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異世界で、エース達と我が道を。  作者: RedHawk8492
第4章 おいでよ!第二拠点の森
83/205

17話 Assassin1/2

長くなったので2話に分割しました。

【視点:ホーク】

―――前線に出るのは久しぶりだ。緊張で全うな思考ができないかと思ったけれど、冷静で落ち着けていると思う。

さぁ、失敗は許されない。偵察と行動指令を頼んだぞ、ビッグアイ。



《こちらフォード1-CIC、了解しました総帥。予定通り、ポイント・チャーリーに向かってください。誘導をビッグアイ1に引き継ぎます、御武運を。》



ここからは偵察支援があれど、完全に一人での行動だ。ハクとヴォルグは引き返してリュック、リーシャ組と合流し、撤退をアシストすることになる。右手と左手に武器を構え、仲間と別れる。自分の武器は右手にP320サプレッサー、そして左手には陸軍標準装備のタクティカルナイフだ。

隠密任務のため、このような装備になっている。脳幹を打ち抜く正確なエイムと、見つからない立ち回りが求められるだろう。ハンドガンの射程範囲ならば、自分にだってできるはず。自宅に篭っていつつも、伊達に射撃訓練やハクとの近接戦闘訓練を行っているわけではない。


ステルスを助けるように、お誂え向きに天気は雷雨に変化し荒れてきている。理由は不明だが恐ろしい程に消音効果を発揮するAoAのサプレッサー付きP320、しかも.45APC弾の発砲音なら、至近距離に居なければ気が付かないだろう。回収用ヘリも、発見される可能性が低くなる。ナイトビジョン装備もあるし、フィールドの条件は、こちらが有利だ。


人質回収後の輸送部隊であるフォーカス隊を載せた第一機動艦隊は、海上で待機している。どうやらあと十数分で、制空飛行隊も艦隊上空に到着するらしい。自分の指令だけど、そこで待機してもらえば発見されることもない。


一方の自分は、歩兵というかアサシンのような立ち位置になるかもしれない。木々の間を抜けてしばらく前進すると、木造の要塞ようなエリアが見えてきた。門や武装した見張りは厳重であり、正面突破は不可能だろう。

この街は、一個集団程度が築けるレベルの要塞ではない。大掛かりな、組織的な犯行であることが伺える。恐らく中にも、大勢の敵兵士が居るだろう。下手をすれば、ドラゴンの類も居るかもしれない。そうなった場合は、問答無用でプランBだ。



《ビッグアイ1より総帥。予定地点チャーリー到達を確認、状況報告を開始します。現在の作戦区域の状況ですが、見張り要因の時間交代が終了しております。次の交代までは時間がかかるでしょう、好都合です。》

《了解、人質の状況は?》

《MAPにポイントA、Bをセットしました、男女で二手に分かれて収容されております。ポイントBに収容された女性22名の詳細状況が不明のため、ポイントAからの突入を提案します。こちらは20名の男性が収容されております。》

《了解、ポイントAから頼んだ。》

《了解しました。歩兵スキャンの結果より、拉致されているのはポイントA及びBの2グループだけのようです。解析中ですがポイントAの反応が多いです、気を付けてください。》

《こちらマクミラン、スナイパー各位が配置に付いた。ポイントA・B付近を重点的にカバー可能だ、必要ならば呼んでください。》

《了解、頼りにしている。》



設定地点を通過したタイミングで、毎度お世話になっているビッグアイから状況報告が飛んでくる。報告により、木製の塀にグラップリングフックを引っ掛けて侵入する方法を選択した。見た目通り木の柵は強度も十分で、フックが外れる様子もない。

侵入は無事に終わり、P320とタクティカルナイフを取り出す。いよいよもって、スニーキングミッションの幕開けだ。


……と意気込んだのだが、ビッグアイのお陰で難易度は温い。初めて彼の支援を受けたが、本当に凄いと思った。受けた報告をイメージすると、脳内で敵の居る場所・向いている方角が手に取るように把握できる。お世辞抜きで、完璧すぎる先導だ。

とはいえ、流石にどうにもならない場所もある。目の前で屯している二名の兵士は明らかに邪魔であり、排除しなければ進むことができない。他ルートを選択しても同様のことが発生するので、最も目に付きにくい、このルートが王道だろう。


彼らの後ろに鉄板らしきものがあったので、目に付きにくい付け根をP320で打ち込むことにした。サプレッサー付きで距離もあるため貫通は不可能だろうけど、陽動が目的なので問題ない。

付け根を打つとカンッという音が響き、予想通り二人の兵士がそちらに移動を開始した。その隙にできた死角を使い、再び街の中を進んでいこう。


その後は特に何も無く、目標Aへと到着した。とは言っても、これがから本番だ。



《こちらホーク、目標Aに到達。テラスが狙い目と見るが、どうだろうか。》

《流石です総帥、テラス周辺には警備が居りません。》



よし、それならテラスを狙ってみよう。グラップリングフックをひっかけてクライミングし、テラスによじ登って周囲を伺う。石造りの建物に備え付けられた木のテラスだけあって少しは音が鳴ってしまうが、かなり静かに着地できた。音に関しては、完全に雨音に消されているだろう。

侵入予定のドアも木製のためにギイッと音が鳴ってしまうのだが、雨音があるので大丈夫だろう。その点に関しても熱源サーチの索敵支援があり、廊下に誰も居ないことは把握済みである。多少は響くだろうが、問題ない。


鍵がかかっていることが予想されたためピッキング工具を用意したのだが、待ち構えていたのはかんぬきだった。携帯用のレーザーカッターを用いて、扉の間から横木をカット。AoAらしい近未来装備だが音もなくカットできる、これで侵入可能だ。


雨に濡れたコートのまま侵入すると床の濡れ具合で気づかれてしまうが、コートが皮製であったことと撥水加工を施していたため、軽くはらって屋内へと侵入した。蝋燭程度の明かりであり、お世辞にも明るいということもない。発見率は低いだろう。

侵入した建物の中は、廊下だけではなく全体が薄暗く、装飾に関しても家と言うには程遠い。幅広の廊下が続く、学校の大廊下のような雰囲気だ。扉がいくつかあるが、どれも閉じ込めておくというには豪華すぎる。セオリー通りで行くと、目標は地下か。



《ビッグアイ、地下への誘導を頼めるか。》

《了解しました。その角を左に曲がると階段があり一階に下れますが、兵士の視線にご注意ください。》



「おい、一人ぐらい手ぇ出してもいいんじゃねぇか?地下だし声も聞こえねぇだろ。」

「女は商品だろ?朝日が見たいなら、辞めておけ。」

「けーっ。」



廊下を進んでいくと、哨戒兵らしき二人組が雑談をしながら過ぎていく。こちらには、まったくもって気づいていない。どうやら「商品」には手を出さないクチのようだ。拉致されたハイエルフには女性も居るとのことで心配だったが、憂いが1つ解消された。



……ん?ちょっと待て、今の会話はおかしくないか?

今自分が居るのはポイントAだ、男エルフしか居なかったんじゃないのか?それとも、ポイントBの監禁場所も地下なのだろうか。


あのビッグアイが報告を間違えるとは思えない。事前の報告では「ポイントAの反応が多い」と言っていたし、もしかしたら更なる監禁者が居るのかもしれない。これほどの大規模の施設では、あっても不思議ではない話だ。



ともかく現地を確認しよう。ビッグアイの誘導の元、哨戒網を抜けていく。脱出となると先ほどの二人は殺す必要があるが、まずは目標の捜索が優先だ。

無駄に広い建物を巡り、数分経過。予想通り、地下に独房に通じるようなエリアがあった。



《ホークよりフォード1-CIC、館周辺の歩兵スキャンを要請。アンノウンも含め、全てだ。》

《了解、UAVによる偵察スキャンを実行します。》



手持ちの液晶端末に表示されたこの館付近のMAP上に、細長い二等辺三角マークが複数表示される。これは偵察衛星及び高高度UAVによる地上スキャニングで索敵された、敵歩兵の位置。細長い角の頂点は、敵が向いている方向を示している。普段ならば使わないが、夜であることと悪天候とのため、ジェットエンジン音も連中には聞こえないだろう。

マップを拡大縮小し、突入のタイミングに適しているかどうかを確認する。自分が今いる周囲には、独房らしき位置以外に歩兵は配置されていない。外側を厳重に固めており、哨戒ルートも外側を警戒するよう設定されていた。


そして独房らしきところには、やはり20人以上の反応がある。しかし敵ではないようだ、人質の可能性が非常に高い。

敵の配置からするに、こちらから攻撃を仕掛けるタイミングとしては悪くない。重圧な扉の前には、4人の兵士。サプレッサーつきのP320を構え、外で雷が鳴るタイミングを計る。


その瞬間、トリガーを引いた。パスッという何とも気の抜けた音と共に.45ACP弾が射出され、ヘッドショット。屋内だからと気を抜いてヘルメット未着用だったことが、連中の敗因だ。倒れるときに音がしてしまうが、雷鳴の余韻がかき消してくれる。


雷鳴の余韻と共に残るは、不安の言葉が混じった微かな話声。ドア越しとはいえ、防音材のない木製ドアなので、微かに聞き取れる。

その言葉を聞き流しつつ兵士たちのポケットを漁ると、数枚のお金らしきコインと1つの鍵束を発見。それを使い、独房のドアを開いた。


ビッグアイのSR71ですが、CODやBFの偵察機仕様のため、屋内も判別可能というある意味チートっぷりを発揮しております。


ホークが使っていたグラップリングフックは、BFハードラインに実装されております。昔のBFHLは人口も多く……いや、別に何も。

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