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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第5章 始まりは唐突に
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第41節 義手とエキシビション、実況

「ごめんごめん、急に言い寄られたらそりゃ驚くわよね。 それは謝るわ。 あたしは矢萩機械研究学校の1年生。柊 佳玲奈(ひいらぎ かれな)よ。 よろしくね。」


「俺は津雲 飛空。 それで、その義手なんだけど・・・」


「あ! やっぱり気になる? 気になっちゃうよね!? この義手はただの義手じゃないの。 ここの接続部分に欠損した部分を繋げると、その人の神経中枢へと働いて、脳が送った信号を正確に読み取ることが出来るから、例えば左小指の第一関節だけ動かすことも、指を指を絡ますときに生じる、熱なんかも感じられて・・・」


「ちょっ! ちょっと待ってくれ! 熱弁してくれるのは有難いが、俺が驚いているのはそこじゃないんだ! いやその義手も凄いが、違うんだ!」


 そうハッキリ主張すると柊は熱弁を止めてくれた。


「あら残念。 そこの辺りも聞いてもらいたかったのに。」


 知識の無い俺からしてみたら凄く有難いが、興味は違うところにあるんだ。


「俺が興味を持ったのは今の現状。 ここは電脳世界だ。 君の説明が間違ってなければ、その義手は装着者の神経中枢に繋がるって話だろ? けどそれは装着していない状態でその電脳世界に実現させてる。 そこに驚いてるんだよ。」


 俺の見立てが間違いで無ければ、ここは人間の神経を脳波として受信して、電脳世界に入る仕組みなのだろう。 おそらくだが、現実世界のものは電脳世界に手に持つだけじゃ持ってこれない。逆も然りだろう。 だから手に持ってるだけの義手が存在してるのが凄いと思ったのだ。


「・・・・・へぇ。 君そこに驚くんだ。 でもそれも技術の賜物、みんな義手の事しか聞いてこなかったけれど、君は目の付け所が違うんだね。」


 さっきまでの軽い口調とは違い、まさに研究者と言った感じの雰囲気を醸し出す語り口調になっていた柊。


「さぁさぁ 皆さん楽しい所を申し訳ないのですが、そろそろ次に行きたいから元の場所に戻ってくださーい。」


 弧ノ一さんがそう促すので、自分も元いた場所に戻ろうとすると、


「君なら分かってくれるかも。 今夜せっかくだからあなたに教えてあげるからね。」


 そう柊が別れ際に言った。 一歩間違えれば勘違いされるような口調と艶めかしさで言ってきたが、要は話を聞いてもらいたかいようだ。


 そんなこんなで自分もステージの上に設備された椅子に座る。


「さてこれからの行事なんだけど、学校対抗戦と言うことでね、この後代表がトーナメントの対戦の組み合わせを決めていくんだけど、その前に提案校である曜務高校と主催校である電信高校の試合前のエキシビションマッチを開催するぜ!」


 そう高花先輩が宣言すると、みんな歓声の声になった。


「それで、その代表なんだけど、生徒会新人同士で戦うことが決まっていて、その代表はぁ!」


 そういって映し出されたモニターに乗っていた文字は


「曜務電脳統合高校 津雲 飛空」

  V S

「円商電信専門学校 響月 了平」

 の文字だった。


 って代表って俺かよ!?


「この2人には共に戦ってくれる相棒を1人連れてきてもらって、2on2の戦いをしてもらいたいと思います。」


 いやそんなこと言われても俺が代表ってなんで? って思ってるわけで。


 とりあえず一番仕掛ける可能性の高い志摩川先輩にガンを飛ばしていると。 「私じゃないわよ?」と言いたげな顔をしていた。とりあえず考えても仕方ないのでメンバーを1人連れてくることにする。 さて誰がいいかな?


 その5分後、いま大きなモニターの前には俺を含めて4人の生徒が立っている。俺の隣にいるのは 味波 海呂だ。


「ほんとに僕で良かったのかい? 知ってると思うけど僕の武装じゃあんまり火力にはならないよ?」


 それでも色々と考えた末の結果だ。 確かに火力面に関しては同年代なら輝己、紅梨がいるが、一撃がある分、インターバルも存在する。 そこに隙が生じてしまうため、カバーがし切れない。

 次に考えたのは遠距離からの支援攻撃、候補は啓人、夭沙、弾幕量の高さから鮎も入るが、こちらは逆に自衛が出来ない可能性がある。 こちらにもそれなりの限界がある。


 では最後に本当の支援型、白羽や雪定のパターンだが、こちらは火力が低い。

 その現状を可もなく不可もなくこなせれる武装を持っているのは海呂だけだと思い、呼んだ次第だ。


 それに向かい合って立ってる2人の男子がいる。電信高校の生徒代表だ。 とは言っても片方は知ってるんだけどな。


「初めまして、僕は」

「響月 了平だな? 初めまして。 俺は津雲 飛空だ。」

「あれ? どこかで会ったかな?」

「交流会の対談の時、最初に俺を品定めするように見てただろ? 覚えてるよ。 あとは芥川の紹介だ。」

「へぇ・・・・翔凪が・・・・」


 そういうと電信高校生徒会側のベンチをみてそう呟いた。 そう思うと俺をまた見始めた。


「うん。 君はやはり面白そうだ。」


 面白そうという言葉にはちょっと引っかかる。 まだなにもしてないよな?


「了平、そんな事を言っても伝わらないって。」


 そういって声を上げたのは、隣にいる白髪の七三分けの少年のような彼だった。


「済まないな。 こいつの口下手もここまでくると、もはや理解の域を越えちゃうからさ。 あ、俺はこいつの親友の小戸田 将生(ことだ まさき)。 今日はよろしくな。」


 ラフな口調で挨拶する小戸田、ラフすぎる奴は好きではないがこいつくらいなら仲良くなれそうだ。


「そこまで口下手か?」

「いや口下手もなにも、お前は「語ろうか、拳で」みたいな感じだしさ。」

「そんなことないだろ。」

「いーやあるね。 この前も人の話聞かずに勝手に・・・・」

「おーい こっちにも話させろよぉ。」


 蚊帳の外は慣れているが流石に対戦相手ほっとかれるとな。


「ああ、ごめんごめん。 そんな訳だから今回はよろしく。」


 そういって握手をお互いに交わす。


「さあて、お互いに握手をしたところで、不平等さを無くすために我々の代表、響月君と小戸田君の戦いを見てもらおうと思います。」


 そういってでかでかと映し出されたモニターに試合風景が流れる。 場面は最序盤、互いに動き始めた辺りで敵陣に土煙が立つ。その中で相手側の1人が吹き飛ばされたのが見えた。


「これが響月君の必殺技とも言える、敵に一瞬にしてロングスタイルの非対人ライフルが炸裂させるこの一撃! この後は敵陣も陣形を崩されて、優勢に戦っていきます。 劣勢になっても、それを小戸田君によるカバーで立て直していきます。 いやぁ、この一撃は戦況に深く関わること間違いないでしょう。」


「いやいや、うちの代表の津雲君と味波君の戦いも凄いですよ!」


 そういって今度は俺達の最初の戦いが映し出される。


「津雲君の相手の不意をつく戦い方と味波君の注意を引き寄せる戦い方がお互いの短所をカバーし合ってると思います。 彼らも一筋縄では勝てませんよ?」


 高花先輩の推しの解説にプレッシャーがかかる。 そんな凄いことしてはないんだけどな。


「いつも通りやればいいんだよ。」


 そういったのは響月だった。 ・・・・・そうだよな。 相手の長所をみてビビってる様じゃ戦いにならないもんな。


「お互い、いい試合にしようぜ。」

「さあ! では両者ブリーフィングルームに入って準備をしてくださぁい!」


 高花先輩の一声で俺達はブリーフィングルームに入る。


「なんか緊張するね。 こう、大人数の前で戦いをするってのも。」

「相手も言ってたけどいつも通りでいいんだよ。 変に気張る必要はないって海呂。」


 そう言って俺達は戦いの場に現れた。


 ―――――――――――――――――――――


「さて始まりました! 曜務高校と電信高校によるエキシビションマッチ! 実況を務めますは曜務高校放送部、高花と、」

「電信高校情報発信係、弧ノ一がお送りいたします。 いやあ高花さん。 この試合、贔屓目なしにしてどういった試合になると思いますか?」


「そうですねぇ。 まずは最序盤の動きに注目していきたいですね。 今回の試合は序盤の読み合いから徐々に試合が動いていくものと思われます。 映像の響月君の衝撃は凄まじいものでしたからねぇ。 正直どっちに勝利の女神が微笑んでもおかしくないって言うのが今回の見解ですね。」

「ありがとうございます。 さてモニターでは試合が始まったようです。」


「さてまずは前方に気をつけながら飛空君が前を走ります。」

「今回のステージは屋根の開けたアーケード街ですから上からも注意が必要ですよ。」

「さて、このまま行けばアーケードステージ中央の十字路に差し掛かる・・・・・」


 ドン!


「あーーっと!! 前の飛空君に突如として煙が襲った!!!」

「これは響月君お得意の、非対人ライフルの遠距離狙撃でしょう。 やはり警戒していてもあの高速の弾には・・・・・ おや? おやおや? 高花さん。 これは今面白いことが起きてますよ!」

「なにが起こったというのですか? 弧ノ一さん。 ・・・・・・こ、これは! 無傷!! 彼は無傷です! 一体どういうカラクリがあるのでしょうか!?」

ここから戦闘に入ります。 視点がグワングワン変わりますが、誰の視点なのかだけは分かるようには努力しますので、その辺りもよろしくお願いします。

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