 でも、あの様子の私さえ見られなければ問題ないです!


 それはそうと、さっきアレを痛めつけてる時に五十階層への階段を見つけたんですよね。

 最下層は『迷宮の守護者ダンジヨンガーディアン』のいるボス部屋、または迷宮の核があるコアルームしかありません。


階段を降りたところでしばらく休憩したら、ガーディアンに挑みましょう。



◆◇◆

 さて、休憩は終了です。

 アイテムの確認も済みましたし、いきましょうか。


「姉様、ここのガーディアンって古代死魔霊(エルダーリツチ)だよね?」

「そうよ」


 コテンッと首を傾げたブランに返事をします。


 エルダーリッチは、伝説のアンデッド、不死王(イモータルキング)の一歩手前。AからA+ランクの魔物です。

 迷宮の外だと個体差が大きい魔物ですが、ここでは基本値、Aランクになるでしょう。

 格としては以前の強襲虎(アサルトタイガー)と同格です。


「そうね。援護はしてあげるから、ブランメインでやってみなさい」

「えっ……。できる?」


 不安げに見上げてくるブランを励ますよう、目をまっすぐ見て答えます。


「ええ。今回の迷宮攻略で十分な力はつけたと思うわ。一人じゃ無理だけど、私が援護すれば大丈夫よ」


 まだまだBランクの域をでませんがね。


「……うん。頑張る!」


 そのいきです!





 重厚感のある扉を開けば、そこにいたのは、酷く禍々しい気配を纏った血の気のない男性。アレがエルダーリッチです。

 長い間高められた魔力が、生前の肉体を再現しているのですよ。

 まあ迷宮のですから、あれは紛い物ですがね。


「迷宮の男性型は武器の扱いに長けてたはずよ。注意なさい」

「……う、うん」


 これはいけませんね。瘴気と魔力に呑まれて震えています。


「大丈夫。よく考えてごらんなさい。私の方が、アレより魔力は高いわ」

「で、でも……」


 質は全然違う。そう言いたいのでしょう。


「信じなさい。あなたは強い! 私が保証するわ」

「……うん」


 ブランの震えが止まりました。目に力が戻っています。


「いきなさい。私がついてる」

「うんっ!」


 うん、これなら大丈夫。


 小太刀を抜き、扉を潜ります。

その瞬間、こちらを向いて臨戦態勢に入ったエルダーリッチ。

 さあ、戦いの始まりです!



いよいよ迷宮探索の大詰め…?

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