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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第26章 従属神に誘われ
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第298節 鼓舞とサキュバス、魅了

[さすがボス! 俺達じゃ

 なんともならなかった

 奴等を意図も簡単に倒して

 やがる!]

[それだったらこっちの

 アンちゃんも凄いぞ!

 まるでサーカスかのように

 武器を変えながら戦って

 るんだもんよ! 俺達じゃ

 出来ねぇ芸当だぜ!]

[後方支援は任せな!姉ちゃん!

 俺たちだってギャングの

 端くれ! 役立たずの

 まま終わるのは、御免だぜ!]


 レイジストの部下のギャング達が、そんなことを言いながら鼓舞しあっている。 仲間が多いのはいいことなのだが、そんだけ人と武器があるなら少しくらい活躍してくれてもいいんじゃね? 俺達と戦ってた人達はどこにいったんだよ。


[やれやれ、私が出ると

 全部片付けてしまうと思って

 本領を発揮したがらない。

 お前達! 自分達だって出来る

 ところを、少しは私に見せて

 くれないか!]


 レイジストが苦労するわけを聞きながら、他の部下達に指示をする。


 先程飛んできた悪魔達なのだが、極端に言えば見かけ倒し。 簡潔的に言えば雑魚とも言える。 何回か戦闘モードに入ったが、こちらが負傷することがほとんど無かった。 というよりもこっちが攻撃を加えれば、1、2体はもう倒してしまっていたからだ。


「なんだか拍子抜けというかなんというか。」

「主様がお強いのです。 そうお考えになられた方が後先考えずにいられますよ。」


 たまたま俺の後ろについていたイサリヤにそうポツリと言われる。 確かにこんなのに負けているようじゃまだまだと言えるだろうな。

 そして再度戦闘モードに入ると今までと雰囲気が変わったのが分かった。


「お? しびれを切らしたか?」


 そういうと、今までの悪魔達とは明らかに違う、どこか魅力的で艶かしさのある悪魔が現れる。 体格も着ている服からはみ出しそうなくらいに出るところが出ている。 俺の知識的勘が間違っていなければ、あれはサキュバスと呼ばれるものなのではないかと察する。 ちらりと後ろをみるとその悪魔が登場した瞬間部下のギャング達が何をされたわけでもなく骨抜きにされていたからだ。


[クスクス。 ここまで

 やれるとは、中々に

 絞りがいのある魂です

 こと。 どう? 今なら

 優しく手解きしてあげる

 けど?]


「断る。 悪魔に魂を吸いとられるなんて真っ平御免だね。」


[あら残念。 折角キモチ良く

 イカせてあげようと思ったのに。]

[悪魔に骨抜きにされ

 ながら死ぬよりは、悪魔に

 逆らって死ぬことにするさ。

 ヒソラ、後ろの部下は

 正直役に立たん。 君に

 あの淫乱を任せても

 構わないか?]


 レイジストは俺に託すことを厭わないようだ。 こりゃ仲間にならなくても支援は期待出来そうだ。


「オーケー。 その代わりあんたの部下、しっかりと正気に戻してあげなよ?」


[元からそのつもりだ!]


 そういってレイジストは前線から離れた。


[あら、3人で来なくても宜しくて?

 男はいくらいても飽き足りません

 ことよ?]

「あの人は自分の部下が心配なんだよ。 あんただって部下が倒されるのを見ていられなくなったんじゃないのか? ま、悪魔の使いなんて、基本は使い捨ての駒だろうけどな。」

[あら、人間のクセに

 非情な事を言うのね。

 私の部下は私のために

 命を投じているの。

 私のために死ぬのなら

 本望であると思うわよ?]


 ふん、やっぱり悪魔的考えか。 当然と言えば当然な答えだったので、特に驚きはしないな。


「ではあなたがいなくなれば、ここの悪魔達は行き場を失ってしまいますね。 おっと、悪魔に行き場などあるのでしょうか?」

[ふん。 貧相な体の

 クセに偉そうなことを

 言うんじゃないわよ小娘。

 さっきあんたはその男を

 主様と読んでいたけれど、

 そんな貧相な体でその

 主様が満足出来るのかしらね?]

「この体でもあなたには分からない魅力を主様は感じ取って貰えます。 それさえあれば私は十分なのですよ。 デカイだけが全てだとは思い上がりもいいところですよ。」


 うわぉ。 今回のイサリヤは随分と攻撃的だなぁ。 後言わせてもらうけれど、俺は別に何にもしてないよ? どこからか期待と軽蔑の眼差しが来てる気がするけれど、一切やっていないと誓えるね。


[いいわ。 ならばその

 男と共に魂を私に

 吸われなさい!]


 そして戦闘が開始される。


[サキュバスの[魅了(チャーム)]

 ヒソラには効果がないようだ。

 イサリヤには効果がないようだ。]


 先制の状態異常も俺達の前には無効だ。 そもそも敵対している相手に魅了されるほど俺は軽い男ではない。 この言葉って普通は女に対して言うんだろうな。


『輝己、最初のあれって今攻略本を見てたんだけど、あんなの最初はしてこないみたいなんだけど。』

『あれじゃないの? イサリヤが挑発したから、自棄になったとか、そんな感じじゃない?』

『その魂胆も無効みたいだけどね。 まあ、これだけの恋人がいればそれは効かないよね。』


 空間の向こうからそんな声が聞こえてくるが今は気にしないことにしよう。 好都合なことに相手のサキュバスは1体。 全集中の攻撃を叩き込めるというものだ。


[ヒソラの「武器変更」!

 左手 フックナイフ

 右手 針刀]

[ヒソラの毒切り!

 サキュバスに71のダメージ!]


 サキュバスに対しての攻撃がかなり入った。 どうやら防御力はそんなに高くはないようだ。 これなら


[イサリヤのフレイムクロー!

 サキュバスに86のダメージ!]


 イサリヤの攻撃もかなりのダメージになった。 しかしこう言った敵の特徴としては厄介だったりもするんだよな。


[サキュバスの毒鱗粉!

 全体に毒鱗粉が舞う。]

[ヒソラに14のダメージ!

 イサリヤに12のダメージ!]


 こっちに状態異常を付けてきたか。 当然と言えば当然ではある。 しかしこれで分かったことがある。 あのサキュバスには状態異常は聞かないという事だ。 それなら攻撃の仕方は単純だ。


[ヒソラの毒切り!

 サキュバスに72のダメージ!

 スキル「逆手」発動!

 サキュバスに72のダメージ!]

[イサリヤのフレイムクロー!

 サキュバスに88のダメージ!]

[サキュバスの[眠りの誘い]!

 ヒソラには効果がないようだ。

 イサリヤには効果がないようだ。]

[ヒソラに11のダメージ!

 イサリヤに12のダメージ!]


 やっばりサキュバスの方は攻撃に関してはあまり驚異にはならないか。 それよりも状態異常の方が問題でもある。 ここで先程の「眠りの誘い」を食らってしまったらそれこそアウトだ。 サキュバスは別名「淫魔」と呼ばれ、眠らせてからが本番であり、それが俺たちにとっては一番の命取りの状態異常だ。 こんなことなら「不眠」のスキルの入ったアイテムでも買えばよかったかな?

[ヒソラは回復錠剤を使った。

 ヒソラは34回復した。]

[イサリヤは回復錠剤を使った。

 イサリヤは32回復した。]

[サキュバスの引っ掻き。

 スキル[回避]発動。

 ヒソラには当たらなかった。]

[ヒソラに13のダメージ!

 イサリヤに12のダメージ!]


『ずいぶんと慎重に事を進めるね。』

『そうだのう。 相手があまり強くないのならこう、思いきりを出してもよいとおもうのだがの。』

『でも・・・敵が・・・どうしてくるか・・・までは・・・分からない・・・ですよ?』

『状態異常の問題があるからね。 下手に回復を怠れば一瞬で持ってかれない。 それを一番危惧しているんじゃないかな? 飛空は。』


 なんだか向こう側がまた騒がしくなっている。 俺は別に好きでもない、ましてや悪魔に堕ちるほどやわじゃないんだ。 それだけの話だろう?


「いかがなされますか主様? イサリヤと致しましてはこのまま叩けるところまで叩いてしまった方がよろしいかと考えますが。」

「その考えには概ね賛成だ。 というか本当に俺に思考が似てきてないか?」

「主様のご期待に添えれればと思ったのですが。 考え方を変えた方が宜しいでしょうか?」

「いや、問題ないさ。 ちょっと意見の相違が欲しかっただけだからさ。 だけどああいうタイプは本来の姿じゃない可能性がある。 ある程度のダメージを与えたら注意しろよ。 戦い方を変えなくちゃいけない場面が必ずやって来ると思うから。」

「承知いたしました。 主様の攻撃です。」


 それだけ伝えるとイサリヤは一歩後方に下がった。 さてと、このままガンガンいきますかね。

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