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別世界で俺は体感バーチャルTPSの才能がとてもあるらしい。  作者: 風祭 風利
第2章 曜務電脳統合高校生徒会
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第19節 新たな武器とキック、先輩の本気

「早速、山本君のスタイルが現れたね。」


 志狼先輩の声に、モニターを見直す。


「あの球体がですか?」


「あれにはね、銃口とレーザーサイトが搭載されていてね。 前方180度、スコープから見渡せる武装になっていんるだよ。 スコープを覗き込みながら周囲を見渡せて尚且つ手元のトリガーを引くと弾が発射されるという事さ。 だからリモコンスナイパーなんて呼ばれるね。」


 リモコンスナイパーか、 扱いはかなり苦を強いられるが、慣れればたとえ、本来スナイパーから見えない位置からでもスナイプ可能って事か。 でも、


「スコープ覗いてる間って一切動けないですよね?」

「一切ではないにしろほとんど動けんのは確かだな。 見つかりでもしたらお陀仏だ。」


 倉俣先輩が補足するように喋る。 普通のスナイパーならその場からスナイプするが、リモコンスナイパーは違う。 先程から浮いている球体から覗き込むので、自分の位置と相手の位置を同時に把握しなければならず、反応や対処が遅れれば、被害は甚大になるだろう。 今はタイマンだが本来はチーム戦、1人の相手をしている場合では無いため、常に距離は考えなければならない。


「でもレーザーサイトが付いてるって事はその球体の位置はバレてしまいますよね?」

「あの球体はスコープ()()()だからあの球体を撃っても効果はない。 それどころか対象にも取れないし、当たり判定にも入らない。」


 万能・・・とは言えないか。 狙われてるって事はバレてるしな。

 そう思いながら見ていると、モニターの方に動きがあったみたいだ。


 ―――――――――――――――


 流石に一筋縄ではいかないわよね。 狙いを付けたと思ったらことごとく斜線の妨げになる建物を利用してくる。 生徒会長になるだけの事はあるって事よね。


 先輩の姿が見えなくなってしまったので、1度スコープを外す。すると球体が手元に戻ってくる。 先輩も近づいてきてると思うし、ここは離れましょう。


 とりあえず機雷を撒いておきましょう。 後ろに2、3個ポイポイっとね。


 上に登ると位置バレしちゃうから出来れば建物近くから・・・・・ 近くで爆発音が聞こえた多分機雷が発動したのだろう。 人が近づくとトリガーになり、爆発を起こす仕組みなのだけれど・・・・


「案外近くまで来てたって事よね。危なかったわ・・・・」


 近いということはこちらの位置も把握お願いされている可能性もある。 機雷を撒くのに法則的になっちゃったからこっちに来るわよね。 ならこのミサイルで爆風ごとダメージを入れましょう。


 セミロングスタイルの「シュートミサイル」で狙いを定める。


 じっと待って、建物の影から先輩の顔が見えた! その時点でトリガーを引き、円錐状のミサイルが先輩が出てきた建物ごと爆風を放つ。 どうかしら?直撃までとはいかなくても、爆発には巻き込まれたでしょ。 もう一度狙いを定めてみると、先輩の姿は無かった。 嘘!? 当たってないの!?


「なかなかやるわね! あそこで「ドライビングフォース」を使わなかったら、直撃してたわよ。」


 あの土壇場、しかもあの状況下で移動をしたって言うの? しかも距離を詰められたということは、


「次は私のコンボを食らってもらえるのかしら?」


 先輩のその言葉にゾッとした。 小柄な容姿からはとても滲み出せない不気味さがあったのだ。そう思って咄嗟に持っていた「シュートミサイル」の銃身を盾にしたが、先輩が放った蹴りが銃身に触れた。 それだけなのに、その衝撃に銃身を離してしまった。


 まともに食らったらいけないと思って、思いっきり地面を蹴って、志摩川先輩と距離を取った。 深追いしてこないみたいだし、体制を整えないと。


 ―――――――――――――


「なぜあそこで志摩川先輩は夭沙に追い討ちをかけなかったのですか?」


 モニターを見ていて真っ先に疑問に思ったことを志狼先輩にぶつけてみる。


「あいつの武器は1度使うと反動でしばらくは使えなくなるんだよ。」


 幸坂先輩が疑問に答えてくれた。


「志摩川さんの武器、ショートスタイルは左右共に靴に装着されているんだ。」


 志狼先輩が補足するよう説明してきた。 通りで両手に何も武器らしいものを持ってないわけだ。 手でなく足なら下手な片手武器で移動するよりも機動力は上がる。


「さっき言っていた「ドライビングフォース」、直訳すると「推進力」、彼女の左手に持っている小型のポンプを使うんだけど、あれはスイッチを押しっぱなしにすると足に連騰されている装置にチャージされ、離すとチャージした分が一気に放出されるという武器なんだよ。」


「ジャンプゲージと併用してない所を見ると、ホントに武器の一つとしてあるみたいですね。」


「そうだね。 そしてもう一つの方は、「キックブースター」。 あれは自分の脚部、正確には下半身部の繰り出す攻撃に力が乗っかる仕組みになっているんだよ。」


 つまり先程夭沙の持っていた銃身ごとぶっ飛ばしたのはそれがあったからか。なんだかどっかで聞いたことのある話だ。 間違っているだろうという考えも込めて質問してみよう。


「志摩川先輩って高校に入る前はマラソンとかサッカーとか、なにか脚部中心のスポーツでもやってたんですか?」


 その質問に幸坂先輩が「フッ」と笑った。 なんかおかしい事でも質問したか?


「流石に見る目は鋭いな。 あいつは小中学生の時はサッカー一筋だったらしいんだ。 だから腕部よりは脚部に武器があった方が動けるとはよく言ったもんだ。」


 もうそんなに熱心だったら「ボールは友達」とか、「諦めなければ出来る」とか言ってたのかもな。 昔のアニメの影響かも。


「さて、モニターの方でも動きがあったみたいだよ。」

「い、今の所は志摩川先輩の有利、ね。 志摩川先輩はまだショートスタイルしか見せてないから、夭沙は、かなり、不利かもね。」


 相手を知るのも戦術の一つ、そして夭沙が一方的にダメージを食らっただけ。 (それでも軽傷位だが)近距離主体の志摩川先輩と遠距離主体の夭沙、間合いの取り合いになるか・・・・・? いや少し詰め寄ってでも先輩の位置は把握しなければならない。夭沙の武器は基本的にはサイト込みでの距離把握になるし、目視じゃないから距離感覚も微妙に違うしな。 なら志摩川先輩が見つけられない程度に場所を把握しなければならない訳で・・・・


「なんで自分の試合でも無いのにぶつくさ言ってるんだよ。」


 倉俣先輩に指摘されてハッと我に返る。 長い時間ではないにしろ考え込んでいたみたいだ。


「しっかり見てやってやれよ。 お前が考えることでもないんだし。」


「いや、今からでも特色だけでも考えておくのは悪くない。 しばらくは一緒にいることになるんだしな。」

「まだ決めつけるのは早いのでは? 流石に。」


「いや、もうあいつの中での入部条件は()()()()()()()。」


「それじゃぁ、後はぁ、勝てるかどうか、ですねぇ。」

「勝てなくても関係ないだろ。 あの人の事だし。」


 先輩の話の流れが分からないがとりあえず彼女も入れる可能性は高いらしい。

 後はどこまで自分を引き出せるか、か。


 ――――――――


 どうしよう。 かなり距離を詰められたみたい。 なかなか離さしてくれない。


「さーてと、夭沙の武器も見たし、これじゃ不公平よね。 なら私も本気としてスタイルを見せちゃおうかな!」


 先輩の本気・・・・・・・・ 何を出されるか分からないからまずは距離だけは保たないと。


 先輩がどこにいるのかだけでもまずは確認しないと。

 リモスナ (リモコンスナイパー)のスコープを投げて視野を広げて・・・・ 見えた!


 こちらには・・・・・まだ気付かれてない、っ!

 瞬きした瞬間に目の前から居なくなった。 いや正確には移動した。ということは足のブーストを使ったのね、ならさっきの事を考えるとしばらくは使えないわよね。ならここで一撃重いのを・・・・・??? なにか違和感が・・・・


「私の武器その1は、これよ!!」

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