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第4話 ハロー私の新生活

ブックマーク、ありがとうございます!


旧5話です。

1-4 

 

「すみません、薬草を売りたいのですが」


 冒険者登録を終えた私は、早速道中で採取した薬草を売ることにします。門での手数料はまだ急ぎませんが、ここまで来て野宿はいやです。


「はい、薬草ぐらいならここでも買い取り致します。普段はあちらのカウンターをご利用ください」


 そう言って彼女は左手奥の大きなカウンターを指します。


「わかりました。それではこれらをお願いします」


 私がストレージから取り出した薬草を、彼女は手際よく仕分けていきます。移動優先で大した量は無いとはいえ、流石ですね。――しかし、ずっと敬語というのも疲れますね。もう少し砕けましょうか。


「はい、全部で銀貨六枚、6000L(ルル)ですね」

「ありがとう。けっこう高いのね」


 いきなり崩してみましたが、受付嬢さんは特に何も反応しませんね。でも、ちょっと違和感がありますね。やはり変えなくていいでしょう。


「ええ、綺麗に必要な部分を採取されてますし、痛みもありませんから」


 なるほど、<鑑定眼>と〈ストレージ〉のおかげですね。

 普通の仕事をしている場合の月収が平均銀貨十枚とのことですからいい稼ぎになります。


 ちなみに今回売った薬草、"薬草になる草"ではなく"薬草"という植物です。鑑定ではこんな感じ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<薬草> 高級 (高品質)

生体の回復を早める成分を葉脈と根に含む。

すり潰して軟膏にするか、ポーションとして加工する。

採取の際は周りの土ごと掘り出し、水で根から土を落とすのが良い。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 <高速再生>のある私にはぶっちゃけ関係ないですね。

 しかし、樽とかツボを割ったら出てくるのと同じ名前で同じ効用の物が高級級(ハイ)ですか……。なにか釈然としません。っと、ゲームに引っ張られすぎですね。


 ちなみに、レア度は下から一般(コモン)高級(ハイ)特殊(スペシヤル)希少(レア)秘宝(アーティファクト)伝説(レジェンダリー)幻想(ファンタジー)神話(ミソロジー)です。


 さて、色々聞いてみなければいけません、がその前にお金事情も確認しておきましょう。

 事前に管理者さんに聞いた話では、銅貨十枚で銀貨一枚、銀貨百枚で金貨一枚、金貨百枚で白金貨一枚、白金貨百枚でミスリル貨一枚となり、さらに銀貨から上は十枚ごとに銀版や金版になるようです。銅貨の下に石貨というのがあるそうですが、ほとんどつかわれていないとのこと。

 これらは、なぜか全世界共通です。不思議です。

 

 では改めまして。

 他に人が待っていないことを確認してからいくつか質問してみます。


「ところで、初心者講習のようなものはありませんか?」

「ありますよ。一週間に一度、ギルドの訓練場で無償でおこなっています。ちょうど明日ですね。参加なされますか?」

「はい、お願いします」

「わかりました。明日の二の鐘がなる頃にギルドまでお越しください」


 聞いていた通りこの世界、鐘の回数で時間を把握するようです。

 一日に七回、太陽が真上、つまり正午に一回と、午前午後に三回ずつです。一回目はだいたい日の出らしいので、二時間おきですかね?

 鳴らすタイミングは、大きな魔導具で調べているようですが、水時計的なものでしょうか?


「はい、二の鐘ですね。わかりました。ああそうだ。受付嬢さんは何て名前なんです?」

「私ですか? リオラと申します」

「リオラさんですね。ありがとうございます。最後に、どこかいい宿はないですか? 銀貨二枚くらいで泊まれるところがいいです。」


 明日はお金を稼げるかわかりませんからね。


「そうですね……。星の波止場亭はどうでしょう。一泊銀貨一枚で食事付きです。あと有料ですが、お風呂がありますね。」


 お風呂!

 もうそこしかありませんね!


「そこでお願いします。」

「それならここから門の反対に歩いたところで、中央広場までの半分ほどの所にあります」

「わかりました。今日はありがとうございました。明日の二の鐘のころにまたきますね」



◆◇◆

 ギルドからでたらすぐに星の波止場亭へ向かいます。

 ――ああ、あれですね。歩いて五分といった所ですか。店の前で女の子が掃き掃除してますね。


「こんにちは。宿の子? ここに泊まりたいのだけれど」

「お客さん? こっち! 付いてきて!」


 元気ですね。笑顔と揺れるツインテールが可愛らしいです。

 髪が長くても問題ないのはお風呂があるからでしょうか。綺麗な格好もしていましたし、期待できそうですね。ひとまず追いかけましょうか。


 中はやはり掃除が行き届いているようです。

 宿の中を観察していると、先ほどの子がまだ妙齢と言って差支えないくらいの女性を連れて戻ってきました。女将さんでしょう。


「泊まりに来たのかい? 一泊銀貨一枚、朝食はついてるよ。夕食もつけるならプラスで銅貨五枚、お湯は銅貨一枚だね。お風呂入りたいなら銅貨八枚だよ」


 なんというか、肝っ玉かあさんといった感じですね。というか、お風呂夕食より高い……。

 とはいえ、外食さえしなければ一日の食費は銅貨三枚に納まるそうなので、ここは高級宿ということですね。


「とりあえず二泊お願いします。夕食あり、お風呂もお願いします」


 そう言って銀貨五枚渡します。


「おや、計算はやいね。身なりもいいし、良いとこの出かい? まあいいや、はいおつりと部屋の鍵。二回の一番奥の部屋だよ。お風呂は入れるようになったら呼ぶからね」


 言われてみればこの服というかドレス、質がいいですね。かなり楽ですし、普段着にしましょうか。


 それはともかく、無事宿も確保できましたし、夕食までのんびりしましょうかね。……いえ、すっからかんですし、魔法の訓練しましょうか。早急に稼げる手段を増やさなければいけません。

 市場調査は…また時間があるときでしょう。


 後日立ち寄った市場で見た限り、日本とは物価がかなり違いました。おそらく、だいたい銅貨一枚(100L)=100円でしょう。とすると街へ入る手数料銀貨一枚は1000円。大きくは間違っていないように思われますし。



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