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異世界で、エース達と我が道を。  作者: RedHawk8492
第5章 タスクフォース8492
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2話 掲げる名前

ホークの協議に憑き物、小難しい話です。

【視点:3人称】

様々な疑問が飛び交うものの特に問題になりそうなことは少なく、それらの点も解決策が出されていた。

一段落かと軽く胸をなでおろすも、実行前に色々と決めたくなる自称悪い癖を持つ彼の脳裏に、新たな疑問点が浮かんでしまうのであった。



「あ、そうだマールとリール。さっき言ってたパーティーって、何人ぐらいまでが普通なの?今のところ25人程になりそうなんだけれど、多いかな。」

「30人程度のパーティーも認知度は低くないので、人数は問題ないと思います。ですが人数が多いほど、パーティー名を決定するのに悩むことになるのが大半ですので、事前に決めてしまった方が良いでしょう。」

「パーティー名か……。」



忘れたころにやって来る、命名という名の彼にとっては険しい峠。どうせなら自分達っぽくしたいなと考えていたホークは、安牌の名前を口にしようとした。



「総帥、男くさいI.S.A.F.の男連中に美女4人と美青年です。わかりやすく「美女を囲む野獣達」でどうでしょう。」

「美女が多く、マスクで顔を隠しているお前らが漢くさい野獣であることは事実だが却下する。容姿に関しては各々の結果論であり戦闘能力には関係の無いことだ。I.S.A.F.8492における衛生面は、支障をきたさなければ上下方向に問うことはない。そもそもだが、その名前は公衆で名乗りたくねぇよ……。」

「ネタとして言うにしても捻った名前にしろ、ディムース。」

「デスヨネー大尉、あんまりいいのが思い浮かばなかった。却下とのことですが、総帥は何かお考えが?」



流れるように女性一行を美女認定したホークの発言で、女性陣のテンションがやや向上。言葉と言うのは、良くも悪くも武器になる代物だ。全員がホークを慕っているだけに、効果も尚更である。

しかしホークからすれば事実を言っているだけなので、特別なことを言っている感覚は無い。そしてディムースに言われるまま、想定していた部隊名を口にした。



「タスクフォース、8492。ありきたりかもしれないが、これでどうだろう。」

「タスク、フォース……?」



何それと言いたそうにしているのは、部隊への関わりが少ないマールとリールだ。狐族は奴隷収容所から救出して以降、第二拠点で暮らしている。000は基本的に陸軍本部に引きこもっており、住民区画において出会う機会はなく、そのため、タスクフォースとは初めて聞く言葉である。

この言葉の意味としては「任務(タスク)のために編成される機動部隊(フォース)」と日本語訳されるのが一般的、つまり特殊部隊の一種である。元々はアメリカ海軍において誕生した軍事用語なのだが、最近はビジネスにおいても登場している言葉となっている。


ホークがタスクフォースという言葉を使った理由として、今回のパーティーは陸上部隊のみの構成である点が大きい。とは言ってもMAV(小型ドローン)やUAVを使う上にタスクフォースの言葉自体に陸軍を指定する意味合いは無いのだが、今回のチームは全員が地上活動を行うので、1つの部隊として統一感があるからだ。



「そういえば総帥。今更ですが、アイサフの説明はしたのですか?」

「あっ。」



ふとマクミランが投げた問いだが、珍しくホークが、しまったと言いたげな表情をしている。ハクを含めた異世界人の全員が頷いており、是非とも説明してくださいと言わんばかりの雰囲気を作っていた。

額に手を追いながら思い返すホークだが、記憶を辿っても誰にも説明したことがない。彼は「忘れていた」と謝罪を入れ、表情を戻して解説を開始した。



「ちょっと聞いたことのない言葉を使うけど、ISAF(アイサフ)って略称には2つの意味がある。1つが国際治安支援部隊、 International Security Assistance Forceの頭文字を取った略称で、略称を発言すると「アイサフ」なんだ。簡潔に言うと、治安を維持するために国に捉われず武力介入する組織を指す言葉だね。」

「発音から察するに英語でしょうか、フォースだけは聞き取れました。」

「そうそう、英語だね。」



ISAFは、現実世界にも存在している国際治安支援部隊の略称だ。2001年に設立された部隊であり、発生後は欧州連合軍の指揮下にあり、最終的にはアフガニスタン政府が権限を持っている軍隊だ。

良い言葉を使えば国際治安支援部隊。悪い言葉で表現するなら「他人の家の喧嘩に土足で上がり込んで自分のルールを押し付ける野郎」というのがホークの持論である。



「総帥様、話についていけず申し訳ないのですが……そのアイサフとは、どの国家でも使用することができる軍隊ということでしょうか?」

「例えばISAFの戦闘が許可されている地域の1つで暴動が起きたとして……鎮圧力が足りない時、ISAFが出動する感じかな。」

「なるほど、臨時戦力というわけですか。」



リュックが出した質問に回答したホークだが、どうやら分かりやすく伝わったようだ。厳密に言うと軍事力が足りていないアフガニスタンを救済するために設立された部隊がISAFなので違うところもあるけれど、大筋としては似たようなものだろう。



「そして皆気にしているであろう8492とは……公式に存在しない、部隊番号のことを示している。」

「公式に存在しない……ではマスター。アイサフ8492とは、世界規模の情報上に存在しない軍隊なのですか?」

「うん、その通り。国際治安部隊を目指していなかったってこともあって、自分たちI.S.A.F.8492は存在は知られているけれど、公式機関としては存在していないんだ。」



彼女が呟いた一言で、全員の目が丸くなる。どうやら全く逆の意味に捉えていたのか、ホークの説明に対し、心底驚いている表情だ。



「確かに、さっき説明した国際治安部隊の正規軍隊は存在する。だけどその集団は、自分たちとは全く異なる軍隊なんだ。」

「実力的な意味でも、ですね。」

「こらディムース、チャチャ入れない。」

「ははっ、すいません。」



重くなってきた空気を嫌ったのか、ディムースが軽口を入れてきた。実力では比較にならないほど弱いと分かりやすい軽口だったので、全員の表情が少し緩む。ホークはこの手の話をすると重い方向に持って行ってしまうので、彼にとってはありがたいサポートだ。

AoAにおいては確かにISAFを名乗る集団も居たが、現実世界と同じく、世界の役に立っているのか不明な程度の集団というのがプレイヤー共通の評価である。そのため某掲示板では、「I=いつも S=凄まじく A=ありえないほど F=不要 な軍隊」なんて二つ名で呼ばれていた程だ。なんとも気の毒な話である。



「国をまたいで活動するISAFだろうと、部隊である以上は最上級指揮官がは必ず存在する。そしてその指揮官は、どこかの国で生まれた人物だ。これだけ言えば、ハクなら分かると思う。」

「……最上位指揮官が属する国に対して、甘くなるということでしょうか。」

「その通り。しかしISAFを名乗る以上、絶対に公平な組織でならなければならないのは明白だ。ここ、かなり疑問が生まれる事項だと思わない?」

「仰る通りですマスター。頂点が国に属する国民である以上、平等と言うのは不可能と考えます。」



ホークの意見とハクの答えに対し、「確かにそうだな」と、リュックやリーシャも頷いている。マクミランやディムースも、静かに一度頷いていた。

その手の創作物でよく出てくる、軍事力に関する矛盾点である。アメリカが愛国主義を掲げながらも、アメリカに攻撃可能な武器弾薬を輸出しているようなものだ。



「その通り、そこでISAFが持つもう1つの意味が出てくる。Independent States Allied Forces、独立国家連合軍という意味だ。I.S.A.F.8492の意味はこちらであり、この大義名分を掲げる時のみ、戦争を行うと決まっている。」



ちなみにホーク達はI.S.A.F.とピリオドを使う名称が正式だが、省略してISAFと表記しても、カタカナのアイサフ表記でも問題ない。



「独立国家となると自分達以外にどこか国があるということになるけど、そういうわけじゃない。自分達一人一人、国家のような独立態に定義しているだけだ。」

「お一人お一人を、国家として、ですか……?」

「いやまぁ、最初に居た一人一人が国家軍隊並みの戦力を持ってたってのが理由の1つなんだけどね。8492がここまで大きくなっちゃって、意味合いが薄れちゃってるのは事実かな。」



その後ホークは、軽く説明を続行した。本来の意味が薄れてきたことと大陸での活動は各国の平和度合いを少し上げるという事で、「両方のISAFの意味を適応する」というのが、現在のI.S.A.F.8492のモットーとなっている。

とはいえ、この世界の住人からすれば小難しい話以外の何者でもない。リスナーの眉間に若干のシワが見え始めたところで、ホークは話を切り上げた。



「ま、そのへんの小難しいことを考えるのは自分や大元帥の役目だよ。今回の作戦では、自分たちはただの冒険者だ、気にすることは無い。それよりも全員、折角の旅路だ、楽しんでいくぞ!」



タスクフォース8492の兵士はオーッス、その他はハイッとの掛け声で、全員が和やかに気合を入れた。彼等はこれから、タスクフォース8492のパーティー冒険者として活動を始めていくことになる。


「膳は急げ」と声を上げる戦いたいだけの戦闘狂集団の言葉を受け、ホークは明日の出発と決定した。

しかし明日は、1つだけ佐渡島(仮名)で用事が入っている。用事が済み次第出発、夕方ごろの到着ということで、陸軍の輸送部隊と話を付けていた。


その後ホーク達一行は久々に佐渡島(仮名)へ飛び、軽く埃がたまっていた部屋を掃除したのちに一夜を過ごすこととなる。


そして場所は、第一拠点空軍施設にある食堂。朝食タイムと呼べる時刻は過ぎており、時計の短針は10の値を過ぎたころだ。

この島にやってきたタスクフォース8492だが、食事のために訪れたわけではない。今から行われる、お披露目飛行のイベントに参加するためだ。

ISAFの略称ですが、現実世界では「International Security Assistance Force」(国際治安支援部隊)、エスコンシリーズでは「Independent States Allied Forces」(独立国家連合軍)となっており、意味が異なります。

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