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12/10^16のキセキ〜異世界で長生きすればいいだけ……だけど妹たちに手を出すなら容赦しない!〜  作者: 嘉神かろ
第3章 二つの輝き

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第11話 そういえば

短いんで投稿しちゃいました!


必要ではあるが、ちょっと邪魔な回です。

3-11 そういえば

 登城した翌日です。


「姉様、今日は迷宮?」

「そのつもりだったけど、ちょっと先にやっておきたいことがあるの。時間があれば様子見だけしましょ」

「うん、わかった」


 昨日、色々講義してて思ったんですよ。

 今私がスキルでごり押ししてる石鹸の製造。これを誰でも作れるよう、技術的に確立しておくべきではないかと。

 世界の発展の為です。リベルティア王家に話したような、やりすぎはダメですがね。


 というわけで、サクッとヒューズスロープへ[転移]しましょうか。




◆◇◆

「こんにちは。エドはいるかしら?」


 実家を訪ねて発見したセレーナに問います。


「あら、アルジェさん、ブランちゃん。一週間ぶりですね。兄なら店の方にいると思いますよ」


 ということなので、お礼を言って大通りにあるエドの店へ向かいます。

 王都にいたので、人がかなり少ないように感じてしまいますね。それなりにいるんですが。



「こんにちは。あなた、エドを呼んできてもらえない?」

「え? あ、はい! 旦那様! アルジュエロ様がいらっしゃいましたー!」


 店について、何度か言葉を交わした事のある店員のお兄さんにエドを呼んでもらいます。未だに様付けはなれませんね。


「おぉー、アルジェはんにブランの嬢ちゃん。一週間ぶりやなぁ。石鹸も受けとっとるで! 今日はどないしたん?」


 聞いた話、思ったより売れているようです。

 そういえば、石鹸もテンプレでしたね。

 それはともかく、


「その石鹸のことで来たのよ」

「なんや、問題でもあったんかいな?」

「いえ、問題……といえば問題かしら?」


 そういいながら周囲に視線のみを走らせます。


「……とりあえず、奥、行こか」




◆◇◆

「そんで、何が問題なん?」


 お茶を持ってきてくれた先程の店員さんが部屋を出てすぐ、エドが聞いてきました。


「ねえ、今の状態、どう思う?」

「今のて、アルジェはんが一人で、スキルで全部作っとることかいな?」

「そうよ」


 察しが良くて助かりますね。

 ブランは興味があるのかないのか、お茶をフゥフゥ冷ましながらチビチビ飲んでます。可愛すぎですね!!


「そらー、ウチとしてはあんましよくないやろなぁ。普通なら。アルジェはんはかなりの長命種やし、まあ悪いとまでは言わんけど。とは言え冒険者はいつ死ぬかも分からんしな。あとは、雇用の関係で製造にもうちょい人を割いてもらいたいってとこやろか?」

「そうよね。てことで、貴方には新しい石鹸の開発を頼みたいの。出来れば今の品質に近いやつ。資金は私が出すから」


 あの講義の報酬ってことで、かなりの額貰っちゃったんですよね。

 装備をあまり変えない私たちは、高額のお金を使う機会が少ないです。経済を循環させるために、いくらか流す方がいいんですよね。


「うーん、それならいいんやけど、十年はかかると思うで?」

「たぶん、そんなにかからないわ。私が知ってることを基にして研究してもらうから」

「……まあ前に聞いた感じ、物質の生成が出来るっちゅうことは、その構造がある程度わかっとるんやろけど。とりあえず、その中身、聞いてもいいかいな?」

「ええ。その前に、一つ聞いていいかしら?」

「 なんや?」

「今までの石鹸って、どうやってつくってたの?」


 予測はできてるんですけどね?


「そら、魔物とかの解体した時に出た脂と灰を混ぜて作っとるんや」

「ああやっぱりそうなのね。じゃあ問題ないわ」


 そりゃあ臭いですよね。

 やはりあの方法で良さそうなのが確定しました。早速お願いしますかね。


「植物油ってある? 出来ればオリビアの実から取ったやつ」


 オリビア=オリーブでいいという鑑定結果がでてますので。


「オリビアから油がとれるんかいな?」

「ええ、知らなかった?」

「そら、オリビアの実は普通に食べるもんやと思っとったからなぁ」

「それは、安く仕入れられそうかしら?」

「ああ、問題ないで。隣の領の特産品やさかい」


 それは好都合。


「それじゃあ水酸化カリウム、って言ってもわからないわよね」


 キョトンとされてしまいましたよ。


「腐蝕毒よ。それも強烈な」


 間違ってはいません!


「そんなもん石鹸に使うんかいな」

「ええ。その腐蝕させる成分は灰のと同じよ。ただ滅茶苦茶濃いってだけで」


 うん、間違ってはいません。

 ちょっといろいろ省いてるだけです。電離したときの、とか知りません!


「ほぉ。ま、ええわ。うーん、腐蝕毒は流石に扱ってへんなぁ。強烈なのがいいんか?」

「できればね」


 これは、探さなきゃかもですね。


「だったら、キョウエンの実か、マンイーターの消化液でええんやないやろか?」


 キョウエン……強塩基?


「そうね、実物はないの?」

「流石にないなぁ。どっちも劇薬で錬金術とか薬学の範囲やから、ウチは門外漢や」

「キョウエンの葉とか、マンイーターの素材は? 鑑定文にヒントがあるかもしれないわ」

「それならあるな。もってこさせる」


 待つこと数分、店員さんが布袋と何かの蔓を持って来てくれました。


「こっちに入ってるのがキョウエンの葉を乾燥させた胃薬で、こっちはマンイーターの蔓や」

「ありがと。それじゃ、見させてもらうわ」


 手元の二つに〈鑑定眼〉をかけていきます。


「……、うん。キョウエンの実はいけそう。マンイーターの方は、どうやら魔術的なものみたいだから、石鹸に使えるからちょっと微妙ね。ちなみに、コストはどれくらいかかるの?」

「キョウエンは大樹海の浅いとこにぎょーさんあるさかい。そやなぁ、樽一つで金貨はいらんくらいやな」


 大樹海とは『竜魔大樹海』のことですね。


「それなら大丈夫、かしら? 濾過はいるでしょうし、他にも加工が必要かもしれないからわからないけど。一応、植物油も含めて他に何かないか調べておいて貰っても良いかしら? 種からいい香りの油が取れる花とかもあったはずよ」

「了解や。そっちの取り分は……売り上げの10%でどや?」

「それは貰いすぎね。研究はそっちでして貰うわけだし、純利益のでいいわ」

「せやかて、て言っても聞かんやろ? わかった、それでええわ。借り作るのは嫌やけど、しゃあないな」


 頼ること、あるんですかね?

 というのは心の内に留めておきます。


「ええ。ありがとう」


 と言えば、なんとも微妙な顔をするエドです。まあ、普通逆ですからね。


「それじゃ、コレ。あとはよろしくね」


 そう言って、石鹸のことについて纏めたメモと、研究費の入った袋を渡します。


「……なんや、意外と常識的な金額のようで安心したわ」


 と胸をなでおろすエドが持っている小袋には、貨幣が四、五枚ほど入っているようにみえますね。

でも、誰が金貨といいましたっけ?


「な、なんや。その顔は……、ちょ、まさか」

「それじゃ、帰るわね。ブラン、行くわよ」


 焦って袋を開けるエドを尻目に、さっさと店を出、転移しました。


「? 姉様、今何か聞こえなかった?」


 転移する直前、後ろから悲鳴が聞こえましたがなんでしょーね? ふふふ。


「さあ? 気のせいじゃないかしら?」


 さて、まだ時間はありますね。

 このまま迷宮に入りましょうか。



アルジェさんの頭の中にあるのは某欧産有名高級石鹸です。フランスの王家でも使われていたとか。


気が向けばもう一話いきます。

これやって数分ぼーっとすれば息抜きにちょうどいいので。

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