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異世界で、エース達と我が道を。  作者: RedHawk8492
第3章 軍の主
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鳥さんどこですか

【視点:3人称】

エスパーダが、西の帝国皇帝「エラルド」に鳥の報告を行ってから1週間が経過した。経過を報告するため、エスパーダ一行は再び帝国首都を訪れている。

しかし、その顔は晴れたものではない。皇帝直々の指令ということもあって偵察回数を増やし、巡回ルート・高度を変更したものの、ニアミスすらしなかったのだ。


とはいえ8492の活動地域外なので戦闘機は飛んでおらず、居るとしても高度3万メートル以上にブラックバードが居るだけなので、この世界の技術では発見は不可能だ。

仕方ない事象ではあるが、皇帝相手にそのような報告を行わなければならないとなると、流石の彼女も気が滅入ってしまう。一応ながら言い訳は考えてきた彼女だが、今から逃げるわけにも行かないので、気持ちを切り替えてし入城した。



謁見の間において、厳格なコートを着込んだ初老の男性が鎮座している。前回と違って家臣の数は少ないものの、やはり重役ばかりが揃えられており、3人にとっては、文字通り荷が重い状況だ。



「なに、緊張するな。鳥の情報が無いのは分かっている。こうして呼んだのは、形式美というやつだ。どこぞの国に対して、そなたらを転戦させていないという証明にもなるしのぅ。」



開口一番、エラルドはそのようなことを口にした。思っても見なかった言葉を受け緊張が緩んだのは、3人にとって、ありがたい救いの手である。。

とはいえ、なぜその発言が出たのかは単純だ。もしエスパーダが鳥の情報を掴んだ場合、何よりも優先として彼に伝達するはずだと、エラルドも確信しているからだ。



「前回報告のあった特徴を例の亡命者に聞いてみたのだが、結局は今以上の情報を得ることはできなくてな。」

「……なるほど、あの翼竜騎士でも判断できませんでしたか。」

「その通りだ。我もアレよコレよと考えてみたのだが、鳥と相まみえる方法は思いつかないものだ。」

「お言葉ですが皇帝陛下……元より鳥は、シルビア王国解放後2ヶ月も経ってから我等が領土に現れました。それまで全く目撃情報が無かったとなると、遭遇する可能性は極僅かかと思われます。可能性の1つですが、我々の知らない高高度を飛んでいる可能性も。」

「ふむ……そうか、高高度か。ドラゴンのように翼竜隊の上を飛んでいる可能性もあるな、それは予想していなかったな。」



とはいえ、予想できたところで解決策があるわけではない。翼竜隊の限界戦闘高度は3000m、非戦闘中でも3500mに届かない。一般的な人間と比べると遥かに高い高度でも意識を保つことができるが、戦闘機の2万メートルと比べると低空も同然だ。

一方で、西の帝国にとって戦力が必要なこともまた事実。ここ一週間のうちにディアブロ国との紛争が増えており、また東のダンジョンでもダンジョン内部の魔物が活発になっている報告がもたらされている。


国民の生活を安定させるために軍事費用への投資を抑制していたのだが、ここに来てツケが回ってきた状況だ。



「戦術担当よ。仮に鳥1羽……一人か?ともかく同等の戦力を持つ翼竜隊を結成する場合、エスパーダを基準とすると、何人相当だ?」

「はっ。未だ情報が不足しておりますので予測の域を出ませんが……恐らく、10人では済まないかと。」

「今起こりえる全ての脅威に完璧に対処する場合、あとどれだけの戦力が必要か?」

「東のダンジョンからモンスターが溢れ出すと同時に南北からの同時攻撃、という最悪の状況ですと、エスパーダの部隊基準で最低100部隊。並みの翼竜騎士ですと、600は。」



翼竜騎士の中でも3本指に入る程の腕前をもってしても、少なく見積もって100の数。その報告は、帝国の頂点に溜息を付かせるには十分だった。


エラルドは玉座ながらも肘を突き、明後日の方向を見つめている。鳥ならば一桁か、と呟いており、何かを考えている様子だ。

その視線も正面に向き、エスパーダの目を捉える。何を言われるのかと身構えた彼女だが、皇帝の口から出てきた言葉は、微塵も予想しないものだった。



「……エスパーダよ、今ここで分裂できぬか?」

「はっ!?」

「陛下、無茶を仰らないで下さい!」



だよなぁ。と溜息を付くエラルドだが、エスパーダからすれば皇帝直々の要望なので否定もできず、かといって努力して何とかなるものでもないので、進むことも引くこともできず冷や汗ものだ。驚きの声を上げると同時に目が点になり、固まっている。

滅多に無い無茶振りに対して思わず戦術担当の家臣がツッコミを入れるも、当の本人はまるで反省していない。とはいえ国を案じており、現在の多大な問題を解決できる策があるならば、藁にでも縋りたい状況だ。そんな重度の心境が出させた発言ともいえる。



「さて。我の冗談はさておき、現時点で鳥と一番近いところに居るのはお前達だ。何かあれば即座に情報を入れる、対処して欲しい。」

「ハッ。承知致しました。」



忠誠を誓い、3人は城を後にする。肩の荷が下り、彼女は思わず溜息が出たものの、心は晴れない。



自分の命を救ってくれた、見知らぬ相手。鳥に会いたいという心境の強さは、彼女も同じなのだ。

次章、ようやく艦隊の出番となります。

今後は陸海空、バランスよく活躍する、はず!です。


現在は引きこもっておりますが、次章以降、徐々に盛り上げていく予定でございます。

今後ともよろしくお願いいたします。

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