第316節 第二形態と庇い、もう一人の自分
今回は張り切り過ぎたのか、いつもよりも文章量が多いです。
黒い霧が発生して、そして拭われた後に現れたサラダリアの姿は先程の正しく悪魔のような姿をしていたが、今となってはもはや化け物と言ってもおかしくはない風貌へと早変わりしていた。
二足歩行だったのにいつの間にか四足歩行になっており、図体も何倍も肥大化した。
[これが私の本来の
姿だ。 この姿に
なることはまずはない。
何故ならば見て分かるように
とても醜い姿をしている。
故に統率が取れないからに
過ぎない。]
「で? そんな姿を晒してまで俺達に挑む理由はなんだ? お前にそんなに手痛いものを与えた訳でもないだろうに。」
[貴様らに下手に力を
余すこともないだろうと
思った所存だ。 それに
どうも貴様は恐るべき
存在だと聞いているからな。]
「・・・待て。」
ラスボスの魔王の筈なのに恐るべき存在だと? 俺はとにかく終わらせるために戦っている筈だ。 なのにストーリーの最後だと言うのに俺を恐れるような存在ではない。
「どういう事だ? それは一体誰から聞いた?」
[そんなことを貴様が知る
事はない。 なぜならこの
姿を見たら最後、貴様は
もうこの世にはいないのだからな。]
「・・・そうかい。」
「それならば口を割りたくなるまで痛め付けてあげましょう。」
「お兄様を帰すためだから、泣いて謝っても止めないから!」
[ならば来るがよい。
無駄な足掻きをしに、
命を削りに!]
[サラダリアは形態変化した!]
さて、変身したという事はかなりのパワーアップも行われている事だろう。 まずはお手並み拝見ってところか?
[サラダリアの毒体液!
辺り一面が毒沼と化す!]
地面からドロドロと紫色をした液体がこちらに向かって流れ込んでくる。 ジワジワと来る奴か。 厄介だな。 だが今の俺達に対処する方法はないので、このまま戦う事になる。 だが常に地面にいるわけではないがな!
[ヒソラのジャンプ斬り!]
俺はおもいっきり地を蹴って、サラダリアに剣を振り下ろす。
[サラダリアに99のダメージ!]
お? 形態変化したから強くなっているかと思ったが、攻撃をあげた分防御が手薄になったか? これなら大技決める前に止めをさせるようにしないといけないな。
[イサリヤの飛翔!
イサリヤは空を舞う。]
イサリヤは竜人族なので翼を現してそのまま空中に滞空し始めた。 ああいう時は便利なんだよなぁと、無い物ねだりをたまにしてしまう。 良くないんだけどな、そういうの。
[ユナのリターン&サモン!
サンライトフォックスは別の世界に
戻っていった。
サモン ライトロードガルーダ。]
ユナはサンライトフォックスでは対抗できないと考え、サンライトフォックスを還して、変わりに黄色い大鷲のような生物が現れる。 そしてそのままユナを鉤爪を使ってユナを空に持ち上げる。 あんまり怪我させないでくれよ?
[ライトロードガルーダの
サンライトアイズ!]
ライトロードガルーダは鉤爪を使っているので、恐らく空中攻撃を制限されているのだろう。 だから目が光った時はいくらなんでも焦った。 さすがに目を光らせて攻撃なんて思わねぇんだもん。
[サラダリアに44のダメージ!
サラダリアは眩しくて
目を開けていられない!]
[ぐっ! 小癪な!]
お? なんか知らないけど目潰しが出来たみたいだ。 これでこっちにも有利が作れたんじゃないか?
[ヒソラは30の毒のダメージが
入る!]
とは言えこの毒沼はどうにもならないんだがな。 甘んじて受けるしかないか。
[サラダリアの大回転!]
目潰しされて周りが見えていないのか、サラダリアはその場でその巨体を勢い良く回す。 毒沼の効果もあって、それはかなり勢いが良かった。
[ヒソラに41のダメージ!
イサリヤに当たらなかった!
ユナに当たらなかった!
ライトロードガルーダに
当たらなかった!]
そりゃ飛んでるプレイヤーには当たらないわな! だ、だがこの程度のダメージならまだ回復はいらないな。 余計な時間を食うよりも先に倒す方に力を注いでやる!
[ヒソラのジャンプ斬り!
サラダリアに100のダメージ!]
ふはは。 肉質が柔らかくなってるから剣筋が通る通る。 しかし飛んだところですぐに毒沼に行くのは良くないんだよなぁ。 そう思っていたら、
「主様。」
そう言ってイサリヤの腕が俺の脇をがっしりと掴んで、そのまま滞空する。 急な浮遊感にすぐには慣れないが、これで毒沼に入らないで済む。
「ありがとうな、イサリヤ。」
「お役に立ちましたのなら光栄です。」
確かに役には立ってはいるが、イサリヤはこの状態からどう攻撃を加えるのだろうか?
[イサリヤの真空刃!]
[サラダリアに36のダメージ!]
そう思いながらみていると、イサリヤは竜の翼を使って、風のカッターを作り出して、それをサラダリアにぶつける。 だが効果があまり見られない事を考えると、風攻撃は効かないようだ。
[ユナのエレカ!
サラダリアに60のダメージ!]
そうユナは直感したのか、得意の雷呪文を唱える。 人型だった時よりは効いているが、それでもやはり微々たるものには変わり無い。
[ライトロードガルーダの
サンライトアイズ!
サラダリアに47のダメージ!]
ライトロードガルーダは先程と同じ様に攻撃をするが、今度は目眩ましは出来なかったようだ。 1回でも入れば上々か。
[ふん、カトンボが。
地に落としてくれる。]
カトンボなんてアニメ以外で聞いたの初めてだぞ。 実際のカトンボってどんな姿なんだろ? 無事に終わったら調べてみようかな?
・・・って、勝手にフラグを立てるんじゃないよ俺。
[サラダリアのエコーボイス!]
サラダリアの口から耳にやたらと響く音が聞こえてくる。 エコーだからか耳をふさいでも意味がない。 そう思っていると、不意に地面に落とされる。 ちゃんと着地はしたが。
「おわっとと! イサリヤ!」
「うっ・・・くぅ・・・!」
[イサリヤは耳をふさいで
いる!]
「キィィィィィィィ!!!」
「ガルーダ!」
[ライトロードガルーダは
混乱している!]
空を飛んでいたイサリヤとライトロードガルーダはかなり痛手になっているようだ。 これは同じことをされる前に何とかしないとな。
[ヒソラのジャンプ斬り!
サラダリアに50のダメージ!]
くっ、同じ攻撃ばっかりしてるからさすがに対策してきやがったか。 攻撃箇所が変わらなかったからその部分を中心に硬化をして攻撃力を下げたんだな。
[イサリヤは耳をふさいでいる!]
イサリヤが少し苦しそうだ。 だが俺にはどうすることも出来ない。 すまないが耐えてもらうしかない。
[ユナのオーロラヴェール!
目の前にオーロラが現れる!]
ヴェールという魔法の効果は、敵から吐く息などには時折麻痺効果のあるものがあったりする。 このヴェールはその効果を完全に無効化は出来ないが軽減は出来るものである。 どこまで効果があるかは分からないが、無いよりは当然あった方が気持ちが楽になる。
[ライトロードガルーダは
動けない。]
ライトロードガルーダは回復のために動かないことを選択した。 万全じゃないまま敵に突っ込んでいっても返り討ちにあうだけならば賢い選択をしている。
[そろそろ遊びは終わりだ。
止めを指させてもらうぞ。]
[サラダリアのグローホーンズ!]
サラダリアは頭に生えた角を俺に向かっておもいっきり伸ばしてくる。 その鋭利な角を食らってしまえば俺は確実に息の根を止められる。 だがここでシステムの壁を越えられないということをハッキリさせられる。 だって動きたくても動けないんだ。 確実に当たるそう思った。
「主様!」
「お兄様!」
[イサリヤの割り込み!]
[ユナの庇う!]
そんな俺の前に2人が割り込んだ。 そして・・・ 目の前で串刺しになった。
[イサリヤに200のダメージ!
ユナに200のダメージ!]
「な・・・なんで・・・」
「私は・・・あなたがいなくなる・・・事が・・・一番怖いことだと思っているから・・・です。」
「お兄様は・・・負けたら・・・駄目だよ・・・」
[イサリヤは倒れた。
ユナは倒れた。]
角が引っ込んだ後に、2人は糸の切れた人形のようにその場に崩れ落ちた。
「そんな・・・・・・うぁぁぁぁぁ!」
今までは倒されてもゲームの世界と言うことで理解をしていた。 いや理解をしているだけだった。 実際に死を目の当たりにしなかっただけで、実際はこれだけ動揺してしまうのだ。
[仲間が庇ってくれたよう
だが、それでは犬死にだった
ようだな。]
その言葉に俺の中のなにかが切れた。 目の前のこいつだけは許さねぇ!
「きっっっっさまぁぁぁぁ!!!!!」
反撃なんぞ知るか! 俺の仲間をこんな目に合わせたこいつにはそれ相応の報いを受けさせなければ気が済まない!
『落ち着きやがれ! てめえが怒り狂ってどうすんだよ!』
だがそれは自分の声という形で遮られ、一瞬にして冷静になる。 そしてその張本人はと言えば
「飛・・・飛怒羅・・・? どうして・・・」
『あん?』
そう、何故か俺の内側にいる筈の飛怒羅が俺の横に立っているのだ。 しかもいつの間にか手放していた両手の剣を持って。
『おぉ・・・俺まで肉体がもらえるとは思ってもみなかったぜ。』
どうやら飛怒羅本人にもなにがなんだかと言った様子だった。 だがそんな飛怒羅の肉体が、まるで電波の悪いテレビのように、体が分解しそうになっている。
『だがこの体が持つのもそう長くねぇ! 俺が奴を惹き付けるから、その間にそいつらを蘇生させとけ! あるんだろ? 「蘇生樹木の葉」がよぉ!』
その言葉にハッとさせられる。 そうだ。こうなることは想定していたことじゃないか。 俺は「蘇生樹木の葉」を取り出す。
[飛怒羅がパーティーに
加わった!]
「肉体を手にいれたんだ! 少しだけ暴れさせてもらうぜ!?」
[飛怒羅の縦回転乱舞!
サラダリアに61のダメージ!
サラダリアに41のダメージ!
サラダリアに63のダメージ!
サラダリアに48のダメージ!]
飛怒羅はサラダリアの懐に飛び込み、その場で縦に回転をしながら攻撃をする。 ダメージがまちまちなのは武器のせいだろう。
[ヒソラは蘇生樹木の葉を
使った!]
[イサリヤは息を吹き返した!]
「イサリヤ!」
「・・・主様?」
ちゃんと使えたようでホッとする。 そしてイサリヤは飛怒羅を見て疑問に思っていた。
「主様が、2人?」
「今は説明している暇はない。 立てるか?」
「はい。 大丈夫でございます。」
[サラダリアのショルダー
タックル!]
[飛怒羅はスキル
[受け流しの構え]を発動!]
向こうは向こうで戦っているようだ。 すまないな飛怒羅。 1ターン使わせてくれてよ。
[飛怒羅に74のダメージ!]
飛怒羅の構えを無視するかのように、サラダリアの巨体がぶつかる。 そしてその衝撃で飛怒羅はこちらまで吹き飛ばされる。
「飛怒羅!」
「ちっ! 変われ! 1回の攻撃がでかすぎるんだよ!」
そう飛怒羅に言われて、俺は前線に立った。
[飛怒羅は蘇生樹木の葉を
使った!]
[ユナは息を吹き返した!]
後ろを見ると飛怒羅が蘇生樹木の葉を使ってユナを生き返らせていた。 当のユナは色々と困惑しているがな。
[ヒソラの武器変更!
左 デザートイーグル
右 スタール・アーミー]
飛怒羅に武器を奪われて(というかほとんど手放した状態だった。)しまったので、俺は俺で武器を用意する。 やっぱり俺はこっちの方がしっくり来るな。
[ヒソラの連弾!]
[サラダリアに60のダメージ!
サラダリアに60のダメージ!
サラダリアに60のダメージ!
サラダリアに60のダメージ!
サラダリアに60のダメージ!
サラダリアに60のダメージ!]
それでも完全に殺意は消しきれなかったようで、俺は両方の拳銃は1発目に当てた部分を一切ぶれずに狙い撃っていた。 両方3発ずつ撃ったのでまだ弾切れは起こさない。
[なるほど。 危険な
存在だと言うのはあながち
間違ってはいなかったという
事か。 若造の戯言も
聞いてみるものだな。]
「若造・・・か・・・」
神と悪魔、どちらの方が長生きなんだろうな?
[まあよいわ。 貴様を
倒すことには変わり無い。
だが命の灯火はまだ
尽きるなよ? 我を
楽しませてくれ!]
「へっ! 望むところだ! 本当に久しぶりに出られたんだ! 思う存分楽しませてもらうぜ!」
最後の台詞は飛怒羅の台詞になります。




