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異世界で、エース達と我が道を。  作者: RedHawk8492
第4章 おいでよ!第二拠点の森
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7話 Welcome to ようこそ…セントラルパーク?

三大欲求の歴史は繰り返す…!

【視点:ホーク】

帰港中に出会った襲撃はソレぐらいで、日が暮れてから残りの時間は無事に終了。リヴァイアサンとエンシェントは途中の海域で離脱しており、現在は艦隊だけの航行だ。


予定外のハイエルフ合流があったこともあり、2日後の朝10時ごろ、自分達も第二拠点の港へと帰港した。

帰るまでが遠足とはよく言うけど、帰ってからの後片付けも忙しいのよね。さ、ハイエルフ達がおくる、第二拠点での生活の幕開けだ。



「え、寝すぎたって?」

「は、はい。恥ずかしながら、全員が……。」



ハイエルフ一行が朝飯に来る時間が遅いと思ったら、どうやら全員が熟睡していたらしい。三大欲求と名づけられるほどの睡眠欲だが、こっちの世界でも猛威を振るっているんだね。

そこかしこで照れながら会話をする姿が見受けられるけど、普段、どれだけ無理をした環境で寝ているのかと、逆に心配になった。ハイエルフの居住区に備え付けられている寝具はコレ以上だし、予定されている住居通りならば、快適さも上回る。存分に堪能してほしい。



「そういや最初は、ハクも盛大に寝過ごしてたな。」

「さ、最初だけです!!」



あ、いかん。懐かしいなと脳内を横切って口に出ちゃったけど、黙ってた方がよかったな。

ポカポカ叩くのやめてください、そろそろ下船です。指示出すよ~。



《よーし、順次荷物おろせー。陸上輸送隊、隊列組んだら報告だ。》

「「「アイ・サー!」」」



接岸した輸送艦から荷物が降ろされ、輸送用のトラックに積まれてゆく。トラックと言っても一般道路を走っているようなものではなく、背が低く長いダンプカーの荷台にパイプフレームが組まれているような車両だ。ある程度の悪路にも対応している。

そうしているうちに、兵士輸送用のピックアップトラック型L-ATVの車列も到着。自分が使っているのと同じ型の車両で、荷台には兵士輸送用の座席がついている。オリジナルは4人しか乗れないので、この型の需要も大きいのよね。従来型のハンヴィーと比較して軽いことと、最近流行りの戦略データシステムを搭載している点がウリなのです。


とはいえ、攻撃用の兵装は積んでいない。念のためM153 CROWS II RWSとM2重機関銃を積んだオリジナル型のL-ATV数両が護衛に付き、コンボイとして、ハイエルフの居住区まで行動することとなった。

ハイエルフ一同は整列して点呼を受け、こちらも問題なし。荷積みも順調に手際よく行われ、積み込み完了の報告を受けたので、一度皆に集まってもらった。



「さて、これから移住先へ移動する。ディムース。第一歩兵師団に依頼していた居住区の整備に関して、報告頼む。」

「ハッ。全ての作業は滞りなく終了しております。ハリキって、セントラルパーク並みの代物にしてみました!名前をそのまま採用しても通用する程です。」

「位置しているのは右上だ、ならばアッパーライトパークじゃないか?」

「そうでしょうけど、長いし読みづらいですよ大尉。」

「だからってセントラルはやめておけ。オリジナルは、中州の中央に作ったが故の名称だ。」



ともかく位置的にセントラルはおかしいだろと、珍しくツッコミを入れる森の化身、なおギリースーツ。名前なんてあとから決めれば良いと思うのだが、どうやら今決めたいらしい。拘りがあるのかな。

にしても、ウダウダ言ってると日が暮れそうだ。とりあえず、この討論は制裁しておこう。



「スナイパーコンビ、だったら名称を募集すれば良いんじゃない?佐渡島(仮名)にしろ第二拠点にしろ名称が適当だからちゃんとした名前付けたいし、催しにもなって丁度良いと思うけど。」

「おっ。総帥、それ頂きです。ってことです大尉、宜しいでしょうか。」

「無論だディムース。俺達がいくら論を練ろうが、最終的な決定は総帥のご判断だ。ソレに対する異論は一切無い。」

「やっぱり決めるの自分なのね。ま、とりあえず今は移動するよー。」



勢いで承諾したけど、名前決めるの苦手なんだよなぁ……。ま、総帥の仕事ってことで、頑張ります。

乗り込めー!なんてハイテンションで乗車する小隊一行だが、ハイエルフ一同は乗り込んで大丈夫なのかとオドオドとしている。しっかりフォローしてあげなさい、それも仕事だ。


子供の数名を宥めるのに数分かかってしまったが、とりあえず全員L-ATVに乗車完了。

エンジンがかかり、車列は北東の区画へと進んでいく。やがて、公園らしきエリアが見えてきた。


おお、芝生エリアと立ち木が並ぶイイ感じの人工的な公園……の先の木々、深すぎ……?

なんか、公園っていうより林と森の中間レベルなんですけど。奥に至っては森じゃないか?これ、一体どこまで続いてるんだ。先が見えんぞ。



「ま、マスター、これは……。」

「ディムース。……お前等、何をやったんだ?」

「総帥、この航空写真を見てください、コイツをどう思います?」

「すごく……大きいですじゃねぇよ、デカすぎだろ。」

「イテッ。」

「主様、森ですよ、これ……。いや流石です。よくぞ、この水準まで再現しましたね。」



相変わらずネタに走る青年のヘルメットに軽くチョップを入れ、改めて航空写真を眺めてみる。公園の区画としては第二拠点全体の8分の1程もの大きさであり、右上一体のエリア東西2km*南北3km四方を占領している。その南にある居住区の南北は800mしかなく、比率的にも公園が優先されてしまっている。なんでさ。

その公園にしても、右下こそ芝生エリアや噴水があり、木々の多い公園と言った印象だが、右上に行くに連れて森と化している。これじゃ、オリジナルのセントラルパークよりデカイじゃないか。


そのなかにポッカリと口をあけたエリアがあるのだが、家らしきものも見えるし、ここが居住区だろう。ものの見事に伐採してあり、ここだけ、ものすごーく人工的な印象となっている。北の防壁設置も終わったようで防壁が敷いてあり、木を上って侵入できないよう、その外側は幅200mにわたって、これまた綺麗に整地してある。

実際の作業風景の記録写真も出てきたのだが、それを見るに、もはや職人の域に達している。どこかの国の自衛隊も、暇を持て余すと専門外のことを全力でやっていたが、それと似たようなものなのかな……。


百聞は一見にしかずということで、とりあえず公園の奥へと車列を進める。林道だがL-ATVが通れるぐらいに広く整備されており、安全性も確保されていた。徒歩だと時間がかかる上に物資の輸送もあるので、今は車列で移動している。

ディムースが運転する車両についていくと、開けたエリアと家の数々が見えてくる。全員が車から降りて、新しい家をマジマジと見つめていた。



「最初は3階建ての集合住宅って案が出てたんだけど、予定していた公園の雰囲気だと味気ないということで……自然に溶け込むログハウスっていう建物にしてみた。公園の規模が予想外なのと、建築物も街灯含めて装飾まで凝ってるけど、たぶんこいつらの暇潰しだから気にしないように。」



ヘヘッと鼻の下をかく暇人一行だが、これ普通の家だからな?今後拡張する時もやるんだろうか、結構大変だぞ。


ともかく、公園端の住宅エリアに建てるのにマンションでは味気ない、という名目で暇潰しを探していた連中が建てたものが目前に並ぶ平屋のログハウスだ。木材は第二拠点拡張時に伐採したものを使っており、基礎以外が地元の木で構成されている。

独身用は8帖一間、世帯用は6帖2~3部屋、どちらもトイレ付。事前に兄妹と相談していたが、風呂とキッチンは別の場所で共用だ。これも隠れ里の環境と同じだけれど、軒下繋がりで行けるから、そこまで不便では無いだろう。


見た目はログハウスだけど断熱材も完備だし、窓だって二重窓。冬の寒さ対策で、簡易的な床暖房も装備されている。決して暖かいとは言えないが、そこまで寒くないと感じる程度の性能だ。

扇風機はあるけれど、クーラー病を警戒して、一応今のところは未装着である。もし必要なら装着するけど、今まで不要だったんだし、扇風機で十分かもね。



そんな部屋の数々を紹介する度、毎度の如く駆け回る子供一同と目を輝かせる女性一同。このあたりは人間と変わらないのだなと、思わず苦笑してしまう。どうせ効かないけど、魔法などで勝手に改造されても困るし危険なので、絶対に手を加えないことを使用条件とした。

最後にリガル一同が「これほどのモノを」と土下座してきたが、こっちからしたら端材処理+隊員の暇潰しが元で生まれたものであり、何とも言えない背徳感が生まれてしまう。ま、役立ってるなら別にいいか……。


さて、決めておきたいことがもう1つ。



「えーっと、今居る居住区角が拠点の東側で、小麦とかの畑を作るなら西門を超えたところなんだけど……ちょっと遠いんだよね。でも安全のためだから、そこは理解して欲しい。」

「とんでもございません、全く問題の無い距離です。」

「わかった。じゃぁリガル、部屋割りは任せるよ。」

「承知しました。ところで、道の途中にお店のようなものがありましたが、我々も利用できるのでしょうか?」

「あ、そうそう。明日話そうかと思ってたんだけど、皆居るし今の方が良いか。」



簡単に話したのは、畑でできたモノは8492が買い取れるということと、結界維持の労働には対価が出るということ。その他の行為が労働となるかどうか、こっちで判断するという以上の3つだ。

その他に関する例を求められたが、例えば魔物の生態に関する講義などだ。こればかりは知識がモノを言うので、長寿であるハイエルフには適任だと思う。そして働いた者に対価を払うのは当然であり、8492の施設で使われるのだから、こっちとしてもノーダメージだ。こっちの世界の金にするか、8492の通貨にするか、選択式にすれば良いだろう。


同様に、深淵の森にハンティングに行く、なんて行為も良いかもしれない。実践訓練にもなるしヴォルグ一家も同行でき、食材になるなら調理班も喜ぶだろう。これ良いな、自分も結構興味あるぞ。

話しついでなのでハイエルフ側に確認してみたら、OKとのこと。働かなければ死ぬような環境で育った影響か、子供でもナマケる気は無いようだ。良い事です。



部屋割りはすぐに終わったようで、先ほど話のあった結界維持チームを結成する。合計10人が担当で、リガルも居たので、この部隊のリーダーにしてしまおう。

結界なんぞ知識のあるやつは8492には居ないので、ヴォルグの出番だ。と思ったら奥さんのハクレンが担当らしい、引率宜しくね。


残りの大半が酪農班で、40人ほどのメンバーとなる。時期的にやや遅いが、物は試しと言うことで小麦の種を植えることになった。

と言っても、肝心の土壌が全くの手付かず……と思ったら暇を持て余した連中が文明の武器を総動員して2日で作るそうです、頑張ってください。



畑の位置やサイズを決定するため、自分達は彼らを引き連れ、西門の外へと出た。

サバイバルゲームで整地を頑張る人、居ますよね。

自分は建築派です!

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