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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第10章 告白、告白、告白
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第86節 相談と呼び出し、姉妹の想い

「どうやら、大分修羅場になってきたようだね。」


 久しぶりに集まった「ミステリアスサークル」のプライベートルーム。 今回の事を八ツ橋先輩に話したら呆気ない言葉が返ってきた。


「まあこんなことを聞いてもしょうがないと思いますが、どうすればいいと思います?」

「ふーむ。 常識的に考えれば誰かひとりに絞った方が多少は楽だと思うんだけど。」


 まあ、だろうなと思い肩を竦める。


「でもあまり知られていない事だけど、一夫多妻制も例が少ないだけで認められている部分もある。 どちらを選ぶかは・・・結局は君次第ってことだよ。」


 一を取るか多を取るか・・・か。 俺にとってはどっちが正解なんだ? 元の世界では確実に一を取るしかない。 だけど、他のみんなの想いも無下には出来ないし、そこでいざこざが出来てしまっては俺も悲しい。


 ならば多を取るか? でも俺にみんなを愛せるだけの好意を振りまけるだろうか? 1人に偏りそうで怖いのだ。


「考える時間はくれたのだろう? ならゆっくり考えればいいじゃないか。 君は考えて動ける人間だ。 下手に結果を求めては駄目だよ。」


 久しく長考をしていないので、それもいいのかもしれない。 その後はミステリアスサークルの皆さんと語ったり、溜まったポイントでファッションショーをしたりと、告白の事を一旦どこかにおいて、少し有意義な時間を過ごした。


 しかし解散して、バイザーを取ればまた告白について考える。 正解不正解はない。 だが、自分の中でなにが納得出来るのかが未だに分からない。 答えは大まかに2つ、誰かを選ぶか、告白をしてきた人全員を取るか。 どちらをとっても気苦労の耐えないものになるだろう。 しかし・・・・・・・・


「みなさん、おはようございます。 今日も一日頑張って行きましょう。」


 イバラの言葉にバッと上体を起こす。 窓の外を見ると日が昇っていた。 どうやらいつの間にか寝てしまっていたらしい。


「・・・・・・考え事をしながらでも寝れるんだな・・・いっ・・・・つっ・・・」


 電脳世界でのやり取りと、彼女達の気持ちを考えていた事の脳処理ダブルパンチで頭痛が酷い。 正直立つのでやっとなくらいだ。 気分もあまり良くない。 点呼だけとって授業が始まるまで横になってよう。 そうしよう。


 点呼を取りに行くとそこで桃野姉妹にあった。


「あら、あんたもこれから朝ごはん・・・・ってなんか顔色悪いわよ?」

「すまん。 ちょっと体調が悪くてな。」

「体調管理には、気をつけてください。 今日の授業は、休みますか? まだ交流会分の、休みを使ってない、みたいですが。」

「いや、授業には参加するよ。 ただ、疲れがまだ残ってるみたいだから、今朝はこのまま部屋に戻るよ。」

「そっか。 じゃあ、また授業でね。」


 そういって手を振り返した。


「・・・のいいと・・・なおす?」

「いや・・・逃すと・・・ないわ。 ・・・にはも・・・いけど・・・」


 桃野姉妹の会話が途切れ途切れに聞こえたがなにを言っているのかまではさすがに分からなかった。


 朝ごはんを食べていないとはいえ、ここまで頭痛が酷いとなおキツい。 とりあえず頭痛薬を飲んで落ち着くことにする。 2度寝する訳にはいかないので目は開けているが。


 少し落ち着いた所で授業の時間になったので、帰ってきたみんなと寮を出て、授業へと参加する。 何の変哲もない普通の授業を受けて、昼前になると朝ごはんを食べていなかった弊害がでて、お腹が凄く空いている。 とりあえず寮に戻り、食堂に行こうとした時に


「飛空 (さん)。」


 同じ顔の姉妹に呼び止められたので、その場で振り返る。


「ん? どうした? 二人とも?」

「生徒会の仕事が終わったら、寮のプライベートルームに来なさい。」

「え?」

「飛空さんに、お話が、あります、ので。」


 二人から話? なんだろう? そんなモヤモヤした気持ちを持ちながら、寮の食堂に入り、昼ごはんを食べた。 正直味が分からなかった。


 昼ごはんを食べ終わり、午後の授業に入ったが、どうも集中が出来なかったためにらしくもない記録を出してしまった。


「どうしたんだい? 飛空。 頭が痛いのは分かるけど、ここまで精度が落ちるものかな?」


 正直自分でもなんでこんな結果になったのか、なにが引っかかっているのか分からなかった。 ただ言えるのは、考え事が支障を来たしていることだ。 確かに俺は考えながら何かをすることもなくはなかったがそれでもここまで酷くはなかった。 動く相手ならともかく動きもしないダミーにここまで命中率が低いと、明らかになにかあると考えてしまう。


 そんな思いに意を反してか、生徒会の仕事も精が出なかった。 なんだか、こんなことをしてる場合じゃないと感じてしまう。


「飛空君。 後のことは任せて、あなたは休みなさい。」

「え? でも・・・」

「前々から思っていたけれど、あなた何から何まで根気よく手にかけすぎ。 もう少し手を抜くって事も覚えなきゃ。」

「対称的にお前はもう少し真面目にやってもらわないと困るんだがな。」


「それはそれ、これはこれよ。 とにかく私がやるから早く帰りなさいな。 呼んでる人がいるんじゃないの?」

「そう言われるのなら・・・」


 そう言って生徒会の席を外す。 なんだか他人にまで心配されるなんて、ほんとにどうかしてしまっている。 本格的にどうにかしないといけない気がしてきた。


 早く切り上げられたので、そのまま寮に戻り、部屋に備え付けであるバイザーを付けて、電脳世界へと入る。 そしてひとつの扉、電脳世界にどこに行くにも自由自在なドアの色をしている扉を開けると、紅梨と白羽がそこにはいた。


「随分と早いのね。 もう終わったの?」

「どうも調子が悪いって会長に見抜かれて、早退させられたんだよ。」

「確かに、今日の飛空さんは、様子がおかしかったです、ね。」


 いや、それは君らのせいでもあったりするんやで? そんな事を知ってか知らずか、紅梨が話を切り出した。


「どうもあんたの周りには女子が多いように感じるのよね。」

「それ、啓人達にも言われた。 悪い気はしないけれど、あんまり多いのも・・・ね。」

「それだけ、飛空さんが、魅力的って、事の表れ、だと思いますよ。」


 白羽が自虐的な俺にそう返してくる。 そういうものかね? 自分では分からないが女子がそう思うのならそうなの・・・かな?


「私たち姉妹の方が他のみんなよりもあんたとは長いはずなんだけどね。 なかなか言い出せなかった。 と言うよりもまだ心の準備が出来てなかったんだけど。」


 そういいながら紅梨は俺にゆっくりと近づいてくる。


「でもあの時、イバラがあんたに好きだって言った時。 あぁ、やっぱりあんたの周りに他の子が同じような境遇になってるって事に改めて気づいてね。」


 そういって紅梨が間近にまで近づいて、


「私はあんたの事が好き。 付き合う付き合わないはあんたの勝手だけど、とにかく私はそれを伝えたかった。」


「わ、私も! 飛空さんの事が、好きです。 それに、飛空さんと一緒にいたい気持ちは、紅梨ちゃんも、同じです。」


 まさかの姉妹でのダブル告白。 不安は無くなったが悩みが増えてしまった。だから自分の言い訳も交えて、こう答えることにした。


「2人の気持ちは嬉しい。 だけど、時間をくれないかな? まだ自分の中で整理が出来ていないんだ。」


 問題の先延ばしと言われても構わない。 すぐに返すことが彼女達にとっていい事でないのは俺が1番よく知っている。


「・・・あんたならそういうと思ったわ。 いいわ、とことん悩んでよね? 生半可な答えじゃ許さないんだから。」

「分かってるよ。 はぁ。 新学期始まってまだ1ヶ月も経ってないのにこれか。 本当先が思いやられるなぁ。」

「夏休みの、私の口止めの、せいですかね?」


「なによ? あんたなんか白羽に言われたの?」

「海水浴最後の日に夏休みも終わって新学期の事を考えていて、それを白羽に話したら・・・その・・・」


「これ以上、語るのは無しという意味で、飛空さんの唇、奪っちゃった。」


「!!?」


 照れくさそうに白羽が語るのを紅梨はただ驚愕の目で見ていた。

 頬には何度かされたことがあったが、俺のファーストキスを勝ち取ったのは白羽だったからなぁ。 あの時は俺も動揺してたし。


「・・・最近飛空を遠くから見てると、ニヤケ顔になったりする時があったけど。 そんな事があったのね・・・」


 なんか妹の裏事情を知ってしまって複雑な気持ちを持っている姉の図が目の前に繰り広げられてる。


 しかしどんどん増えるなぁ。 これ俺何人に告白されるんだろうか? 目を瞑って考えていたのでその後になにが起こったのかすぐには理解できなかった。


「・・・・!?」


 口元が閉じられたので何事かと目を開けると同じく目を瞑り、俺の唇を自分の唇に合わせていた紅梨が見えた。


 紅梨も目を開けると目が大きく見開かれ顔がみるみる真っ赤になっていった。 バッと紅梨が唇を離して、ワタワタし始める。


「ち、違うの! こ、これはその! またあんたが考え事をしていそうだったから! ま、前に鮎がやったみたいに! 体が触れれば! いいかなって思っただけで! その!」


 なんかワタワタしている紅梨がなんか可愛らしく見えてきた。 そう伝えたら「馬鹿ぁ!」とビンタされて部屋を出ていってしまった。


「紅梨ちゃん。ああ見えて照れ屋さん、だから。」


 えぇ? 照れ屋で人にビンタして部屋出てく? こりゃ紅梨と付き合うってことになったら相応の覚悟がいりそうだ。

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