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12/10^16のキセキ〜異世界で長生きすればいいだけ……だけど妹たちに手を出すなら容赦しない!〜  作者: 嘉神かろ
第七章 奏でるは人と竜の災歌

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幕間⑦

幕間⑦


――キセキ、とある禁じられた絵本より。


 この世界が生まれる前、まだ何もない、無限の虚無が広がっているだけだった頃。

 そこに一柱の神様が生まれました。

 “彼”は優れた知恵と、途方も無い力を持っていました。


 気の遠くなるような永い時間が経った頃、“彼”は退屈していました。


 ただその虚無が無限に広がり続けるのを眺めるだけの日々に飽きてしまったのです。


 そこで“彼”は、その強大すぎる力を持って、三柱の子を生み出しました。


 その子供達は、それぞれに子を成し、体を分け、力によって子孫を増やしていきます。


 その子孫達は、祖先である“彼”を『王』として崇め、その子である三柱を、畏敬を込めて『副王』、『宰相』、『万物の母』と呼びました。



 長い、永い時間が経ちました。


 自らが作り出した王国にもとうとう飽きてしまった『王』は、遥かな未来に期待して眠りに就くことにしました。



 『王』が眠ると、これまで制御されていた巨大な力の枷がなくなり、その『王』自身の夢を現実として溢れさせました。


 “子供達”はそれぞれの世界へ降り立ち、やがてその世界の『支配者』となりました。


 しかし、『王』が生み出した世界にいた神々はコレをよく思いません。


 『支配者』たちと、元より夢の世界に存在した古き神、『旧神』達は激しく争うようになりました。



 戦いは続きます。

 天は割れ、地が裂け、その“世界”の多くの命を奪いました。


 そして、とうとう“世界”の境界にヒビを入れてしまったのです。


 『支配者』の崇める『王』の存在を知っていた一部の『旧神』たちは、その裂け目から“世界”を飛び出し、あろうことか、『王』を討とうとしました。


 しかし、『王』の力は大き過ぎました。


 深い眠りの中にいる『王』にさえ、『旧神』たちは傷をつけることが出来ませんでした。


 それでも『旧神』達は諦められません。


 そこで、その力の全て、その存在すら込めて『王』へと呪いをかけてしまいました。


 三柱の子供達が気付いた時には、もう手遅れでした。


 偉大な賢者であった『王』は、理知の光を失い、その叡智の全てを奪われた、赤ん坊同然の存在に成り下がってしまったのです。




 かつての『支配者』たちは


 今でも


 『王』の圧倒的な力が、その癇癪によって振るわれ


 自らが支配していた世界や


 自分たちが壊され無いよう


 必死にあやし続けています。

 

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