第23節 集合とショッピング、衝動買い
学校から歩くこと30分。 ホントに距離があるなぁ。 しかしなんとか着いたようだ。 鮎とはここに来るまで色んな話をした。 まあ色んな話と言っても前回の戦いの話ばかりだったけれど。
内容としては「チームとしてどうだったか。」「もしもあの場面で」「あのラストについて」だった。 特に最後のは気合を入れるためであって決して見せるために穿いてきては無かったとのこと。 ここが夭沙の言っていたズレか。 確かにそんなの想定して穿いてくるわけないもんな。
そんなこんなで目的の建物の目の前に来た。 大型のショッピングモールと言った方がいいんだろうか。 入口の部分が開けっ放しなのかと思ったら、電子ドアっていうのか? 入口にノイズが走ってる様な感じになっている。
「時間には早く着きすぎたみたいだな。」
「ならまあ待ってましょう。 そのうちに集まるでしょ?」
まあそれしかないんだがな。 太陽が照らす元の下、友人を待つのも少し苦痛かも。 そう思っていると、向こうから手を振りながら来る人物を見つけた。
「お待たせしました。 ちょっと準備に手間取っちゃって。」
「いや、俺らが早いだけだから気にしちゃいけないよ。」
息も切れ切れに謝罪する夭沙に弁解を述べてあげる。 夭沙の服装は半袖シャツに半袖パーカーでハーフパンツという、少し夏の先取りをイメージさせる服装だった。
「・・・・・なかなかに可愛いな。」
「ふぇ!?」
あ、いかん。 心の声が漏れた。しかもかなり小声で言ったはずなのに聞こえてたんか。
「あ、ありがとうございます・・・飛空さん・・・」
あらー 縮こまっちゃった・・・・
「飛空さんって意外と天然タラシだったりしますよね。」
女神の小声がヘッドホンから聞こえる。 前の世界ではそんな事無かったんだけどな。えぇ・・・・?
「むぅ、私にはそんな言葉かけてくれなかったのに、 夭沙にはスグに言うのね。」
なんか鮎に頬をむくれられてしまった。 鮎の格好は紫のワンピースだった。もちろん可愛いが状況が状況だったため言えなかったという訳では無かったのだがそんな事を言う前に出発してしまったんだから言える猶予もない。
「そういえば2人はなにか買うものはあるのかい?」
話題を唐突に変えたことにより鮎の機嫌がまたよろしく無くなってしまったが今回ばかりはしょうがない。 なんか買ってあげようと謝罪も込めて考えた。
「あ、私は今後の為にノートとシャー芯、後は目薬と化粧水かしら。」
「あとは私服関係かしらね。 新しい歳になって中学の格好ってわけにもいかないしね。」
ふーん まあそういうものかな? 女子だしそのへんは気を使うんだろうな。
「お、あれとちゃう?」
聞き覚えのある声がしたので見てみると、そこには輝己、海呂、啓人の3人がいた。
「おはよう飛空。」
「おはよう海呂。 もうそんな時間になってたのか。」
時刻をみると、10時20分 本来なら10分早いが、そんなのは些細な事である。 待たす人間よりも待つ人間になるほうが俺的にはマシだ。
「うっす飛空。 もしかしなくても飛び入りの2人って」
「私たちの事よ。 輝己君」
「お、おぉ、なんや女子に名指しされるとなんか照れるなぁ。」
「前回の戦いの事もあるから女子に不信感を覚えてたかも。」
「それは失礼じゃないかな?啓人。 全員が全員そういう子じゃないんだし。」
「分かってはいるんだけどね。 どうも先入観というか、前が酷かったというか。」
集まった途端に会話がそこかしこで弾んでいる。 買い物が目的なんだからここで立ち往生しなくてもなぁ。
「・・・よし! みんな集まったことだし早速買い物をしちゃおうぜ。」
「そうだね。 僕もちょっと楽しみだよ。」
そういって俺たち6人は店の中へと入る。
「ほわぁ。見た目通り中も大きいなぁ。」
ショッピングモールと言うくらいだしこれぐらいは大きくないとおかしいというものだ。 とりあえず当面の目的の場所を知るために、マップを全員で見る。
「薬局は2階みたいだね。 あ、でも眼鏡屋は3階で逆方向だ。」
「スポーツ用品店は・・・おっ!この店ここが入っとんのか! やったで!」
「お姉ちゃん、服屋はここみたいだね。」
「あ、こっちも見ておきたいかも。」
「雑貨屋はここかぁ。 なんだかんだみんなバラバラになっちゃうね。」
「どっかに集まればそれでいいだろ。 連絡手段はあるし。 あ、夭沙達は入ってないな。 せっかくだからここで交換しちまうか。」
みんな行き先が決まった所で連絡手段と、とりあえず時間と待ち合わせ場所も設定しておく。 なにかあったらその都度連絡と言うことで。
行先はみんなバラバラで海呂は4階の雑貨屋。 輝己は2階のスポーツ用品店、啓人は3階の眼鏡屋。 山本姉妹は3階の洋服店を見て回るそうだ。 ちなみに俺は靴を新調したいとふと思い、1階の靴屋に行くことにした。
とは言っても実際に欲しい靴はオシャレ用ではなく活動用だ。 履きやすい物が今はこれと言ってないのだ。 まあ無難にスニーカーだろうなこういう時は。 靴ズレしにくくてそれでいて底が厚いのがいいな。 俺の歩き方だと多少靴底を剃ってしまうからな。 消耗品とはいえ妥協はしない。 色合い的には黒がいいな。 んーこれかなぁ。 うんこれにしよう。 手に取った黒のスニーカーをとり、自分の足のサイズの物がないか確認を取ってもらい、ちょっと大きいのがあったので、そっちを購入した。
さて、後必要なものは・・・・・・ チラチラと色んな店の様子を見ていると、園芸用品の所でイバラの事が頭に出てきた。
「・・・・・観葉植物に肥料っているかな?」
吸い込まれるように園芸用品店に入った。 別段今の自分に必要なものではないのだが、何故だが入っていた。
イバラが持っていたジョウロじゃあ、いくらあの小さい花壇でも何回か組み直さきゃいけなくなるよな。 なら少し大きめのジョウロを買ってあげよう。 後はスコップに、暑いだろうから麦わら帽子も買って、後は肥料だけれど、なにが効果的かな? でも観葉植物だろ? うーん意外と種類が多くてなにがいいのか・・・・・
「なにかお探しですか?」
声をかけられてハッと我に返る。 そんなに迷っていたのかな?
でもこういう時は少しでも知識のある人に聞いてもらうのが一番だ。
「あの、観葉植物に肥料を与える時ってなにがいいですかね?」
「観葉植物ですか。 種類にもよりますが基本的にはやはり安定する肥料の方がいいですね。 多くのお客様はIB化成肥料を買っていかれますがいかがなさいますか?」
「ではそれで。 あ、そんなに大きいのではなくて、小さいので大丈夫ですので。」
その肥料とジョウロ何かを購入した。 その前にプランターだの、他の花の苗などを買わされそうになったが、そっちは目的ではないので必要最低限のもので留めておいた。
「なんだろう。 自分の物になる訳でもないのに、買ってしまった感が否めない。 ・・・・・イバラの事がよぎったからかな?」
「・・・・・・・女の子に貢ぐのは程々にしないと後々後悔しますよ?」
小言がヘッドホン姿の女神様に聞こえてたみたいでなんか返された。 失礼な。 そんなおいそれと貢ぐ男じゃ無いわい。・・・・多分・・・・・
時計を見ると集合時間が迫っていた。うお、そんなに長い時間見てたんか? 遅れると面倒だ。 1度集合場所に行こう。
集合場所はフードコートの入口にしていた。 フードコートはお昼時ともあって賑わっていた。 時間的にも昼時だから席確保出来るかな? そんな事を考えながら、集合場所に行くと、男子3人がそこにはいた。
「おや、最初に到達していた君にては随分遅いじゃないか。」
「そういうことは言わたくてもいいだろ海呂。 約束時間はもう少し先なのだからさ。」
「集まるだけでも大したもんやで? と言うよりも意外と多いな。なにをそんなに買っとんねん。」
「ああ。 まぁちょっとな。」
これと言って買う理由が無かった園芸用品だが、何故だが買っておこうと思ったまでの話なのだ。
「ごめーん。 もう時間過ぎちゃった?」
その声に振り返ると、片手に紙袋を持った山本姉妹が走ってきていた。
「いや、時間ピッタリだよ。 心配はないよ。」
「ほんと? 良かったぁ。」
「もう。お姉ちゃんは選ぶのに時間かけすぎなんだよ。」
「そういう夭沙だって何の服にしようか凄く迷ってたじゃないの。 誰かに見せるわけでもないのに。」
「おいおい。 ここで喧嘩するなよ。 とりあえずお昼にしようぜ。」
喧嘩になりそうになる所を中断させて、席の確保のためにみんな動いた。 途中夭沙が重たそうに紙袋を持っていたので持ってあげようと思ったら「大丈夫」という言葉で持ち直していた。 ホントに大丈夫かなぁ?
「あの中には下着も入ってるから見られたくなかったのよ。 ふふ、そういう所はまだ鈍いみたいね。」
いつの間にか隣にいた鮎にそう耳打ちされた。 ・・・まあそういうことなら納得出来るわ。
なんとか投稿することが出来ました。 私生活で少々精神不安定になっているのですが、執筆活動は地道に頑張って行きます。




