第319節 訪問と協力申請、影響
「なるほど。 それで我々に協力申し込むと同時に危険喚起をしに来たと言うわけなのだな。」
早速行動に移して、国会議事堂からテレポーターを利用して最初に向かったのは機械都市アスベルガルド。 機械関係なら一番影響を受けているだろうしな。
「しかし話終えてからなんなのですが、外交官とは言え学生の言葉をそんなにホイホイと受け止めて大丈夫なのですか?」
「うむ。 実を言うと、最近やたらと機械の調子が良くないと連絡を多く持っていてなぁ。」
「それは僕が協定を結んだ辺りからですか?」
「いや、機械のトラブル事態は元々あったのだが、最近はもっと深刻になっていてね。 直したはずなのに、また調子が悪くなるといった具合なのだ。」
「それは・・・確かに少し妙ですね。」
全部が全部あいつのせいではないにしてもそこまで回数が増えるとむしろ不自然さすら覚える。
「だが君が助けを求めるのならば、我々アスベルガルドはオーバーテクノロジーを使ってでも全力を出そう。」
そこまでしてもらう必要は無いんだけれど、惜しまないと言う意味ならばこれ程協力な国はないだろう。
「それではよろしくお願いいたします。」
「おや、久しぶりの訪問なのにもう行くのですか? ゆっくりしていっても、我々は歓迎致しますぞ?」
「お心遣いありがとうございます。 ですが、訪問するのはアスベルガルドだけではないので。 あ、今日中になんとか代表を集めますので、よろしければ曜務の国会議事堂の会議室に来てもらえませんか?」
「そういうことならば分かった。 集まりそうならば呼んでくれ。 私としても色々と準備を行おうと思う。」
さすがは統率者、今後の動きの検討もつけているな。 そう思いながら俺は次なる場所のテレポーターの電子端末を挿すのだった。
「曜務のピンチとなれば、我々も協力は惜しませんぞ飛空殿。」
エレアの故郷クリマ。 その国の大臣でエレアの父であるコレン公爵と隣に座っている奥さん。 逆隣にはワーライド王子もいる。 というか別にピンチでは無いんだけれど。
「戦力が欲しいと言うことではないのか?」
「まあそれはそうなんですが・・・流石に決めつけが過ぎません? いや、ワーライド王子には協力を申し出たいと思ってはいるんですが。」
「私もあれから色々とやってみたのだがな。 普通の訓練とはまた違うので、足手まといになってしまうかもしれないぞ?」
「いることが大事なんだ。 戦えないことが問題じゃない。 それにそうなるまでに時間がかかるんだ。」
「時間とは?」
「こっちなりに作戦がある。 その話は後でする。 とにかく今は協力者が欲しいんだ。」
「また別の場所に行かれるのですな。」
「ここから先は協力を貰えなくても構わないと思ってる。 こっちの都合で協定を結んで貰ったんだ。 無理に戦ってもらう必要は無いんだ。」
「エレアは元気にしているかな?」
そのまま次に向かおうと思った時、コレン公爵が自分の娘の心配をしているので、やはり脅威とは無縁なのかもしれないと思った。 いや、そうさせないためにも俺が動くんだけどね。
「ええ。 最近新しい友達も出来たので、元気ハツラツですよ。 底がないのかと思うくらいです。」
「そうか。」
「俺がエレアを守りますよ。 そして誰も悲しませることなく終わらせます。」
そうして次なる目的地の為に、テレポーターを開いた。
「我々も協力はしたいところではあるが、いかんせん我が国は戦争とは無縁の場所にあった。 貴国の力になれるかどうか。」
次に訪れたリューフリオでセルトラム陛下は申し訳なさそうに俺に話しかけてくる。
『心配することはありません。 我々も本当に戦力が欲しい訳ではないのです。 我々が欲しいのは「結束力」でありますゆえ、危険な目には合わせないと誓いますよ。』
「ふむ、そうは言うてものぉ。」
セルトラム陛下は俺の言葉に唸っていた。 しかしリューフリオは音楽国家。 もとより戦闘力が皆無なのはこちらとしても百も承知の話だ。 だが話だけは聞いて欲しいと思い、今回訪問したのだ。
『お父様、飛空さんは私達の力を必要としているのです。 ならば少しでも力になってあげましょう。』
「ナディ・・・」
『そうですセルトラム陛下。 我々も無理して戦いに参加させるつもりはありません。 しかし力を貸して欲しいのは事実です。』
そう伝えるとセルトラム陛下は唸りながらも
「・・・分かった。 我がリューフリオもできる限りの事をしよう。」
『ありがとうございます。 私はまた別の場所に向かいますが、よろしければ曜務の国会議事堂までお越しください。 そこで詳しい話をさせていただきます。』
そう言って去ろうとしたが、1つだけ伝えておこうと思った事があった。
「ナディ。 今回の会議には啓人やエレアも参加する。 良かったら一緒に来てくれるかい?」
『はい! 私にも出来ることがあればご協力致します!』
やる気に満ちたナディを見ながら、テレポーターをくぐった。
札の国ハークダードでは今日も今日とて街の子供から大人まで「サモンコール」を楽しんでいた。 これだけ平和な国を脅かすような事はなるべくならしたくはないのだが、今回ばかりはどうすることも出来ない。 最悪の場合は警告のみにすることも視野に入れている。 無理に戦わせる訳じゃない、そう思いながらこの国を統率している兄弟に会うのだった。
「その話、我々も乗せてはくれないか?」
今後の事を話終えた辺りでサレスト王子がそう答えた。 確かに協力をしてもらえるのならいいのだが、俺はその申し出に頭を悩ませた。
「それは確かにいいのですが・・・今回は危険な事をしますし、下手に前線に出る必要は無いのですよ?」
「いやなに。 実は我が国にも少なからず弊害が出て来はじめているのだよ。」
ユレスト王子が眉間に皺を寄せながら左人差し指で押さえる。 この国での弊害・・・まさか・・・
「サモンコールのモンスターの具現化の暴走ですか?」
「半分正解で半分不正解だ。 確かに具現化におけるよるものではあるが、暴走まではしていない。」
「暴走していないのであれば・・・」
「いや、使役できているからこそ、モンスターをコントロール出来る。 つまり召喚者の意のままに動かせるという事だよ。」
その言葉を聞いてハッキリと分かった。 多分サモンコールの決闘中心以外でモンスターを出せることになって、勘違いした馬鹿が暴れ始めたといったシナリオだろう。 全く迷惑極まりない話だ。
「それでそいつらは?」
「見ていた人達が同じ様にやって、暴走した輩を止めてくれたから、被害は最小限に抑えることが出来た。 だがその暴走した経緯は黙りを貫いている。 どうにかして、理由だけでも聞きたいところだし、なにより同じような事を繰り返す人も現れるかもしれない。」
ユレスト王子は凄く真剣な眼差しだ。 そりゃそうだ。 自分の国でそんなことをされた日には流石に黙って見過ごすわけはないだろう。
「そういうことなら分かりました。 ですが、今回の事に関して1つだけ注意をしておくと、元凶を倒しても、この現象は消えません。 今回の事は既に起こってしまった事ですので。」
「では元凶を倒す意味は?」
「これ以上の被害を増やさないこと。 そして同じ悲劇を繰り返させない為です。」
ここまでやっておいてなんだが、止めることが出来ないならば、せめて次はないようにこちらから動くしかない。 例えそれが今は非道だといわれても、今後の事を考えればそれも仕方のない事だろう。
「分かった。 我々の方でも国独自で対策を立てよう。 下手に待つよりはいくぶんましになるだろう。」
「では自分はこれで失礼します。 もしよろしければ曜務へとお越しください。 今後の方針を話し合いたいと思うので。」
「貴殿はどちらに?」
「まだまだ回らなければいけない場所は沢山あるので。」
これでも一応曜務の外交官なのでね。 幅広く行っていたりするんだよ。 そして次なる場所のためにテレポーターをくぐる。 本当に休んでられないな。 俺は。




