表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第20章 ここは冒険諸島クェスタラ
222/348

第215節 サウスターと登録、職業決定

 サウスターのギルドに着いた俺達一行は、まず最初に窓口へと向かう。 そこまで行く間に、左方向を見ると、俺らと同じくらいの男女が掲示板に集まっており、右を見れば、これまた同じく掲示板をみている人だかりが見えたが、こちらはどちらかと言えば屈強な体をした人たちで溢れかえっていた。 多分ここを境目に初級者と中級者に別れているのだろう。 俺達が最初にみる掲示板は左側ただろうな。


「こんにちは、ようこそサウスターのギルドへ。」


 受付カウンターにいた、赤髪ロングで褐色肌の受付の人に声をかけられる。


「こんにちは。 僕達、冒険者として登録したいのですが、それにさしあたって、皇女様から封書を貰いまして、良かったら内容の確認をお願いできますか?」

「皇女様からの直々の名ですね。 少々お待ちください。」


 そう言って受付の人 (もう受付嬢って呼ぼうかな? 面倒だし)書面を持って奥へと入っていった。


「楽しみだよねぇ。 どんな風になるのか。」


 文香がそう言ってきたすぐ後に受付嬢が戻ってきて書類やら何やらを持ってきてくれた。 なにもひとりでやらなくても良かったのでは?


「ではまずは冒険者として登録するため、こちらの身分証明書に記入をお願いします。」


 そう言って紙とペンを渡される。 さすがに受付で書くのは邪魔になるので適当な場所で書面を書く。 ここに書くのは名前、生年月日など本当に簡単なもので、最後に「身体欠陥や死亡した場合の責任は自己管理でお願いします。」との契約も了解をする。


 最後のは「命に関わること」、依頼によっては害獣討伐も入る。 なので怪我をするのも自己責任になる。


 とりあえず書面に書いたところで受付嬢さんに全員渡す。


「ありがとうございます。 これによりあなたたちは冒険者としてこの島で生きていく事になります。 では続きましてこちらの水晶に手をかけていただきます。」


 代表として俺が最初に水晶に触る。 すると受付嬢側の方になにかが書いてあるらしく、うんうんと頷いていた。


「なるほど、ではあなたに合う職業は、「罠師」もしくは「奇術師」のどちらかになります。」

「あの、一応聞きたいんですけど、それは何を基準にして選んでるんですか?」

「申し訳ありません。 では説明させて頂きますね。」


 職業については個人のステータスを元に選ばれるらしい。 ちなみにステータスは六角形のレーダーチャートを使って分かるらしく、ステータス内容としては


 狩りをするのに適している「戦闘スキル」


 造る事に特化とした「調合スキル」


 家事から掃除までなんでもござれ「生活スキル」


 機械を造るのも操るのもお手の物「電工スキル」


 仕事をするにはまず強靭な肉体が必要「体力スキル」


 己の知識を解き放て「頭脳スキル」


 その6つを10段階評価をつけ、それぞれで内容が変わるようだ。 そして人には特化したスキルを所有している事が多い。 戦闘スキルが高いなら「狩人」、調合スキルが高いなら「錬金師」とスキルに合わせた最小限の資格が貰える。

 俺はそのスキルのなかで調合スキルと頭脳スキルの2つが高かったようだ。 戦闘スキルもそれなりに高かったようだが、適正スキルとしては少し低かったようだ。


 それで俺に提案された「罠師」と「奇術師」についてだが、「罠師」は狩りの時に、敵にたいして自分達が有利になるように拘束したり、動きを鈍くしたりするための仕掛けを造るのに長けた職業になる。


 そして「奇術師」は敵の状態変化や相手の注目を浴びせ、自分はその攻撃を避けるといった陽気な人を演じるのだそうだ。


 俺はその話を聞いて「奇術師」を選ぶことにした。 多分戦闘以外でもお世話になりそうな予感がするし。 劇団とか。


「あなたが津雲 飛空さんですか?」

「はい、そうですが?」

「ではあなたには「クランマスター」になるための手続きを引き続き書いてもらいます。 皇女様の名は確かに確認いたしましたが、これも公約ですので。」


 そんなことならお安いご用だ。 受付嬢さんから別の書面を受け取り、公約の内容を確認したのち、クランマスター名の所に俺の、メンバー名の所に今いるメンバー全員の名前を付け加える。 これと後から入ってくるメンバーについてはクランマスターである俺を通してメンバー登録が必要となる。


 書面を書き、受付嬢さんに渡す。 そして確認をしてもらった後


「はい! ではこれにて個人、及びクランの登録を終了致します。 こちら津雲さんのギルドカードとなります。 依頼を受け取りたい場合は受付左の掲示板をご覧ください。 それでは。」


 そう言って受付嬢さんは受付へと戻っていく。


「これで全員登録し終わったね。」


 海呂の声で振り替えるとみんなそれぞれのギルドカードを持っていた。


「色々と職業も選べたけれど、やっぱり自分の戦い方にあった職業の方がいいわよね。」


 紅梨の言葉にみんなが頷いていると先ほどの受付嬢さんがこちらに向かって走ってきた。


「ご、ごめんなさい皆さん。 まだやらなければいけない項目が残っておりました。」


 その言葉になんだなんだ? とみんながどよめく。 これ以上なにがあるのだろうか?


「これから皆様にこの島での依頼を達成しやすくするための「副職」と「身体強化」を行いますので、今一度ご協力よろしくお願いします!」


 そう言って頭を下げられる。 これから早速依頼を受けようかと思っていたが、そちらの事情があるのなら仕方がない。 改めて説明を受けた上で再度ギルドカードを渡す。


 副職とは自分のスキルに合わせたもの、もしくは身体強化による特技として選ぶことがあり、狩りにも役に立つのだそうだ。 そんなこともあり、みんな先ほどと同じように真剣に悩んでいた。


 そして、最終的に決まったのが


 俺 (津雲 飛空)職業「奇術師」 副職「鑑定士」 身体強化内容「慧眼」


 海呂 職業「アサルトガンナー」 副職「バックパッカー」 身体強化内容「筋力増強」


 輝己 職業「ナックラー」 副職「スタントマン」 身体強化内容「フットワーク」


 啓人 職業「スナイプガンナー」 副職「設計士」 身体強化内容「空間把握能力」


 紅梨 職業「ボマー」 副職「爆発物取扱者」 身体強化内容「素材把握」


 白羽 職業「ヒーラー」 副職「セラピスト」 身体強化内容「身体状況把握」


 鮎 職業「風術師」 副職「天気予報士」 身体強化内容「敏感肌」


 夭沙 職業「諜報員」 副職「筆写師」 身体強化内容「地獄耳」


 イバラ 職業「ヘビーアーマー」 副職「フラワーデザイナー」 身体強化内容「目利き」


 瑛奈 職業「絡繰師」 副職「料理人」 身体強化内容「味覚強化」


 エレア 職業「スピードスター」 副職「ダンサー」 身体強化内容「柔軟性」


 文香 職業「水術師」 副職「消防士」 身体強化内容「危機感知能力」


 となった。


 なんか大半のメンバーが「目」に関する強化が多すぎる気がするんだけど。 まあ戦闘以外での依頼もあるし、一概には言えないか。


「なんだかハローワークに来てるみたいだな・・・」


 実際にそうなのかもしれないが、まあ分からないものだし、こっちの世界がそんなことを考えてるとはあまり思えないので、心の中に閉まっておこう。


「そういえば飛空。」


 決まった途端にみんなは初心者用の依頼掲示板に走っていってしまったので出遅れた俺と、多分もう少し混雑が引いたところで行こうと思っていたのだろうエレアが残っていた。


 エレアについてなのだが、本来は年齢が足りないため登録が出来ないのだが、俺達の誰かが監督として、ひとりで依頼を受けさせないという条件下で特別にギルドカードを作ってもらえた。


 同じようにイバラも少し悩んでいたが、かなり人に近いということでイバラも作ってもらえていた。 それに関しては少しばかりホッとしている。


「わらわたちのクランの名前とかはあるのかの?」


 そう問われた。 確かに無名で名乗っていくのは無理があるな。 俺達らしいクラン名ねぇ・・・


「ウィーク・・・ワーク・・・」


 曜務を直訳してみたが、案外しっくり来たかもしれない。 まあそんなに長い期間滞在するわけでもないし、クラン名はウィークワークってことにしておくか、これ以上考えるのも面倒だし。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ