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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第2章 曜務電脳統合高校生徒会
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第20節 先輩の武器と終了、ハプニング

最後の方はちょっとしたお色気を。

 先輩の腕が一瞬光った。 武器を切り替えた証拠だ。 だけれども武器がどこにも見当たらない。 どういう事なの?


 そう思っていると、先輩は何も無い所を急に回し蹴りし始めた。 一体何をして・・・・・・? 一瞬何かが飛んだように見えたけど。


 スコープを外して、シュートミサイルに持ち替えて、サイトを覗き返す。 あれは・・・・ボール? いやあの形は・・!


 そう思った瞬間「ボシュゥゥ」という音と共に煙が出てきた。 煙の色が灰色ではないので、普通のスモークグレネードではないのはすぐに分かった。あの煙は危険ね。 急いでこの場所から離れて、


 ボシュゥゥ


「なっ!?」


 自分の進路方向に煙が現れた。 しまった!? 囲むようにあのグレネードを撒いていたの!?


 進路方向だったので、急に止まることが出来ず、煙に突っ込むように入ってしまった。 口元を覆ったがもう遅かった。 煙を吸ってしまった。 微量だけど、凄く脳に直接来る感じがして気持ちが悪くなってきた。 とにかく脱出しなきゃ。 脱出するために地を思いっきり蹴って煙からは逃れられた。


「・・・・・・・え?」


 確かに私は煙からは逃れられる事は出来た。だけど住宅街の景色が変わっていなかった。 いや正確には()()()()()のだ。


「・・・・・なんで? 私()()()()()()地面を蹴った筈なのに・・・・」


 前に行くはずが逆に戻された。いや後ろに下がるように地面を蹴っていた事になってしまった。


「驚くのも無理はないわ。 この煙はね、神経毒の混じった毒煙なの。 そしてそれを少しでも吸うと脳から出した信号と反対の行動を体が取るの。まああくまでも行動だけだから言動までは変わらないわ。 相手が混乱状態になることから「コンフュージョングレネード」って呼ばれているわ。」


 先輩の言葉は分かるが、「反対の行動」という言葉にかなり不確定的なものを感じだ。 なぜなら全てにおいて行動や言語などは曖昧なのだから。 前に行くの逆が後ろに下がる。このような単純なものはあるが、「飛ぶ」という行動は反対の行動と呼べるものが存在しない。

 なので、先輩の言う「反対の行動」とは即ち「その行動に反する行動をする。」ということなのだろう。 ここは下手に動かない方がいいかも。


「あら、動かないのね。 確かに何をするか分からない状態下では動かないのも手の一つ。 だけどね、それは敵の的になってしまう事と同じなのよ!」


 そんなのは分かっていますよ先輩。 私だってこのまま見逃す敵なんてタダの馬鹿だと思ってますので。


「何か策がありそうだけど、そうはさせないわよ?」


 先輩が何かを構えながらこちらに上から空襲を仕掛けてきた。 あれは・・・弓よね。 先輩が弦を離して矢がこちらに飛んでくる。 しかし先輩、距離が遠すぎましたね。 いくら矢が早くてもある程度見えるなら、避けれるんですよ。

 私はまだ混乱の効果が切れてないと思い、「右に蹴る」と脳で考えて、行動としては「()()()()()()()」その感性を利用して矢を間一髪で避けた。少し掠ったもののこれで・・・・・っ!?


「なにこれ・・・・・? 急に体が・・・・・重たく・・・・・っ。」

「掠っただけだと思って油断したでしょ? どう?私のロングスタイル「変化弓」と「重力矢」の力は。」


 近づかれる前に逃げようとするけれど、体が重くてさっきの混乱とは違う動きにくさが出てきた。


「これで私の武装紹介は終わり。 じゃあ決着を付けましょうか。」

「くっ!」

 先輩の方へ動かせる力を使って右手のなけなしのハンドガンを発砲するが当然当たらない。 そしてそんな事に苦悩していると、視界から先輩が消えた。


「これで終わらせるわ。」

 後ろに回り込まれた!? 動こうにも体が重くて1歩体を出すので手一杯だった。


 逃げられないと悟り、背後からの先輩の強烈な一撃を貰った。


「がっ・・・・・はっ・・・・・」


 この一撃で・・・・残ってた体力を全て・・・・持っていったっていうの・・・・・? もう立てる体力すら残っておらず、そのまま私は量子化した。


 ――――――――――――――


「最後はドライビングフォースとキックブースターの相乗効果によるライダーキックで体力を一気に持っていったか。」

「ライダー・・・・・・なんやそれ?」


 それの独り言に倉俣先輩がツッコミを入れた。 あれ? こっちでは普及していないのか? ここでギャップが出て来たのか。


 そんな事を思っていると、両方のドアが開いた。 どうやら2人が戻ってきたようだ。


「ふふん。 なかなかに楽しめる試合だったわ。」

 志摩川先輩がとてもニコニコした様子でこちらに駆け寄ってきた。


「ふん。 半分の実力も出してない人間の言うことではないぞ。」


 あれで半分以下の実力なのか。 見た目に寄らず結構強そうだな。 怒らせんようにしないと。


 それと対称的にこちらにトボトボと歩いてくる夭沙がいた。 まあ負けてショックなのもあるんだろうな。生徒会の条件が分からないままやっていたわけだし。


「あぁん。夭沙ちゃん、そんなショボくれないで。 ほら私が慰めてあげるからぁ。」


 そういって抱きつきに歌垣先輩が夭沙に駆け寄った。 それ逆効果じゃないですか?


「あ、相変わらず空気の読めない、お、女ね。」

 夕暗先輩が抱いている歌垣先輩のことを見ながらそういった。 うんそれはとても思います。


「負けたのだから気を落としてもしょうがないんじゃないかな。 しかも本気を出していない相手に対して。」


 志狼先輩が夭沙をみてそう分析する。 確かに「全力でやるから」と言った相手が実は本気じゃなかったって一番ショックが大きいはずだ。 こちらは全力を出したのにだ。


「全くややこしい事をするものだな、お前も。その点ではこちらの条件の方が分かりやすい。」

「あんたの場合は間接的なものじゃない。私は直接的なものだからいいの。 あぁ、夭沙ちゃん、落ち込んでる所申し訳ないんどけど、生徒会には入れるわよ。」


 夭沙が「え?」という表情をしていた。

 そら負けて入れないのを覚悟した上でのあの発言は分からなくなるもんだよ。


「さーて全ての事が終わったから今日はこれにて解散! 明日から詳しい事を話すからまた放課後この生徒会室に集合ね。そうと決まれば生徒会室から退出した退出した。」


 そう言われては仕方ない。とりあえず出よう。


 最後に出てきた夭沙に声をかける。


「あぁ、なんか良かったな。 お互い生徒会に入れて。」

 なんか返しにくいな。 こういう時なんて言えばいいか。


 そう思っていると、夭沙から抱きつかれた。 わっ! なんだなんだ?


「良かった・・・・・。 私生徒会に入れて・・・・。 入れなかったら私・・・・」

「相当頑張ってたもんな。 流石に志摩川先輩の言葉には驚いたけどな。」

「・・・・・うぅー。」


 泣きじゃくられてしまった。 なんか、普通に女子を泣かせた構図になってんな。 抱かれてる側だけど。


「えーっと、そろそろ離してくれると嬉しいんだけど・・・・?」


 顔が崩れた状態の夭沙が頭に「?」が出るような感じによく分かっていないような顔に変わり、その後自分がやったことを確認し直して、バッと離れた。 顔が赤いのは多分自分のした事を思い出して恥ずかしくなったのだろう。


「ご、ごめんなさい! 今のは自分でも何が何だか。」

「いや、それはいいんだけど。」


 うーん、服がちょっと濡れてしまった。 面倒くさいことには・・・・・ならないよな?


「まあ、とにかく生徒会の仕事は明日からみたいだし、今日はとりあえず帰ろうか。」

「え、えぇそうね。」


 寮にとりあえず移動して、そこで夭沙と別れる。 あれで良かったのだろうか?


 とりあえず自分の部屋に帰る。 あれ?みんないないんだけど?


 ・・・・・まあいいや。 時間は・・・・5時位か、なら飯を食ったか分からないから風呂に先に入ろ。


 風呂に行く準備をして、風呂場に行く、が、前に行った浴場の扉の暖簾は「女子」と赤い暖簾がかかっていた。 あら今日から逆になったのか。 しょうがない、面倒だか移動するか。


 もう一つの浴場の扉の暖簾には「男子」の青の暖簾がかかっている。 扉を開けて1度タオルを衣服入れに入れる。 すると、風呂場の方のドアが開く音がした。 おや、先客がいたのか。後ろを振り向くと、そこにはこの状況下で絶対に有り得ない人物がいた。


 タオルで髪を纏めているが、先程まで一緒だった夭沙がそこにはいた。完全に誰もいないかいるのは女子位だろうと思って背伸びをしていたせいで、湯けむりが無ければ、女子の恥部という恥部を晒していただろう。


「きゃぁぁぁぁ!!!!?」


「わぁぁぁあ!?」


 お互いに確認をした後、夭沙は風呂場のドアを思い切り閉めて、俺は俺で更衣室から出ていった。


 多分今頃は着替えているだろうからしばらくは誰か来ないか警戒をしておく。 少しした後に、夭沙がそれはもう風呂に出た後よりも赤い顔で、出てきた。


「私が来た時はまだ赤い暖簾だったのに・・・・・」

「あー、変わってたみたいだね。 他の男子じゃなくて良かった・・・・のかな?」


 あまり良くはないだろうがそういうことにしておこう。


 俺も一旦風呂は仕切り直しして、別のタイミングで風呂に入り皆と合流して、そのまま寝るまで寮から出なかった。


 煩悩は止まらなかったみたいだけれど・・・・夢で出てきちゃったよ・・・・・。

これにて別視点は終了します。 今後こういう機会は増えるかも知れませんが。

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