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異世界で、エース達と我が道を。  作者: RedHawk8492
第2章 動き出す生活
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10話 海軍の増強とオッサン再び

久々海軍のお話

「そ、総帥、どうしたんですかそれ!?」



フェンリル王一家を連れ、自分達は西門へと到着する。何か集団が来たとはいえ友軍の反応があったため身構えなかった警備兵だが、ヴォルグ達の容姿を見るなり思わず後ずさった。

とはいえ一家は自分の後ろを歩いており、戦闘の気配は皆無。説明するとすぐに打ち解け、ウェルカムとばかりに自分達を門に通した。


一家は眠そうな様子で歩きつつ、帰ってすぐ海軍施設の物置小屋に入るなり川の字で爆睡モードに入ってしまった。戦車や自走砲などがすぐ横を通っているが、全く起きる気配が無い。

ハクいわく、ヒールでは外傷を治せるが体力面は自己回復のみ、なのだとか。相当に疲れていた、ということだろう。あの爆睡具合を見る限り、安心してもらえているはず。五月蝿いが安全面は保障する、よく寝て体力を回復して欲しい。



あれ、帰路にメイトリクスがいる。確か第一拠点勤務だよね、どうしたの?

陸軍も第二拠点で世話になるので視察に来た?なるほど、ごゆっくり。



自分とハクも軽く汗をかいたため、2-3分程度のシャワーで汗を流す。温めのお湯を軽く浴びる程度だが、爽快感は大きく増した。ハクは小屋へと向かい、そのままフェンリル王一家の警備に当たっている。彼女と別れ、自分は基地の視察を行った。

第二拠点は海軍基地を整備し西側に防壁を築いた程度で、9割が海軍設備となっている。本当に規模が大きく、巡洋艦クラスが100隻近く入港できる大軍港だ。現在は、トージョー率いる第一艦隊が居座っている。第二艦隊は、佐渡島(仮名)の防衛だ。


一通り見て回ったが、軍港は問題なく稼働中である。出航している船は無く全艦が停泊しており、空母フォード1の甲板では電磁式カタパルトのチェックが行われていた。その他の艦も、メンテナンスや補給作業が中心となっているようだ。佐渡島(仮名)からの車両輸送は終了しており、現在は周囲警戒が任務となっている。

こちらに来ていたトージョーに話を聞くと、佐渡島(仮名)に居たクラーケンレベルの魔物は居ないらしい。その点、艦隊としても気が楽とのこと。


しかし、今後はどうなるか分からない。そのため資金を使い、久しぶりに兵器を購入する。空母のお供にもなる上に、近接海域のパトロールにも使える船だ。



■購入兵器

・インディペンデンス級沿海域戦闘艦

・統合多用途艦載ヘリコプター:MH-60R シーホーク

・RQ-21システム一式

・M/50 375mm対潜ロケット砲


通常の船の形とは異なり、三胴船型を採用する戦闘艦だ。排水量のわりに船幅を広げることができ、比較して速力も向上できる。普通の船と違いウォータージェット方式で推進力を得るため、速度の向上は猶更だ。

デメリットとして旋回性能が若干の犠牲となるが、こればかりは形状からくる抵抗が原因のため仕方ない。対策として、船首には左右に働く隠顕式の推進装置が取り付けられている。


三胴船型というのは……某鯨中毒軍団が保安船にダイレクトアタックをかました時の船、黒い船を想像してもらいたい。アレほど極端ではないが、真ん中の胴と、左右の小さな胴の3胴から成る船のことだ。

近代の船に漏れず、この船もヘリコプターを搭載できる。そろそろ対潜ヘリを買うべきだろうということで、今回の兵器購入はヘリもセットだ。ちなみに、インディペンデンス級沿海域戦闘艦の設計思想が追跡艦に似たものとなっていたため、装備は最低限の物しかない。基本装備としては心もとなく、


・Mk.110 57mm単装速射砲×1基

・SeaRAM近SAM 11連装発射機×1基


基本的なこの2つだけである。しかし搭載スペースはあるため、先程購入したM/50 375mm対潜ロケット砲とRQ-21システムを搭載するわけだ。持ち前の速力と合わせて、海からの脅威に前線で対処する運用となる。中距離区域をこの船が受け持ち、長距離はアスロックで対処する流れになる。

これを10隻購入。それぞれがジャクソン1~10と名づけられ、NPCによる運用が開始された。指揮系統は、それぞれの空母艦長の下である。例によって艦の固有名称は知らないが、色々と名づけられたらしい。


M/50 375mm対潜ロケット砲とは、現代の戦闘艦にも装備されている四連装の対潜水艦用のロケット砲だ。某日の丸国では、三三四菱重工が71式ボフォースロケットランチャーとして製造している。簡単に言えば、対潜用の爆雷を遠くまで投擲するための装置だ。

似たような遠距離兵装で、誰かが勝手に発射ボタンを押してCICを叩き出された「アスロック(艦載用対潜ミサイル)」があるが、こちらは精密誘導式。M/50は非誘導タイプで飽和攻撃に強く、魚雷の処理も可能で住み分けができている。


RQ-21システムとは、簡易カタパルトで射出される小型偵察UAVだ。ヘリポートも必要なく、空中に張られたフックにより空中キャッチされて回収されるため滑走路も不要である。小型のため速力も出ないが、機体そのものがモジュラー式となっており破損部位の交換が容易である。艦載機の搭載スペースを潰すことなく、小範囲の警戒に効果的なシステムだ。

艦載ヘリは、それぞれに2機を配備。部隊名は機体名を取り、シーホーク1-1 ~ シーホーク10-2とされた。レスキュー任務から対艦ミサイル、対戦車ミサイルも発射できる、なんでもござれなヘリコプター。艦の運用にもピッタリであり、効果的な運用が期待できる。


このヘリコプターの導入で、海軍に出張していた陸軍のUH-60Mも御役御免となり陸軍の運用に戻った。今後は輸送任務に戻されるため、自分もお世話になるかもしれない。シーホークの部隊名は連番となる。サン・アントニオ級ドック型輸送揚陸艦であるアンカレッジ6~10の艦載ヘリは、シーホーク11-1~14-4となった。



購入後に「配備」ボタンを脳内で押すと、購入した艦が停泊エリアに並んだ。10隻も増えると、流石に圧巻である。海軍の大幅強化ということで、トージョーや他の海軍の仲間も非常にご機嫌だ。ニコニコ顔で、新しく配備されたNPC達と、やり取りを行っている。

そんな彼等に、自分からプレゼントだ。AoAでは陸軍空軍には2回やったことがあるけど、海軍には1回しかなかったからね。



■購入兵器:あさひ型護衛艦(DD)

某日の丸国の最新鋭護衛艦を6隻購入。対潜性能に重点を置いて開発されており、今回の戦力強化にもピッタリである。対潜キラーと称された軍隊の最新艦とあり、魚雷も最新鋭の12式が搭載されている。対空レーダーも強化され、単に対潜特化したというだけではない。

部隊名が アサヒ1~アサヒ6 となったが、既存艦とあわせると連合軍みたいで新鮮だ。艦載ヘリだけは、申し訳ないがMH-60R シーホークを使用してもらう。部隊名も連番だ。ちなみに陸軍のノーマッド隊で使われているヘリが未だにブラックホークである理由は、本人の趣味ということを付け加えておく。


これにより、トージョーのテンションが更にアップ。戦闘中の落ち着き払った様子など皆無で、まるで子供だ。どうやら今夜は、海軍主体で祝賀会に突入するようで。日の丸国の艦のためか、NPCも日の丸国の人のようだ。最近その手の顔を見ていなかったので、懐かしい。



======



ワイワイガヤガヤとする軍港で隊員と話をしていると、16時ごろ、オッサンじゃなかったエンシェントドラゴンがやってきた。どうやら佐渡島(仮名)の方に行っていたらしく、連絡を受け、こちらへと向かってもらった。

街中は車両が行きかっているため、ヘリポートに誘導する。着地するなり、人の姿になった。そして、何か持っている。渡された。



「これは?」

「何度も訪ねていて悪いと思ってのぉ。我の地区の特産品じゃ、茶菓子に丁度良いぞ。」



お土産か、ありがたい。しかし、こちらから返せるものは無いな……お誂え向きに夜は祝賀会だし、夕飯でも食ってもらうか?いやでも、佐渡島(仮名)の時からちょくちょく食べに来ていたし……。

と、思っていると、彼の顔に若干の脂汗。なるほど、そのためのお土産か。


ははーん。こいつぁ、まーた何かお願い事だな?



「あのー、なんじゃ。そのー……ホーク殿。度重なって、非常に言いづらいのじゃが……」



コイツも最近、腰が低くなってきたな。まぁ、とりあえず言ってみなされ。



「じ、実はじゃな……今日か明日の夜、会って話をして頂きたい相手が居るのじゃが。」

「明日なら予定は無いけど、相手はこっちに来れないのか?」

「う、うむ。申し訳ないが。」



頼みごとなら出向くのが礼儀だろうと思うが、エンシェントが言うんだから事実なのだろう。何らかの事情があると見たが、その程度しか予想できない。そういう状況では面倒事のパターンが多いが、シルビア王国侵攻時に世話になってるから、彼からの頼みとなると断りづらいなぁ……。ハクの手前もあるし、受けてやるか。



「おお、本当か!?感謝するぞホーク殿!」

「だからって、次から次へと依頼を持ってくるなよー?自分一人だけが動くってワケでもないんだからな。」

「う、うむ。厳に注意する。おっと、場所はこの基地から海岸沿いに西へ進み、深淵の森を抜けた境目じゃ。明日の19時に待っておる。」

「りょーかい。こっちはヘリで行くから、反対側の空き地に降りて徒歩で向かうよ。」

「あいわかった。それでは、よろしく頼む。」



科学が無い世界らしくアバウトな内容で、待ち合わせ場所が決定された。あとで、空軍にも索敵要請を出しておこう。先方にも話を通すということで、エンシェントはすぐに戻っていく。例によって一直線に目的地に向かわず、面倒だろうが一度南に飛び、洋上から方向転換してもらうことにした。

自分も話を通すため、陸軍のメイトリクス大元帥の部屋へ行くと、そこに居たマクミランのテンションが異常に高い。自分も、過去に数回しか見たことが無いぐらいだ。メイトリクスは「お呼び頂ければ伺います」と言っているが、こっちのお願い事なので譲らないし、来てしまった以上、今更だ。



「んな些細なコトより、そこのモリゾーは紅茶でもキメてるのか?」

「は、はぁ……。なんでもフェンリル王が来てから、あの様子です。」



若干顔を引きつらせながら、メイトリクスは答える。000の隊員も、同様な目でマクミランを見ていた。000の拠点は佐渡島(仮名)だったはずだが、フェンリル王一家が来た辺りから、こっちに来ていたらしい。はて、何故わざわざこっちに……


あー、思い出した。ゲームで出会った頃、確か無類の犬好きとか言ってたな。でも都会のマンション暮らしだったから、ペットの飼育は叶わぬ願いだったとか。ありそうで少ないからね、ペット同伴可能のマンションって。

なるほど、そういうことか。フェンリル王一家は自分の配下だけれど、今は一緒に暮らせるんだもんな。一応気になるところがあるので、確認はしておく。犬と勘違いしてるんじゃないだろうな。



「いいのかマクミラン?あいつら犬じゃなくて狼、しかも地上生物最強のフェンリル王だぞ。」

「っ!?……ビューティフォー。」



わーお、無駄に名言頂きました。何度聞いても、本当に声までソックリである。声のトーン的に、むしろ狼、フェンリル王の方がウェルカムと言わんばかりだ。戦闘も無いのに士気が上がっている。


話が逸れた。



「えーっと本題なんだけどメイトリクス、明日の19時に深淵の森から出たところで待ち合わせがあってね。私事で申し訳ないんだけど、護衛をお願いしたい。」

「お安い御用でございます。深淵の森出口とのことでしたが、詳細な場所はお決まりでしょうか?」

「エンシェントは……この基地から真西って言ってたけど、結構アバウトだからねぇ。事前に航空偵察を頼もうとは思ってる。」

「承知しました、明日までに手配します。」



宜しくどうぞ、と彼と握手をしていた時。ヌッという効果音が似合いそうな挙動と共に、マクミランがメイトリクスに物申す。



「大元帥。此度の総帥の護衛、我々が受け持ちます。」

「お、おう。お前等なら問題ないと思うが、最大限に警戒していけよ。」

「「「ハッ!」」」



そしてメイトリクスとの間で、何やら決定したらしい。自分としても、000の護衛なら、とても安心できる。そして空軍に話を通すと、ブラックバードによる航空偵察支援を行ってくれるとのこと。加えて制空権要因として、洋上に飛行隊を待機させてくれるらしい。


戦いに行くわけでも無し、これで戦力としては十分だろう。

あとはいつものごとく、シューターの護衛と、ノーマッドによる輸送が決定した。たぶんハクも来るだろうし、敵無しだな、こりゃ。

個人的に、護衛艦の形状はあさひ型が一番好みです。

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