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2話---魔物の共存

「え……?」



シルがみた世界はあまりにも変わり果ててしまっていた。

世界は闇に包まれるように、赤く染まるように魔物が溢れていた。



-----



「時間的には朝のはずなの、でも日差しが弱くて…」

「天空の塔が……」


「天空の塔」の真ん中当たりに赤黒いオーラのようなものが出ていた。ツリーハウスの周りにも見たことのない生物や魔物がいた。


「ここに居ても長くはもたないな」

「そうね、移動しなきゃだね」

「リデアは戦える「属性」持ってない………か」

「う、うん。薬草に触れてるから多分治癒系の属性かな!」


リデアは俺が守らなくちゃいけないんだな。にしてもどこへ移動しよう、これからどうするか。


「この世界を元に戻すためにも「天空の塔」へ行かなきゃなにもわからないな。あの塔が爆発して今もなにか変だからな」

「あと他に生存者がいるかとか「属性」が他の人にもあるかが気になるね」

「俺らの村はもう燃えてしまったから、町へ行ってみよう」

「少し心は苦しいけど今は前を向かなきゃね!」


ツリーハウスの一階へ降りて外へ出ると魔物がいたが危害を加えて来ないやつもいるみたいだ。


「みてみて!この子かわいい!」


リデアは近くにいた小さい魔物に手で触れた。


「ガウウウウッ!」

「きゃあ!!」



小さい魔物は威嚇したのか、牙をもった大きな口を開いた


「こ、このこ見た目によらず口おっきいし怖い……」

「気を付けてろよ?リデアはいつもそうなんだからさ」

「はぁーい」


あまり強そうには見えない魔物だったが注意が必要みたいだ。そうして林の道を抜けて町へ着くと人の姿があった。


「よかった!まだ生きている人がいるみたい!」

「まずは話を聞いてみようか」

「すいません!大丈夫ですか?」


町にいたその人は怯えるようにして体を小さくしていた


「塔が壊れて中から……バ、バケモノがいっぱい出て来てみんな…………うわああああ!!」

「ちょっと!大丈夫ですか!?」

「まぁ、こんなんになったら当たり前だよ、俺たちが冷静過ぎるんだ、しかも一晩寝れてる俺たちは奇跡だよ」

「ま、町の人たちの中に鎖のような鉄を振り回している人がいたんだ………今はどこにいるかわからないけどその人が町にいたバケモノを全部倒してくれたんだ」

「鎖………鉄か?」


断定は出来ないが同じ「属性」の力を持つ人がいるみたいだ。この町(フェーンズ町)にいないとなると隣の都市の「イリシュール」か「バロック鉱山」の方になる。「イリシュール」からは聖都や王都へ続く道がある。


「おーーい!誰かいるかあ!」

「あ!クレヴィさん!」


リデアがそう言って走っていった。クレヴィさんはバロック鉱山で鉱石や宝石を掘っている20歳の女性採掘家だ。ちなみに俺らは18歳だから年上なのだ。でも、どうやらバロック鉱山へ行く手間が無くなったようだ。


「いきなり揺れて大きな音がするもんだから何かと思ったよ!まさかこんなんになってるなんてなぁ、アタイの家もボロくなっていやがったよ!」

「クレヴィさん以外にバロック鉱山には人はいませんでしたか?」

「アタイ以外に?みてないねぇ」

「じゃあイリシュールへ行きましょう!」


リデアはそう言うとシルたちの手を引っ張った


「焦らなくても逃げないよ」

「でも早く元の世界に戻さなきゃ!」

「それじゃーアタイもいくよ!」


シルとリデア、クレヴィさんを加えて3人で隣町のイリシュールに向かうことにした。イリシュールについたころにはもう夕方になっていた。


「ここもひどく壊れたものだねぇ。でもさすがに夜になれば魔物が増えるからどこかの家に入っておきたいねぇ」

「そうなんですか、俺らは寝ていたんでわかりませんでした」

「あんたら寝てたのかい!よく襲われなかったねぇ!」


クレヴィさんが驚くのも無理はない。しかし、シルたちが生きてられたのはツリーハウスは聖なる加護が少しだけだが機能していたおかげなのかもしれない。それを知ってたリデアがシルを運んでくれたのだ。


「とりあえず宿屋があるのでここにしましょう!」


リデアはそう言うと宿屋へ入っていった。宿屋には人が少なく、主人もいた。


「ご主人~部屋空いてる?」

「あぁ、少し壊れとるがあるよ。でも一つしかないからみんなで泊まることになるが……」

「あぁ!構わないよ!」


クレヴィさんはそう言うと部屋の鍵を宿屋の主人から取り


「アタイは先にシャワーをかりるよ!」

「え、ちょ、えええーーー!」

「まぁーいいじゃんいいじゃん!同じ部屋でも!ね?シル?」

「リデアはいつも気楽だな……」


俺も疲れていたので部屋へ向かった。部屋の所々が少し崩れていたが悪くはない。シャワーが出ている音がするので水道管は繋がっているようだ。


「クレヴィさ~ん!私も入るよ~?」

「あ!構わないよ?シルも来るのかい?」

「だってさ~シル入る?」

「入らんわ!」


クレヴィさんとリデアがシャワーを浴びている間、シルは昨日の属性のことについて考えていた。


それはシルの属性が「火」と「水」、、、相殺し合ってしまう属性なのに融合したことについてだ………







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