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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第1章 ようこそ別世界へ
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第3節 寮生活と初夜の会話、始まりの終わり

 食堂に行くと新入生全員が集まっていた。 男女関係なしに、席に座っている。空いている席が後ろの方しか無かったので、仕方なく後ろに4人がけの席に座り、目の前の先生に注目を置く。


「これで全員かな? ならまずは今日1日お疲れ様。 これから寮生活、そして高校生活について最初の説明を行う。」

 その始まり方にみなかしこまり直す。


「今は4時半だから、この後5時から9時の間で夕飯が提供される。 みんなの持っている電子生徒手帳で認証を行う、食券システムなので電子生徒手帳を忘れるとご飯は食べれないから注意してくれ。 続いて風呂の時間についてだ。 入浴時間は授業が終了する時間、 つまり4時以降なら入浴可能だ。 ただし深夜0時を越えると完全に鍵が閉まるので、それ以降は入れないからな。 浴場は二つあり、片方が男子用、もう片方が女子用となるが週替わりで使うことになるから、どちらの浴場かだけは確認を怠るなよ。」

 それが夜の寮生活か。 なんか緩い感じではあるな。 そんなんで大丈夫なのか?


「次に朝についてだ。 一時限目は8時45分からなので、それまでに各自行く場所に行くようにするんだ。 朝は7時に時報がなるように鳴っているため、目覚められないなんて事の無いようにな。 点呼は取るからな。朝食の時の認証で起きているか確認出来るからな。」

 そんなもんなんかな? 寮生活っていうからもっとこう、厳しいもんだと思ってたが、勝手な思い違いだったか?


「これ以上は正直なところはない。 詳しい事は寮母か、寮長の話をよく聞くようにしてくれ。 それと、この後の時間に君達の先輩が帰ってくると思う。 ちゃんと新入生としての自覚を持って接するんだぞ。」


「はい!」と新入生がみな一斉に声を出した。


「今日はこれにて終わりだ。 あぁそれとみんなに渡った武装なんだが、武装は使えないがアバターとして電脳世界には入れる様になっているから、少しでも電脳世界というものに慣れれるように努めてくれ。 ただし消灯時間よりも後には使えないようにこちらからロックするからその後はスグに寝れるように準備をしてくれよ。」


 電脳世界には入れるのか。 かなりプライベートな世界って事なのかな?でも流石にマスターワールドはあるだろ。 そこかしこに誰か分からん人の居るワールド何かには最初は行かせんだろ。 学校側として。


「では解散だ。 このまま夕飯にするなり、部屋に一度戻るなり、外に出るなり、好きにしてもらって構わない。」

 その先生の言葉を合図にみな思い思いに動く。 食堂から出るもの 食堂に残り喋るものが半々位に分かれた。


「僕達はどうしようか。」

「折角やしご飯食べよ。 準備してもろてるのに食べないのは申し訳ない事や。」

「そうだな。 今日はこんな感じだけど、明日以降は先輩が居るからな。そのへんも明日から見極めよう。」


 そういって俺たち4人は入口近くの機械に近づいた。 どうやらこれが食券販売機らしい。電子生徒手帳をかざすところにかざしてみると、そこからパネルが映し出されて、「本日の夕飯」と書かれていた。

 どうやらどちらかを選択できるシステムのようだ。

 ちなみに本日の夕飯は「ビフテキとシーザーサラダのセット」と「焼き鮭のタルタルソースがけ」となっていた。 なんかそのへんは地球チックだな。

 ご飯とスープは先程食堂のおばちゃん達であろう人たちが準備をしていた。 そちらはセルフサービスのようだ。

 見慣れない食べ物じゃなかったのでちょっと安心しつつ俺は「焼き鮭」の方を選んだ。すると食券が出てきた。 これをおばちゃんに渡せば出してくれるという感じだな。


「君は魚派なんだね。 僕はビフテキにしようかな」

 そういって海呂は「ビフテキ」を選ぶ。 いやなんか気分的に魚が食べたかっただけで。

 残りの2人は、輝己がビフテキ、啓斗が焼き鮭にしていた。 イメージ通りって感じだな。


「どっちか選べるのは嬉しいなぁ。気分によって変えれるのはやっぱり食事の楽しみが増えるってもんやで。」

 輝己がウキウキ顔でそう語る。 楽しそうな顔してんなぁ こいつ。

 食券を渡して少しした後、


「お待たせ、しっかり食べなさいな。 これからよろしくね。」


 おばちゃん達がニコニコとこちらに語りかける。 会釈をした後、お盆を持ち、ご飯と味噌汁を盛る。 水も注いできて、席に座る。 今日は疲れているがお腹が減っているので少しご飯を多めに盛る。


「っはぁー 美味そうやなー」

「ほんと、出来たてはこの感じがあるから僕も好きだよ。」

 異世界という事でどんなものが出てくるだろうと思ったが、好奇心が無くなり、安心を得たって感じだろうか。


「寮の外に出ればそれなりには見たことない食べ物がありますのでここは我慢して下さいね?」

 小声だがヘッドホンから女神様の声がした。 いきなり変なもの食べて体調を崩しましたじゃ、元も子もないからな。


「食える時に食えるのが一番だよな。 それじゃぁ いただきます。」

「「「いただきます。」」」

 合図共に魚を食べる。 うん。 うん。よく知ってる味だ。添えてあるキャベツのソテーもちょっとバターが多い気がするが、これはこれでありだな。


「んー! やっぱ肉は格別やでぇ!」

「ほんとだ。このお肉、とても柔らかい。 それにこのほんのり来る甘味は玉ねぎの甘味じゃない・・・」

「2人とももう少し大人しく食べれないかい? 他の人に迷惑になっちゃうよ。 アム」

「まあまあいいんじゃないか? 楽しみながら食べるのも悪くないと思うぜ?伊奈川」

「騒ぐのは違うと思うけどね。 あ、僕の事は名前の方で呼んでもらって構わないよ。 君達とは親しくなれそうだし。」

「そ、そうか? じゃあ啓斗。これでいいか?」

「充分、改めてよろしくね。飛空。」

 なんか照れるがまぁそのうち慣れるよな。 フッとちょっと笑ってしまった。


「なんや2人して友情作ってるのズルいわー。 ほなわいの事も輝己で構わんで。」

「海呂って呼ばれるのはなんか恥ずかしい気分になるけど、友情の証としていいよね。」

 なんだこのやりとり。楽しくってしょうがないぞ。 4人で少し笑った。


 ご飯を食べ終わり、一度部屋に戻る。 その後俺は何気なくクローゼットを開ける。

 色々と気づけていなかったのだが、俺は今この学校の制服を身にまとっている。 スグに門を入ったので気がついていなかった。 いやむしろすんなり入学式に挑んだので、自分の服装について気にも止めていなかったのだが、今考えてみたら、服装が制服以外だったら入れてもらえなかった可能性が非常に高かった。

 そう思い、普通の服はないかとクローゼットを開けたのだ。

 中にはハンガーにかかった服がずらりとあり、そこに名前で区切られていた。何個かハンガーが空いていたが、多分制服をかけるためのハンガーだということは容易に分かった。


「私服に関してはこちらで用意しました。 こちらの世界でのナウな恰好というものを選んできました。」


 見えないが多分仁王立ち+ドヤ顔という感じなのが分かる。 絶対にそんな感じだ。


「この後予定がないんやらお風呂行かへん? 部屋に居るだけとはいえ流石に風呂には行きたいで。」

「それは賛成。別に用事がないならとっとと済ますこと済まそうぜ。」


 全員同意した所で浴場に行こう・・・・と思ったが、女神様が変身しているヘッドホンは置いてくことにした。 浴場にヘッドホンを付けていくのもおかしいし、女神様が変身しているので、後で何を言われるか分かったもんじゃない。 小声で置いていくと伝えて浴場に向かう。先程先生が言っていたことがあるので、浴場の場所はしっかりと二つとも把握しておく。 今回は階段を降りて右側の浴場らしい。


 脱衣場へ行くと、何人かの新入生が服の着脱をしていた。 それに紛れて俺達も服を脱ぎ始める。 何気なくみんなの方を向いて、目に留まったのは、輝己の体だ。 そこそこ鍛えていたのだろう。 ガタイがいい。


「なんや? わいの体が気になるんか?」

「なんか鍛えてたの? そのガタイ普通のやり方じゃつかないでしょ。」

「ほほうなかなか見る目あるな。 わいはこの学校に来るまでは部活でボクシングしとってん。 ハードやったが楽しかったで。」


 見る目あると言われてちょっと背筋が凍ったが、ボクシングだと分かれば納得が行く。 だって上半身の筋肉量やばいもの。


「啓斗君。眼鏡付けなくて見えてる?」

「残念だけど僕は目が悪くて眼鏡をしてる訳じゃないんだ。」

「ほな、何のために付けとんねん。目の悪いやつが付けるようなもんを。」

「僕の場合は逆に見えすぎちゃうの。 相手が次に何をするか分かるぐらいにね。」

「先が少し見えるって事か? じゃあ眼鏡をしてるのは・・・」

「これは伊達眼鏡どころかただの曇りガラスだよ。 普段から先読みしても疲れるだけだから制御、というより抑制してるの。」

「見え過ぎるのも考えもんやなぁ。」


 そんなこんなで浴室に入る。中に入ると大きな浴槽が2つあり、シャワールームのような場所が多く設置されていた。

「とりあえず体を洗ってからだな。」

 シャワーで体を清めてから浴槽に入る。

「ふぅ、やっぱり浴槽に入るのが一番お風呂に入ってるって感じがするね。」

 海呂がそんなことを言う。確かにそんな感じがするな。

 20分ほど入ってお風呂から出て自分たちの部屋に戻る。


「これからどうする? 先生の言っていたように、プライベートの電脳世界に入るか?」

「今日はやめておこうよ。多分他の人が入ってるのはもちろん、多分色々と処理落ちが酷そうだから。」

「せやなぁ。 ところで飛空よ、風呂上りでもそのヘッドホンは付けるんか?」

「お? まあ俺のトレードマークとして定着させようと思って?」


 ぶっちゃけ元女神様なのでつけとかないのはちょっとと思っただけなんだが、トレードマークとしての機能はまああるだろう。


「しかし自分たちの武器について話し合えないのはちょっときついかもね。話の話題がないよ。」

「敵として当たった時に対策されちゃ困るからじゃないかな?」

「組み合わせが分からんからなぁ。いくらレクリエーションとはいえ。」

 そんなことを話していると、下の方が騒がしくなってきた。


「先輩たちのおかえりかな?」

「やろうなぁ、どうする?先輩にアドバイス聞きに行くか?」

「やめておこう。先輩も久しぶりの寮だ。変にこちらから話を振るようなことをしないでおこうぜ」

 うん、と3人も頷いた。


「なら、ほな今日は明日に備えて寝よか。 ベッドどこ使う? わいは寝相が悪いから下がいいと思うんやが。」

「僕は圧迫感が無いように上がいいかな。」

「なら君たちは左側を使いなよ。僕と飛空は右側使うからさ。」

 ベッドの位置取りは決まったみたいだ。 因みに俺が上で啓斗が下だ。


「それじゃぁみんな。また明日やな。おやすみ」

「「「おやすみ」」」

 そういって目をつむる。 朝からここまで長く感じたが、これからどうなるのか正直なことを言うと楽しみでしょうがないのだが、とにかく今は寝よう。おやすみ。

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