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12/10^16のキセキ〜異世界で長生きすればいいだけ……だけど妹たちに手を出すなら容赦しない!〜  作者: 嘉神かろ
第1章 【大海の一滴】

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第10話 鬼と異形と戦闘狂(?)

疲れました…。説明文の長さにバラツキがあるのはご容赦ください。種族説明はよくあるパターンのものですので読み飛ばしても大丈夫です。


旧11話です

1-10

 

 押し寄せる鬼供に鑑定の魔眼を向けます。


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<ゴブリン> G(興奮)

醜い小鬼のようなゴブリン族最下級の魔物。

単独では弱いが、社会性を持ち同種と連携を取ることが知られている。

異常なほど繁殖力が高いが雌は存在せず、他種族を攫って孕ませる。

ゴブリンの母体となったものは精神が侵され、ゴブリンとの行為に幸福を感じ、子に愛情を持つようになる。最後には精神が破壊されるが、ゴブリンたちは構わず孕ませ続ける。

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<ゴブリンメイジ> F(興奮)

突然変異で通常よりは大きな魔力を持ったゴブリン。

生態は通常種に準じる。

魔法を使うが知能は通常種よりはマシ程度。

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<ゴブリンエリート> F(興奮)

ゴブリンの精鋭。

通常種より巧みに武器を扱い、攻撃に魔力を使う小技を覚えた。

知能はメイジにややまさり、小隊規模の指揮をすることもある。

生態は通常種に準じる。

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<ホブゴブリン> E(興奮)

下位の、ゴブリンが進化した魔物。

身体力が向上し、単体でもそこそこの戦闘力を持つに至った。

ゴブリン同様の生態だが、性欲はさらに強い。

小〜中隊規模の指揮をすることがある。

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<ホブゴブリンメイジ> D(興奮)

ゴブリンメイジが進化した魔物。

ごく稀に通常種のゴブリンからも進化する。

ホブゴブリン同様生態は通常種に準じ、性欲は増している。

ごく稀にだが、中位の魔法を使うものもいるので注意が必要。

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<ホブゴブリンエリート> C(興奮)

ホブゴブリンの精鋭。

人間の一般の兵士を超える技量をもち、中隊規模の指揮を執ることがある。

ホブゴブリン同様生態は通常種に準じ、性欲は増している。

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<ゴブリンジェネラル> B(興奮)

ホブゴブリンエリートが経験を積み、一定の強さを超えると進化する。

一個大隊を指揮し、熟練の人間種と同等の技量を持つ。

また知能もそこそこ高く、他種族の雌を前にしても冷静さを失わない。

しかしひとたび行為に移ればホブゴブリンさえ超えた性欲をもって襲いかかる。

『討伐推奨種』。

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<オーク> D(興奮)

豚の頭を持った中級下位の魔物。

雌が存在せず、他種族を攫って孕ませる。

性欲が強く、繁殖に関わらず雌を見ると行為をしようとする。

一方で社会性はゴブリンに次いで高い。

厚い脂肪をもち、衝撃と熱変動に強い。

モンスターとしては、特に女性に嫌われているが、食材としては平民がそこそこの頻度で手を出せる上質な肉として人気。

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<ハイオーク> C(興奮)

オークが進化した中級上位の魔物。

生態は通常種に準じる。

オーク同様モンスターとしては嫌われ者だご、食材としてはオークを超える美味で下級貴族や平民の資産家御用達。

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<オークジェネラル> B(興奮)

ハイオークが経験を積み進化した上級の魔物。

生態はオークに準じるが、ジェネラル種が現れると大規模な村を形成するようになる。

上級貴族に喜ばれる高級食材。

『要討伐種』

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<オーガ> C(興奮)

二本のツノと筋肉質な体が特徴的な中級下位の魔物で、鬼系最上位の種族系統。

その巨体を支え、凄まじいまでの剛力を生み出す筋肉は生半可な武器では傷つけることさえ出来ない。

基本単体行動を好み、群れることはほとんどないが稀に上位種に率いられていることがある。

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<ハイオーガ> B(興奮)

オーガが進化した上級の魔物。

オーガを超える怪力と頑丈さに加え、人間の子供並みの知能をもつ。

オーガ同様単独行動を好むが、稀に上位種に率いられていることがある。

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 Dランク以上の強制依頼だけあって、DやEランクの下位ゴブ種と普通のオークが多いですね。

 どうやら今回のオーガジェネラルはもっと後方にいるようです。

 というか、地味にこれって魔物とのファーストコンタクトなんですよね……。


 …….とりあえず、ハイオークは確保しましょう。なに、あれだけうじゃうじゃいるんです。ジェネラルならともかく、ハイオークの一匹や二匹、バレませんって。


 さて、そろそろ魔法の有効範囲です。


「おい!魔法使いども!派手な魔法使うなら接敵する前に使っとけ! 火魔法なんて使ったら俺がぶっ飛ばしてやるけどな!」


 なにやら物騒な怒鳴り声が聞こえます。

 まあ当然ですね。森ごと燃えます。街の経済に被害が出かねません。


 ではなにを使いましょうか。

 できれば勢いを殺したいですが、生憎私の魔法は点の攻撃ばかりです。

 レーザーで薙ぎ払えなくはないですが、今の位置関係だと他の人を巻き込みます。


 しょうがありません、新魔法作りましょう。


 せっかくなので複数属性を同時に使ってみます。今の<魔力操作>のレベルなら細かいことをしなければいけるはず。


 イメージは火山の噴火。その原理です。

 まず、体内から放出した魔力塊媒介に<水魔導>で水を作ります。

 これを<風魔導>で限界まで圧縮しながら<火魔導>で熱を加えて水蒸気に変換。

 出来上がったものを、<魔力操作>を使って飛ばし、敵の先頭よりやや後方まで運びます。


 そして解放。


(――ドゴォォン!!!!)


 瞬間震える大気、ほんの僅かに遅れて聞こえる爆音。


「「「………………」」」


 ……ええと、はい、やり過ぎました。

 今ので五百は削れたように思えます。


 ハイオーガの何体かは辛うじて生きていますが、既にボロボロ。その他Cランク以下のやつらはただの肉片に成り下がっています。

 あぁ、ハイオークまで……。


 とはいえ、まだまだスタンピードの終わりは見えません。

 後続と生き残ったハイオーガに他の魔法使いが追撃を行います。


「「風よ、見えざる刃となりて敵を切り裂け![風斬≪エアカッター》]!」」

「「水よ、砲弾となりて敵を砕け![水球アクアボール]!」」

「「土よ、槍となりて敵を貫け![土槍クレイランス]!」」


 ……なにあの恥ずかしいやつ。詠唱?

 私詠唱なんかしてないですけど。

 ああ、さっきリオラさんに魔導スキルのこと聞きそびれてました。これは早く聞いておいた方がよさそうですね。スタンピードが収まったら速攻行きましょう。

 ……いや、しかし、詠唱、か。いくら私が【寂しい人】でも……いえ、寂しい人ではありませんが。


「おら! 魔法使いども! そろそろ接敵だ! 味方がいないところにぶち込むかサポートにまわれ!」


 なんて悩んでいたら、もうすぐそばまで来ているようです。

 私も〈母なる塔の剣〉を構えます。

 剣を出した瞬間周りの数人が身構えました。

 まぁ、そうなりますよね。

 彼らもすぐ意識を鬼どもに向けたのでこちらも切り替えます。


「おし、お前ら、行くぞ! 突撃だ!」


 先程から何度も聞こえる怒鳴り声に従って突撃します。

 最初にかなりの数を倒したとはいえまだ敵は大半がC以下。まとめてなぎ払います。


 技術も何もない大振りの一撃。

 しかしそれで鬼どもは纏めて切り裂かれ、直接触れていない低ランクの鬼も吹き飛びます。

 次から次へと来る鬼どもに恐怖はなく、ただひたすらにその武器を振り上げているようです。

 剣の力は使いません。ただひたすら、切って切って切って切りまくる。


 気がつくと私は笑っていました。


「アハハハ! もっとよ! もっと来なさい! その醜い頭を切り飛ばしてあげる!」


 血の匂いが、かつての、川上弘人だった頃の私を呼び覚まします。いえ、それだけではありませんね。戦闘種族でもあった『吸血族』の本能ですか。


 ――足りない。まだまだ切り足りない! あぁ、こんな雑魚どもじゃあ満足できない!


 私は羽を広げ、群の後方へ飛びます。

 本能が強者の固まる位置へと私自身をいざないます。


 鬼の死角、直上からせまり、一太刀。

 着地のついでに羽を形成していた魔力を爆発させ、周りの鬼どもを吹き飛ばします。


 私もダメージをくらいますが、瞬きする間に完治する程度のかすり傷。


 混乱しながらも襲い来る鬼どもをひたすら叩き切ります。


 このあたりになると殆どがエリートやハイ、オーガ以外のジェネラル種も混じっています。


 彼らに囲まれては流石に傷を負いますが、殆どはドレスが衝撃以外無効化します。

 首から上だけ守っていれば問題ありません。



「アハハ! アハハハハ!」


 一時間は切り続けたでしょうか? 興奮しきっているはずなのに、冷静なままでいる一部の思考が考えます。

 そろそろ、使ってみよう、と。


 使い方は、手に取った時理解しました。

 一度周囲の敵を薙ぎ払ってから、私はキーワードを叫びます。


「『全ては私の子。私の愛を受けなさい!』」


 その瞬間、剣は禍々しいオーラを放ちます。極度の興奮状態にある鬼どもでさえ、その異様な気配に一瞬動きを止めてしまうような、そんなオーラです。

 此れ幸いにと剣の届く範囲にいた数体のオークジェネラルの頭を、その脈打つ異形の剣で、切り飛ばします。


「さあ、生まれていらっしゃい」


 私の言葉に反応するかのように動き出した死肉は、集まり、混ざり、()()します。

 ――異形な肉塊の怪物として。


「さあ、私の可愛い子。ご飯にしましょう。周りのお肉を食べない」


 恍惚としたまま、私は命令を下します。

 怪物はまず、すぐ後ろにいたかつての同胞を押しつぶし、喰らいました。続いてその隣の同格だったものを、部下をそして親族兄弟まで、周囲にいた全ての元同胞を喰らいます。

 知能なき異形は、ただ母の言葉通り周りにある肉を喰らいます。

 そして数分後、残ったのは異形と私のみ。


 街の方ではまだ戦いが続いている。そう私の耳と鼻が判断し、加勢に向かおうとした時でした。


「っ!?」


ゾクッと、悪寒が走りました。


(ベキッ、バキッ、ねちゃっ)


 死体を踏み潰す音が聞こえます。そちらをみて――。


(――ドゴンッ!)


 考えるより先に飛び退きました。

 見れば、私が先程までいた場所に大剣を振り下ろした巨大な影。



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<オーガジェネラル> A(興奮)

ハイオーガが経験を積み進化した災害級の魔物。

ハイオーガを超える怪力、頑丈さ、知能をもち、自然治癒力に優れる。

ある程度の技量を持つようになり、下位種の指揮能力を持つ。

ごく稀にだが、他の鬼系下位種族の指揮能力を持つものもいるが、社会性は低い。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 来ましたね。

 力は向こうが上、スピードは私、ですかね。大剣術スキルは私の方が上だと思いたいですが……。


 思考は一瞬。その短い間の出来事でした。


 私がその鬼を確認した直後、異形の肉塊がその鬼に襲いかかります。


 それを、たった一振りです。

 多少切り飛ばされたくらいならすぐに再生するはずのそれは、ただでさえ強い力に魔力を纏わせたその一振りで、跡形もなく、吹き飛びました。


 冷や汗を流しつつ、自分のステータスを確認します。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ステータス>

名前:アルジュエロ /F

種族:吸血族(人族)

年齢:18

スキル:

《身体スキル》

鑑定眼 言語適正 (魔力視) (神聖属性適性)→光属性適性 吸血lv5 高速再生lv5 大剣術lv5 淫乱lv4 威圧lv3 魅了lv2 隠密lv1

《魔法スキル》

ストレージ 創翼lv6 飛行lv4 魔力操作lv7 火魔導lv4 水魔導lv6 土魔導lv4 風魔導lv6 光魔導lv5 闇魔導lv5 隠蔽lv MAX


称号:(転生者) 吸血族の真祖 (12/10^16の奇跡) 強き魂 (魔性の女) (副王の加護) 寂しい人 うっかり屋


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 成長が早いです。いくつか『声』は聞き逃していたようで、スキルも増えています。考察するのは後にしましょう。

 問題は、あの化け物と戦って、私が勝てるか。生き残れるかということ。


 戦場にはAランク以上の人もいるはず。安全を優先するなら飛行で離脱すべきです。

 ……でも、最悪でも逃げられるんですよね。


「『挑戦は人を成長させる』、でしたか。そうですね、挑戦、しましょうかね。」


 私は、あの鬼がやったように、全身に魔力を纏います。


 そして、剣を構えました。



強敵を前に戦闘を躊躇してるうちは戦闘狂ではなないですよね?


次週も閑話とあわせて2話いきますね。

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