第283節 新スキルと新武器、新特技
[トレントを倒した。
30の経験値を取得!
ヒソラはレベルアップした!
Lv17→18
攻34→35 防22→24 素55→58
H78→82 M23 運28
特技 毒切りを取得!
特技 麻痺切りを取得!
特技 睡眠切りを取得!
スキル 効果継続を取得!
20G取得。]
先程の戦闘終了時にレベルが上がり、色々な特技が付与された。 というか全部状態異常系の攻撃だな。 長期戦になる前に基本は決着がつくようになったが、やはり敵が敵だった場合のことは考えておきたい。 お陰で今の薬草の回復力では間に合わなくなることだってある。 調合は失くなり次第作ってはいるが、そろそろ別のスキルが欲しいところだ。
「っと、とりあえず調合はしておこう。 薬草を2個使うよりは断然速い。」
そういって俺は薬草の調合を始める。
調合と言っても意思やら何やらで粉にするような作業はなく、目の前で何個かの薬草が粉の状態になるのを、止めるまで眺めている現状だ。 そろそろ別のものも調合したいなぁ。
[ヒソラの調合スキルが
上がりました! これにより
スキル「加工」も可能と
なりました。]
お? 調合を繰り返していたらスキルアップした。 なるほど、特殊なスキルは熟練度合いによるものだったのね。 それで? 「加工」とはどんなスキルなんだ?
[加工 簡単な金属や鉱石などを
別のものに代えることが出来る。
ただし、加工したものを元に
戻すことは出来ない。
材料が揃っていれば武器を
作成することも可能。
(大掛かりな武器は不可能)]
よし! ここまで出来ればやりたいことが出来る! そう思い、俺はアイテム欄のウィンドウを出して、目的に使うものを取り出す。
アイテムの内容は「鎖」「折れた矢尻」そして「鉄鉱石」だ。 鉄鉱石は投擲物に使えるかと思い、ちょこちょこ拾っていたものだ。
加工の力の最大の力はその加工能力。 まずは「鉄鉱石」を大きめの「分銅」を作成する。 ここで「加工」のスキルを使っているのは、自分が思い浮かべたものを具現化出来るものだが、勿論ながら出来ないものもあった。 それを踏まえた上で次に鎖と分銅を一緒に持ち、頭にイメージを思い浮かべる。 すると手の中の2つのアイテムは光出して、俺の思い通りの武器「分銅鎖」が完成した。
[分銅鎖
攻+10
一定確率で相手を
拘束状態に出来る。]
拘束という言葉を久しぶりに聞いたぜ。 そもそも俺の現実世界、正確には電脳世界での最初の武器は拘束武器だったもんなぁ。
染々としているが、まだ完成ではない。 もう一つのアイテム「矢尻」が残っているからだ。 「加工」のスキルの真骨頂見せてやる。 頼むぜ、俺の思い通りの武器になってくれよ?
そして手の中で光だし、光が消えた後に出てきたものは、鎖の両端に分銅と銛の剣先のついた武器が完成した。
「よっしゃあ!」
『うお! なんやねん! 急に!』
どうやら俺の喜びの雄叫びは画面の向こう側にも届いたようだ。 一応こちら側では夜明け状態になっているが、向こうではそんなに時間が経ってないんだろうな。
「あぁ悪い。 ちょっと思い通りになったことにテンションが上がっちまった。」
『その飛空の持ってるものは何よ?』
「あぁ、こいつか? こいつは・・・」
[矢尻鎖
攻+20 防御+10
一定確率で相手を
拘束状態に出来る。
投擲可能
相手を引き寄せて、
そのまま攻撃に移ることも
可能。]
そんな説明文が現れる。 こいつはしばらくは俺の相棒になることだろう。 あ、でも武器としてはこれなんの部類に入るんだろ?
「なぁ輝己。 こいつってどういう武器になるんだ?」
『そうやなぁ。 攻略本通りにいくんなら、そいつは「鞭」の部類に入るな。 分かってると思うが、武器によってそれぞれ特技が違うから、撃とうと思った特技が撃てないなんて事だけは注意しいや。 しばらくその武器でいくなら、もう少し慣らしとき。 スキルが出んことには多分使いにくいで? その武器。』
それもそうだなと改めて思った。 この武器が作れたらストーリーを進行しようと思ったが、さすがになんの特技も無しに突っ込みに行くのは、無謀というものだ。 まだしばらくはアンスラーの街に帰れなそうだ。
[一目虎を倒した!
50の経験値を取得!
ヒソラはレベルアップした!
Lv19→20
攻36 防25→26 素59→63
H85 M23→26 運28→30
スキル回転鎖を覚えた!
特技先刺しを覚えた!
特技縛り上げを覚えた!]
このレベルになってからか、武器の使いが慣れたのか、ようやく特技とスキルを覚えたようだ。 俺の中での体感時間は約2日かかったが、向こうだと2時間くらいのようだ。 矢尻のついた方は最早しなる剣のような使い方になって、微妙にダメージが伸びないし、分銅の方だと戻すのに苦労した。 なお投擲可能と書かれていたが、矢尻鎖をそのまま投げるのではなく、矢尻か分銅のどちらかを相手に向かって投げるだけなので、実際には手元にはある状態なのだ。
しかし俺自身も鞭自体は初めて使うので、本当に慣れないと扱えない武器だと知った。 たまに見かける馬術用のはもっと短いからな。 こんなに長いのを使うのは・・・・・・ 嫌な想像が出たのでやめよう。 どっちみち調教用には使われることに変わりはないし、これはどちらかと言えば鎖鎌のイメージで作ったものだ。 そっちよりに使いたいところだ。
『どうや? 2時間位必死こいてその武器使った感想は。』
「ぶっちゃけて言えば使いづらいことこの上ない。 あとそっちでは2時間でもこっちでは2日間ずっと戦いっぱなしだから、さすがに疲れるわ。 精神が。」
『ご苦労なこって。 んで? 新しい特技とスキルは使えそうか?』
「それを試すためにも、まずは敵と遭遇しないと。」
俺はその辺りを適当に歩き回る。 すると目の前の空間が歪み始めて、そこから敵が湧いてくる。 どうやら現実で見ているような感じを、ゲーム内では空間から現れるという仕組みになっているらしい。
このゲームの敵の出現方法はランダムエンカウントなので、実際に再現するとこういうことなのだろう。
[人食い草が現れた!
凶変リスが現れた!]
おっと、ここでそこそこ強い凶変リスが来たのはありがたい。 人食い草ではすぐに終わってしまうからな。 特技をぶつけるにはもってこいだ。
[ヒソラはどうする?]
ウインドウが現れるが、ここはやることは決まっている。 狙いを凶変リスに定めて、俺は矢尻のついた方の鎖を回し始める。
[ヒソラの先刺し!
凶変リスに37のダメージ!
凶変リスは傷を負った!]
先刺しにはどうやら特別な効果が存在し、相手に傷を直さない限り、出血ダメージを付与するようだ。 だが一定確率のようで、なかなか当たらないのが現状のようだ。 だが、これで凶変リスは後1ターンもあれば倒せれるだろう。
[凶変リスの攻撃!
ヒソラに8のダメージ!]
ここまで防御をあげていると、ちょっと痛い程度になるんだな。 防御様々だぜ。
[人食い草の「溶解液」!]
人食い草の口に当たる部分から、緑色の液体を吐き出す。 これが「溶解液」で、ダメージは少ないが、しばらくの間、毒状態が付与されてしまう厄介な攻撃だ。 これのおかげさまで、調合して作っていた「漢方薬」が底を尽きそうになっていたのだ。 解毒草はなかなか原生では取れにくいので、勘弁して欲しいのだが
[スキル「回転鎖」発動!
溶解液は当たらなかった。]
おお、自動スキルか。 恐らくは一部の飛ばし攻撃にたいして発動するのだろう。 分銅のついた方を手の捻りを利用してブンブンと回転させるように振り回して、簡易的な盾をつくり、飛んできた溶解液を相殺したのだ。 こうしてやっていると、ビームだろうがミサイルだろうが防げそうな勢いがあるな。 アニメの影響かな?
とにかくこれでスキルの内容も分かったので、そのまま戦闘を続け、敵を倒して、また1日分費やしてから、そろそろ本題に入ろうとアンスラーの街に戻ってきた。
「早速ストーリーを進めたいところだが・・・今はちょっと辛いな・・・ ゲームのなかで眠くならないようになっているとは言え、精神的には参るなぁ・・・」
『それなら、聖堂で、記録を行って、から、宿屋でお休みに、なられたら、どうですか?』
『おう、俺もその方がいいと思うで。 お前さんが泊まって寝ていても、こっちからしたら一瞬の出来事になるからな。 定期的に寝た方がええで。 お前さん自身の為にもな。』
「そうか? ならそうするか。」
みんなの後押しで俺は聖堂でお祈りをした後、宿屋に行って、宿泊代を払い、そのままベッドに入り、眠りについた。 旅はまだ長いし、休めるときに休まなければ本当に精神的に参ってしまう。 眠る前の微睡みで休息が出来ることに感謝した。
新しい物が手に入るとなんだか興奮してきますよね。
今回新しく手にいれたスキル「回転鎖」を思い当たるに至った経緯は、「襲撃者」を意味するロボットが使っていたのを頭に浮かんできたからです。
これだけで分かる人には分かります




