第288節 逆らいと武器変更、呪文
[お前らの言いなりに
なんか、なってやるものか!]
そう言って俺は、武器屋で「フックナイフ」買った後に改修した武器「フックチェーン」を部下の1人に浴びせる。 「矢尻鎖」と違い、分銅とは逆のフック部分は相手を引っ掛けるのにとても適している。 火力も上がってるしな。
[フックチェーン
攻+30 防+10
一定確率で
相手を拘束可能
投擲可能
相手を引き寄せる
事も出来る]
火力が上がったところ以外は「矢尻鎖」と同じだが、俺の予想では恐らく拘束可能になる確率がかなり上がったのではないかと思っている。 その証拠に、部下の1人に投げたフックナイフの方が、足に刺さっているのが確認出来たからだ。
[き、貴様! 我々に
逆らうことがどういうことか
分かっての行動か!?
気でも狂ったか!?]
「あいにく気ならとっくに狂ってるんだよ。 ちょっとやそっとの脅しくらいじゃ、怯まないくらいにな!」
そう言って俺は部下を引き寄せる。 そしてもうひとつの分銅の方で引き寄せた部下の腹部をおもいっきり殴る。
[がはぁ!]
すると部下は黒い靄となって消えていった。 んー火力が上がったとはいえ、一撃で落とせるとは思ってないんだよなぁ。 多分ストーリーの進行上の話なんだろうな。
[き、貴様! いいだろう!
まずは貴様から葬ってやる!]
そう言って軍隊でガーゴイルが迫ってくる。 そして世界が暗転して戦闘シーンになる。
ガーゴイルが3体表示されているが、実際はもっといることを想定すると、連戦になるだろう。 消耗は避けたいところだ。
ならばと思い先ほど使った「フックチェーン」から「フックナイフ+針刀」のセットにしようと思ったが、そもそも戦闘中な為変更が出来ないじゃないか。 そう思ったとき
「スキル[武器変更]を取得しました。」
[武器変更
所持している武器を
変更することが出来る。
ただし使う武器は
「右手」「左手」で
設定したもののみ。
また、3ターンに一度しか
使えない]
そんなスキルを手に入れた。 つまり3ターン経ては武器を自由に入れ換えれると言うわけだ。 これはなかなか重宝しそうなスキルをくれたものだ。 俺は早速武器を変更して、特技を選び直す。
やつらの厄介なところは基本的には空を飛んでいることにあるが、それを克服する方法はある。
[ヒソラの投擲!
スキル[両利き]発動!
ヒソラは投げナイフを
敵に投げた!
ガーゴイルAに40のダメージ
ガーゴイルBに42のダメージ
ガーゴイルCに41のダメージ
ガーゴイル達は飛ぶのを諦めた。]
思った通りだ。 羽を狙うのではなく、羽の骨格を狙うことで、しばらくは空を飛ぶのが難しくなっただろう。
[ガーゴイルの一斉攻撃!
ヒソラは合計21のダメージ!]
意外と痛いな。 やっぱり長期決戦は向かないか。
[ヒソラの[麻痺切り]
ガーゴイルAに68のダメージ!
ガーゴイルAは倒れた!]
お、結構体力と防御力はそんなになさそうだ。 これならすぐにこれは終わりそうだな。 最初だけは。
[ガーゴイルBの攻撃!
ヒソラは5のダメージ!
ガーゴイルCの攻撃!
ヒソラは5のダメージ!]
やっぱり単体ではあんまり強くはないか。 それならこっちは叩かせてもらうかな。
[ヒソラの[麻痺切り]
ガーゴイルBに66のダメージ!
ガーゴイルBは倒れた!]
[ガーゴイルCの攻撃!
スキル[回避]発動!
ヒソラは攻撃を避けた!]
もうガーゴイルの斬撃の軌道が見えるので、普通に避けられるのだが、これはゲームの仕様上、スキルを使わなければ避けられない。 悲しいな。
[ヒソラの[麻痺切り]
ガーゴイルCに66のダメージ!
ガーゴイルCは倒れた!]
さてと、まずは第一陣は倒せたな。 次の初手は回復に回したいところだ。
[な、なんだこいつ!
人間のくせに、我が
ガーゴイル軍団に
怯みもしないだと!?]
おーおー、軍隊長が困惑してるしてる。 こりゃもう少し押し込めばいけるかな?
「へっ! 魔王の手下っつってもその程度なのか!? そんなんじゃあ、魔王もさぞがっかりするだろうなぁ。」
[き、貴様っ!
おい! なにをしている!
やつの首を掻ききって
こい!]
そうして次の軍団が俺に近づき、戦闘が始まる。
とは言えこの先は初手に俺が回復のために「回復丸薬」を使った以外はほとんど同じ展開なので、語ることなく割愛する。
「回復丸薬」は「薬草」を2つ使って調合した「回復粉」を、さらに2つ使って調合したものである。 薬草4個分使ったと言うだけあって回復力は抜群だ。
ひとつで現体力の半分ほどは回復できる。 だが、もっと強力な薬草が手に入れば、流石にお役御免になるかもしれないが、今はとても重要なアイテムだ。
[くっ・・・たった
ガキ1人に俺の部下が
手も足も出ないなど・・・]
さてと、そろそろ隊長が来てくれないかなと、剣同士をカチカチと鳴らしていると、
[ふん! だが、そんな
事ももう関係ないわ!
何故ならばここには
魔方陣に入っている
人間なんぞと言う
下等種族とは比にならない
程の同胞がいるの
だからな! 多勢に無勢
とはよく言うが、まさに
この事だろうな!]
確かに、これだけの異種族を相手するとなるとかなり面倒だ。 しかもここの住人であるが故に、傷つけてしまっては、ここの領主に申し訳が立たない。
[さあ行くのだ! 同胞諸君!
人間なぞ我々の敵では
ないことを、知らしめて
やるのだ!]
そうガーゴイルの隊長がいった瞬間だろうか。 その顔に水がかけられた。 その水を出した方向を見ると、上半身が人で、下半身が魚の姿をした、人魚の子供が、地面から数センチ浮きながら、その隊長に手を出していた。 あの手の先から水を出したのだろう。
[僕らは人間をそんな
風に思ったことなんてない!
僕らはお前たちみたいな、
人間に悪いことをするやつらと
なんて、同じじゃない!]
威勢がいい少年である。 それに呼応するかのように、今までなにも出来ていなかった異種族の人達が、ワッと声をあげていた。
[そうだ! 俺達は
魔族のいいなりに
なんかならないぞ!]
[私たちには私たち
なりの生き方があるの。
それを邪魔しないで!]
それからはああだこうだのてんやわんやである。 どうやらここの異種族の人達は、人間種族が異種族の人達を見捨てるのを拒んだように、人間種族の人達を拒みはしないようだ。 いい関係が作れているじゃないか。 クライト領主。
[えぇい! やかましい!
そこまで人間と一緒に
いたいのならば、貴様ら
にも同じ目にあってもらうぞ!]
「おっと! そうはさせるかよ!」
新たに魔方陣を展開しようとしたその刹那、俺は「フックチェーン」に切り替えて、ガーゴイルの隊長の右腕にチェーンを絡ませる。
「お前の相手は俺だ。 これ以上被害は出させないぜ?」
[ぐぐぐっ!
いいだろう! この
俺が直々に相手をしてやる
のだ! 簡単には殺しは
しない。 じわりじわりと
なぶり殺しにしてくれるわ!]
そういうやつの台詞って、大抵自分が一撃で仕留める方法を持ってないときなんだよね。 さてと、このゲームで2回目か? 中ボス戦は?
[ヒソラはどうする?]
せっかくだ。 このまま「フックチェーン」で戦闘しよう。 まずは相手の動きを制限しないとな。
[ヒソラの[縛り上げ]!
ガーゴイルリーダーに
31のダメージ!
ガーゴイルリーダーは
身動きが取れない!]
流石に攻撃力はないか。 でもこれで相手は剣を振るうことが出来なくなったな。 狙う場所を間違えて羽までは巻き込めなかったけど。
[ぐっ! 離せ! この!]
空中でじたばたしている。 そんな簡単には外させないぜ。 縛っている方の鎖をおもいっきりこちら側に引っ張り、きつく締め付ける。
[ガーゴイルリーダーに
19のダメージ!]
おっ、これでダメージが入るのか。 なら2、3ターンはこの攻撃が一緒に付与されるな。
[なめるなよ小僧!]
[ガーゴイルリーダーの
[ウィン]!]
まだ残っていた口から風が吹き荒れる。 呪文か! そう言えばここにくるまでに何度か経験していたな。 ほとんど火力がないからあまり気にしていなかったし、そもそも自分が魔法使いではないので、呪文に関しては少し無頓着だった。
[ヒソラに25のダメージ!]
くっ、呪文に耐性がないからかダメージは痛いな。 また呪文についても知っておかなきゃな。
[ハハハ! 痛かろう!
貴様のようなガキに
上級呪文など使わなくても
これで十分だ!]
どうも勝ち誇ってるようにも見えるけれど、そこまで言うならこっちだって証明してやるさ。 その傲慢さがいつまで続くかね!
呪文については、今後それなりに出していこうと思います。
今までの道中の敵は呪文を使わなかったということにしておいてください。




