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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第5章 始まりは唐突に
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第46節 事案?と朝ごはん、メンバー召集

「・・・・・・・・・・ん。」


 朝起きるとかなり右寄りになっている。 と言うよりも実際は右を向いていた。 まあ寝てる間に右に向いたと仮定するのが妥当ではあるだろう。 左に手をちょっと動かしたら何かに当たった。 不思議に思い左に顔を向けると青坂さんの寝顔があった。青坂さんも目が覚めたみたいだか、


「・・・うむぅ・・・」


 そういって青坂さんの方に向いた俺の胸に顔を埋める。 その様子に、俺も青坂さんの頭を撫でて


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・脳が覚醒する。


 なんで俺は青坂さんと一緒に寝てるんだ? そもそもみんな1人1つずつベッドを使っていたよな? というかこの状況を誰かに見られたら何もしてないのに誤解が生じる!!


 額に嫌な汗が吹き出して、まずは上体を起こそうとしたが、


 ガンッ


 天井、正確には上のベッドの床部分に頭を思いっきりぶつけた。


「・・・・・っつったぁ・・・・って痛がってる場合じゃねぇ。」


 右手でぶつけた頭を擦りながら、左手で青坂さんの肩を揺らす。


「青坂さん! 青坂さん! まずは起きてくれないか!?」


 数回体を揺らしたあと


「・・・ん・・・あ、おはようございます。」


 眠気眼ながらも何とか起きてくれた青坂さん。


「良かった。 とりあえずベッドから降りてくれるとありがたいんだけど・・・・。」


 青坂さんはよく分からないという表情をしていたが、二、三度瞬きをした後に、今の状況を把握したのだろう。 顔を真っ赤にしてベッドから降りた。


「え? あれ? 私・・・・なんで・・・・・?」


 どうやらまだハッキリと現状を把握しきれておらずアワアワしている。


 時刻は6時少し過ぎ、まだ誰も起きてないのが幸いだった。 もしこの現場を誰かに見られようものなら俺は社会的に死んでいたかもしれない。


 備え付けのウォータークーラーから水を1杯持ってきて、落ち着いて貰う。


「そうでした・・・私・・・トイレに行ったあと・・・・すぐにもう1度寝ようと思って・・・・ベッドに入ったんですけど・・・まさか津雲さんの・・・ベッドに入ってるとは・・・・思って・・・なくて・・・。」


 先程の現状を思い出したのか縮こまってしまう青坂さん。 うーんそういう反応をされるとこっちも困るというかなんというか・・・。 なんだかこっちも反応に困るんだよな。


 気を紛らわす為にテレビのニュースを見ることにした。 こちらの世界の事を知りたかったのもあるが、気まずい気分のままだとどこかでボロが出てしまう気がしたので、その場を流すようにテレビに手を伸ばした。


 暫くはお互いになにも喋らずにただただニュースを観ていたが、


「私・・・津雲さんに・・・ほんとに申し訳ない事を・・・してしまったなと・・・思ってます。」


 そう青坂さんが言ってきた。 相当根に持ってしまった様だ。


「俺は、まあ気にしてない訳じゃないけど、なにかあった訳じゃないしそんなに気を病むことないよ。」


 こんな返事しか出来ない自分にビンタしたいと思っているが、青坂さんはそれで良かったらしく、ぎこちなくだが笑ってくれた。


「優しい・・・人ですね・・・。」

「責任転嫁してるだけだよ。」


 そんな会話をしていると、誰かが起きたようだ。 ゴソゴソと壁際で音がする。


「あら、おはようございます。 お二人共早いのですね。」


 起きたのは横井さんだったようだが、それに促されるようにみんな起き出したようだ。 時刻は6時半、朝ごはんの時間にはいささか早いようだ。


「二度寝する気はあんまりおきないのよね。」

「でも朝ごはんまでやることも無いよ?」

「ニュース観てよ、ニュース。 やること無くてもそれぐらいは出来るわ。」

「あ、ここって朝風呂あるのかな?」

「喉乾いたなぁ。」


 みんな思い思いに喋りすぎだろ。 統一性が無いぞ会話に。

 やることも実際にないので、少々ダラリとしてると、アラートがなった。


『皆様おはようございます。 朝食の準備が出来ましたので大ホールまでお越しください。』


「あ、やっと朝ごはんにありつけるのね。 早速行きましょ。」


 柊の言葉を筆頭にみんな部屋を後にする。 で、その波に乗り遅れた俺と青坂さん。


「とりあえず行こうか、青坂さん。」

「あ、はい。」


 そういってみんなの後を追った。


 大ホールに着くと半分近くの生徒がビュッフェを楽しんでいた。 結構少ないなと思ったのだが、時刻は7時過ぎで寝ている生徒もまだいるのか、と改めて考え直した。 ビュッフェ式なので適当に朝ごはんの準備をしていると、


「あ、おはようございます。 飛空さん。」

「おはよう夭沙、よく寝れた?」

「ええ、皆さんいい人たちでしたので。」

「そいつは良かった。」


 そういってチラッと夭沙のお盆を見ると、食パン2切れに牛乳、フルーツと言った朝食にしては軽すぎるように感じに仕上がっていた。


「なんかこう言っちゃあ失礼かもなんだけど、それで足りる?」

「元々朝は取らなかった方なんですけど、学校の寮に入ってから少しは食べる量が増えたんですよね。」

「やっぱり電脳世界に入って動くって行っても脳を使ってるから体が反応するんだな。」


 危うく「太ったんじゃない?」と言いかけた。 それを女性に言うのは自殺行為まっしぐらだと感じたので押し殺すように別の言葉を話していた。 ここまできて友達1人を失いたくはない。


「でもそういう飛空さんだって。」


 そうやって夭沙が俺のお盆を見て、同じ感想を思ったらしい。

 俺のお盆に乗っていたのは、白ご飯、豚汁もどき、温泉玉子、適当な小鉢2つとかなり控えめになっている。


「前普通に食べてましたよね? 寮では。」

「一応この後試合あるしな。 あんまり食って動けなくなるのもな。 電脳世界とはいえ。」


 色々と交錯はしたがそれも本音だ。 チーム編成何かも考えなければいけないし、何より対戦相手の事も考えながら戦うなど、やらなければならない事が多いのだ。 あまり下手に栄養を取ってもしょうがないのだ。


「あ、飛空。 ここにいたのね。」


 声のする方に向くとそこには柊がいた。 手には牛乳を持っていた。


「やあ柊、朝食は食べない人かい?」

「あたし、朝ごはん食べるとお腹下すジンクスがあってさ。」


 だからって牛乳をそんなゴビゴビ飲むか? 余計下らないか?


「飛空さんこの人は?」

「あぁ、紹介するよ。 矢萩高校の柊 佳玲奈。 彼女は義手を作った事で有名らしいんだ。」

「柊 佳玲奈よ。 あなたは山本 夭沙さん でいいのかしら?」

「ええ。 合ってるけど、えっとどこかで会ったかしら?」

「あら? あなた曜務高校の生徒会でしょ? 名前が出てたし、飛空が呼んでるの聞こえたし。」


 そんなに近くにいたんか。 全然気が付かんかったぞ。


「そうなんだ。 でも義手を作れるって凄いね。 医療関係にしてみては機械とはいえ、体が戻るのはやっぱり嬉しいからね。」


 別の所から声がしたと思ったらそこには白羽がそこに立っていた。


「あら? あなた医療に詳しそうね?」

「そう言えば白羽のお母さんは看護婦だったね。 やっぱり気になるものなの?」

「うん。 私もいつか看護婦に、なるために、頑張っています、ので。」

「そっか。」

「ねぇねぇ。 あなた医療に興味があるのなら、人の人体の神経系についてはやっているかしら?」

「まだそこまでは勉強してないけれど、肉体的な痛みとは違うのかな?」

「やっぱりそこは脳に送る信号みたいなものだから簡単な事ではないわよ。」


 女子3人で未来の医療機関の今後を語っているので邪魔にならない内に退散して、あるメンバーを探す。 まあ1人は近くにいると思うが・・・・あっ、いたいた。


「おーい 鮎ー。」

「あら飛空君。 どうしたのさ。 こんな朝早くから。」

「最初の対戦に一緒に参加してくれないか?」

「え? 一試合目から出るの? 私が?」

「もちろん他にも呼ぶさ。 そういう訳だからよろしくな。」


 鮎と早足で別れて、後2人を探す。 誰かは決まっているがそうそういいタイミングにいるかは分からない。 あの相手に()()2人は欠かせない。


 その後ようやく見つけて、部屋に戻り、再度相手チームの戦い方を出発ギリギリまで見て、バスでA会場に到着して、武装の最終チェックを全員した後、ステージの上で相手チームと対面して、今学校対抗戦第一試合が幕を開ける。

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